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遊びの中で砂を投げてしまうお子さんの見立てと対応の話
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ASD特性、ADHD特性のあるお子さんが遊び場で砂を投げてしまう
他のお子さんにも砂がかかってしまうので、やめるように言っても繰り返してしまいます
というご相談がありました
さて、ものすごく心当たりがありますね(´・ω・`)
子ども達が共有して一緒に遊ぶ「砂場」という場所は、「様々な遊び方が混在するところ」 という認識です
そこで、遊び方の違いや特性が色濃く出てしまうと、どうしても止めてしまう場面は出てきます
「止める」自体はご家族はみんなしますし、私だってします。決して悪いことではありません
ただ、持っておいて損はない知識と、遊びのレパートリーは確かにあります
ここでは更にこのような場面でのお子さんの見立てと、どんな関わりができるかを紹介して、少しでもヒントを得たり、関わりの幅が広がる一助になることを目指したいと思います
原因や対応 いろいろあると思いますが、以下に記述していこうと思います
なぜ砂を投げてしまうのか を考える
お子さんが砂を投げてしまう要因をまず考えていきたいと思います
まずは感覚統合の視点から見ると、
感覚的要因
まず、感覚面で考えるなら「触覚」「固有覚」「視覚」「前庭覚」がまず思いつきます
「触覚」
手の裏に砂のじゃりじゃり、ざらざら、さらさらした感覚を入れることもします
ニコニコで遊んでいるなら、きっとその感覚を楽しんでいるのだと思いますし、過敏でなければ、「低反応」で強く、長く刺激を入れるために遊びが長時間に及ぶケースがあります
「固有覚」
一つの注目ポイントで、固有覚が育っていないと、力加減が難しく、砂を移動させるために軽くなる動作も思いっきり投げてしまうことがあります
バンバン砂をなげて、他児にぶつけるお子さんを結構見てきましたが、ここが育っていないお子さんが多かったです
砂を強く握ることはできるが、優しく開けない→力いっぱい振れば手から離れる といった子もいました
「視覚」「前庭覚」
ここもちょっと要因とにらんでいて、乾いた砂が舞う様子を見たいということで、わざと砂煙出すために投げる、足でける、といった行動を続けるお子さんもいました
ファー と砂が舞う様子や、投げた砂が飛んでいく様子を見ることで、視覚的に楽しむのですが、他者を意識することが難しいとどうしても歯止めが利かないこともありました
また、お子さんによっては一度焦点がそこに合うとそればかりに注意が行ってしまう子もいるので、ここは眼球運動を司っている「前庭覚」「も関係しているとも考えます
発達段階の面と特性的な面からの要因
お子さんが上記ようなケースで感触遊びをしているのではなく、
「投げることで、ぶつけることで誰かが反応してくれた」
という学習をしてしまうこともあります
他者と関わりたいが、状況の理解や、他者の気持ちを理解して、想像して行動が難しいお子さんは怒らても、嫌がられてもそういった関わりを繰り返してしまうことがあります
誤学習ではあります。ただ、「他者にいてほしい」という気持ちが芽生えてもいる成長の証ともいえるのです
考えられるお子さんへの対応(私がやっていた遊び)
感覚的要因の場合
子どもは日常生活の中で感覚入力を入れながら、感覚を成長させています
今回の場合は、お子さんが必要以上に感覚を入れるケースだとも推測できます
感覚入力が上手くいってないことで、必要以上に感覚を強く入れるお子さんの遊び方は激しくなり、周囲への影響は大きくなると思ってます
砂遊び以外の遊びでもそういった傾向が出ていることもありますので、身体づくり、感覚統合を中心にした遊びができると良いかもしれません
感覚が成長していくと自ずと遊び方が変わってきます
霧吹き、シャボン玉
視覚的に楽しみを見出しているなら、霧吹きやシャボン玉で水しぶきや、シャン本玉が飛ぶ様子でも楽しめるかもしれません
周囲に人がいないことを確認しつつ、砂を投げる遊びになったときは代替え案としてこの遊びに移行してみてもいいかもしれません
ただ、砂を投げる遊び同様に、周囲へ影響がある遊びではあるので、やるときはお子さんに渡さず、に大人がやって見せるようにするのが良いかもしれません
発達面、特性面の場合
「誤学習」的な行動を止めるだけでなく、別の新しい遊びなどを提案、一緒にやっていくことで「これをやりたい」とお子さんから求められるような形を目指します
お子さんから「やってほしい」という訴えが事前にあれば、周囲に影響が及ぶ前に大人が対応できるからです
なので大人はそれも一緒に調整できるような遊び方を提案したり、環境調整する必要があります
また、他者に対しての意識が薄いと「遊び」も一人遊びでも他社に影響を及ぼしてしまうこともあるので、基本的には提案した遊びの主導権は大人が持つ方が良いかもしれません
渡してしまうとそれもまた他者に影響を与え、大人が止める動きが増えてしまうからです
ガード・段ボール、バスタオル的あて
大きめの段ボール、を用意します
砂を投げる前に人がいる方向に設置して置き、投げてもぶつからないような環境を作ります
段ボールじゃなくても、相手との境界線になるものであれば何でも構いません 大人がもってもいいですし、砂場にさして固定するしてもOKです
ただ、これだとちょっと味気無さもあるので応用として
段ボールやバスタオルに絵(怪獣やお化け)の絵をなんでもいいので書いて砂をぶつけるような的あて遊びを展開させていました
他者への興味が出てきたのであれば、このやり取りを楽しめるかもしれません
この遊びの良い所は、
・仮に「投げることで人が来る遊び」になっていた場合、「砂を投げる意識」を自覚してもらうことで、「この遊びをしてほしい」と大人に伝えるワンクッションが置ける一助になること
・砂を投げる方向を一方向に調整できる
・他児も参加できる遊びに昇華できる
というものが考えられます
これ以外でも、大人が調整者になれるような遊びを行いつつ、お子さんの行動を調整できるような形ができればどんな遊びでも構いません
様々なお子さんと遊んできた中での私の所見ですが、
ASD傾向、ADHD傾向の特性のあるお子さんが集団の場で一人で遊ぶことはかなりハードルが上がります
本人は楽しんでいますが、周囲と折り合いがつかずに終わってしまうことや、大人がその雰囲気にあてられてしまい、どっちもダウンしてしまうケースが多いからです
今回紹介したものは、感覚統合でもあり、子どもと子どもの遊びの仲介人、調整者になる視点でもあります
私的には、多くのご家族、ひいては大人にこの視点を持っていただきたいと思っているのです
正直、日頃から支援の勉強をしている、お子さんと奮闘しているご家族にあれもやれ、これもやれ言うのもなんか違うなぁという感覚もあります
今回のご相談で私も考える機会ができました。遊びをまとめていくことで、必要なご家族に援護射撃ができたり、他の人も知る機会になるな…と
引き続き、記事として「遊び」や「関わりの視点」を投稿していきます
他のお子さんにも砂がかかってしまうので、やめるように言っても繰り返してしまいます
というご相談がありました
さて、ものすごく心当たりがありますね(´・ω・`)
子ども達が共有して一緒に遊ぶ「砂場」という場所は、「様々な遊び方が混在するところ」 という認識です
そこで、遊び方の違いや特性が色濃く出てしまうと、どうしても止めてしまう場面は出てきます
「止める」自体はご家族はみんなしますし、私だってします。決して悪いことではありません
ただ、持っておいて損はない知識と、遊びのレパートリーは確かにあります
ここでは更にこのような場面でのお子さんの見立てと、どんな関わりができるかを紹介して、少しでもヒントを得たり、関わりの幅が広がる一助になることを目指したいと思います
原因や対応 いろいろあると思いますが、以下に記述していこうと思います
なぜ砂を投げてしまうのか を考える
お子さんが砂を投げてしまう要因をまず考えていきたいと思います
まずは感覚統合の視点から見ると、
感覚的要因
まず、感覚面で考えるなら「触覚」「固有覚」「視覚」「前庭覚」がまず思いつきます
「触覚」
手の裏に砂のじゃりじゃり、ざらざら、さらさらした感覚を入れることもします
ニコニコで遊んでいるなら、きっとその感覚を楽しんでいるのだと思いますし、過敏でなければ、「低反応」で強く、長く刺激を入れるために遊びが長時間に及ぶケースがあります
「固有覚」
一つの注目ポイントで、固有覚が育っていないと、力加減が難しく、砂を移動させるために軽くなる動作も思いっきり投げてしまうことがあります
バンバン砂をなげて、他児にぶつけるお子さんを結構見てきましたが、ここが育っていないお子さんが多かったです
砂を強く握ることはできるが、優しく開けない→力いっぱい振れば手から離れる といった子もいました
「視覚」「前庭覚」
ここもちょっと要因とにらんでいて、乾いた砂が舞う様子を見たいということで、わざと砂煙出すために投げる、足でける、といった行動を続けるお子さんもいました
ファー と砂が舞う様子や、投げた砂が飛んでいく様子を見ることで、視覚的に楽しむのですが、他者を意識することが難しいとどうしても歯止めが利かないこともありました
また、お子さんによっては一度焦点がそこに合うとそればかりに注意が行ってしまう子もいるので、ここは眼球運動を司っている「前庭覚」「も関係しているとも考えます
発達段階の面と特性的な面からの要因
お子さんが上記ようなケースで感触遊びをしているのではなく、
「投げることで、ぶつけることで誰かが反応してくれた」
という学習をしてしまうこともあります
他者と関わりたいが、状況の理解や、他者の気持ちを理解して、想像して行動が難しいお子さんは怒らても、嫌がられてもそういった関わりを繰り返してしまうことがあります
誤学習ではあります。ただ、「他者にいてほしい」という気持ちが芽生えてもいる成長の証ともいえるのです
考えられるお子さんへの対応(私がやっていた遊び)
感覚的要因の場合
子どもは日常生活の中で感覚入力を入れながら、感覚を成長させています
今回の場合は、お子さんが必要以上に感覚を入れるケースだとも推測できます
感覚入力が上手くいってないことで、必要以上に感覚を強く入れるお子さんの遊び方は激しくなり、周囲への影響は大きくなると思ってます
砂遊び以外の遊びでもそういった傾向が出ていることもありますので、身体づくり、感覚統合を中心にした遊びができると良いかもしれません
感覚が成長していくと自ずと遊び方が変わってきます
霧吹き、シャボン玉
視覚的に楽しみを見出しているなら、霧吹きやシャボン玉で水しぶきや、シャン本玉が飛ぶ様子でも楽しめるかもしれません
周囲に人がいないことを確認しつつ、砂を投げる遊びになったときは代替え案としてこの遊びに移行してみてもいいかもしれません
ただ、砂を投げる遊び同様に、周囲へ影響がある遊びではあるので、やるときはお子さんに渡さず、に大人がやって見せるようにするのが良いかもしれません
発達面、特性面の場合
「誤学習」的な行動を止めるだけでなく、別の新しい遊びなどを提案、一緒にやっていくことで「これをやりたい」とお子さんから求められるような形を目指します
お子さんから「やってほしい」という訴えが事前にあれば、周囲に影響が及ぶ前に大人が対応できるからです
なので大人はそれも一緒に調整できるような遊び方を提案したり、環境調整する必要があります
また、他者に対しての意識が薄いと「遊び」も一人遊びでも他社に影響を及ぼしてしまうこともあるので、基本的には提案した遊びの主導権は大人が持つ方が良いかもしれません
渡してしまうとそれもまた他者に影響を与え、大人が止める動きが増えてしまうからです
ガード・段ボール、バスタオル的あて
大きめの段ボール、を用意します
砂を投げる前に人がいる方向に設置して置き、投げてもぶつからないような環境を作ります
段ボールじゃなくても、相手との境界線になるものであれば何でも構いません 大人がもってもいいですし、砂場にさして固定するしてもOKです
ただ、これだとちょっと味気無さもあるので応用として
段ボールやバスタオルに絵(怪獣やお化け)の絵をなんでもいいので書いて砂をぶつけるような的あて遊びを展開させていました
他者への興味が出てきたのであれば、このやり取りを楽しめるかもしれません
この遊びの良い所は、
・仮に「投げることで人が来る遊び」になっていた場合、「砂を投げる意識」を自覚してもらうことで、「この遊びをしてほしい」と大人に伝えるワンクッションが置ける一助になること
・砂を投げる方向を一方向に調整できる
・他児も参加できる遊びに昇華できる
というものが考えられます
これ以外でも、大人が調整者になれるような遊びを行いつつ、お子さんの行動を調整できるような形ができればどんな遊びでも構いません
様々なお子さんと遊んできた中での私の所見ですが、
ASD傾向、ADHD傾向の特性のあるお子さんが集団の場で一人で遊ぶことはかなりハードルが上がります
本人は楽しんでいますが、周囲と折り合いがつかずに終わってしまうことや、大人がその雰囲気にあてられてしまい、どっちもダウンしてしまうケースが多いからです
今回紹介したものは、感覚統合でもあり、子どもと子どもの遊びの仲介人、調整者になる視点でもあります
私的には、多くのご家族、ひいては大人にこの視点を持っていただきたいと思っているのです
正直、日頃から支援の勉強をしている、お子さんと奮闘しているご家族にあれもやれ、これもやれ言うのもなんか違うなぁという感覚もあります
今回のご相談で私も考える機会ができました。遊びをまとめていくことで、必要なご家族に援護射撃ができたり、他の人も知る機会になるな…と
引き続き、記事として「遊び」や「関わりの視点」を投稿していきます
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