純血貴族令嬢が示した破れない契約書
純血貴族、「蝶」の家系に生まれたエメ・フラヴィ・ケールウィンは、
魔力使いである「蜘蛛」の一族へ血を媒介し魔力を提供している。その高貴な血は多くの魔力使いから求められるが、エメには契約を継続する絶対の条件がある。それは「自分の血を1番として必要とする事」。
そんな彼女に届いた依頼の相手は「蜘蛛」の家系の公爵家の跡取りであるカシアン・バシル・スピレネットだった。彼は生まれ持っての魔力が乏しく成績に伸び悩び、家の期待に応えられないでいた。エメとお試しで仮契約を結んだカシアンは順当に成績を伸ばして行き、すぐ彼女に正式な契約を申し込む。だが、エメはそれを冷たく断った。
「私と契約したいなら私の血を1番に愛おしく思わなければ
駄目よ。」
そう言い1番に執着心し、複数人に魔力供給をして自らを傷つける彼女の危うさと、トラウマにカシアンは触れていく。そして自分のコンプレックスも容易に見抜くエメに惹かれ、心を許して行った。そんな彼女を大切にして行くために、カシアンも少しずつ心を変え、覚悟を決めていく。
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