魔法使いの贈り物

ひろ

文字の大きさ
上 下
1 / 1
自然豊かな国「マルサミ」

花が咲く草原

しおりを挟む
果てしなく続く草原の中にユリのように白い髪を持ち中性的な顔だちをした。魔法使いが立っていた。
魔法使いは今日もバッグを背負い旅路を急ぐ
遠くに村が見えた、
「今度の村は人が住んでいるといいな」
そんな期待を胸にしながら歩いているとあっというまに村についた。
その村は荒廃がしているが、数人が住んでいるようだった。
そこで、軒先に座っていたお婆さんに話しかけた。
「こんにちは」
お婆さんはゆっくりとした口調で話した。
「こんにちは、君はこの辺じゃ見ない顔だね」
「はい!ここまで旅をしてきました。」
「そうなんだねぇ、大変だっただろうね。」
「いえ、趣味のようなものな物なので楽しいですよ!」
そこに小さな楯と剣を持った男と手にグローブをつけた女が走ってきた。
「おーい、そこの旅の人!」
「どうしたんですか?」
男が息を切らしながら話した。
「三日前に仲間が畑あらしのゴブリン退治にいったんだけど、まだ、帰ってこないんだ!
旅の人なら、戦えるだろう?頼むよ探すのを手伝ってくれないか?」
「分かりました、、、」
あまり気は進まないがこまっている人を見捨てるわけにはいかないので手伝うことにした。
村から少し離れたところに林があった。
その林を少し進むと大きな畑に出た、米や野菜などが所狭しと植えられお日様の光を取り合うように高く生えていた。
所々荒らされた形跡はあるが、そこまで酷くはなかった。
そこを抜けると再び林があり、さらに行くと大きな洞穴についた。
洞穴の中は日の光が所々差し込み明るかった。しばらく進むとゴブリンの死体がポツポツと何体かあった。その奥に人が倒れていた。
「大丈夫か?」
男が必死に話しかけた。そしたら消え入りそうな声で
「俺たちはゴブリンを全て倒した。だが、敵はゴブリンだけじゃなかった、、、、」
倒れていた人は意識を失ってしまったようだ。
「あなたの言っていた仲間とは、彼一人ですか?」
「そうです。」
「なぜ、彼一人に行かせたのですか?」
少し怒った口調で聞いた。
男は悲しそうな声で言った。
「俺らも最初はついていこうと思ったでも、そしたら、村を守る事もできなくなってしまうし、ゴブリンだけなら彼だけでも大丈夫だと思ったんだ。」
男が話し終わったと同時に雄叫びが聞こえた。
「ウゥーーーーーーーーー」
振り向くと大きな斧を持ったミノタウロスが出てきた。
ミノタウロスは斧を振り上げた斧を横になぎ払った。女が飛ばされる。
「うっ、、」
男が走っていった。
「大丈夫か!」
魔法使いは手を前にかざした。それと同時にての少し前に魔法陣が出来た、そこから一直線にミノタウロスに青い光が飛んでいった。青い光は、ミノタウロスに当たり、ミノタウロスは、吹き飛ぶその巨体が洞窟の壁に当たると共に洞窟が音を出して崩れ始めた。魔法使いは女を、男は仲間を洞窟が崩れるギリギリで外に運び出した。
「危なかったですね。」
「そうだね、運が良かった。」
その後、村に戻ったら村人が4人を祝福し宴を開いた。男達の仲間は怪我をしたが命に別状はなかったが、気絶していて宴に参加できなかったことを悔やんでいた。
それから数日、魔法使いは村の人に近くの町への行き方を聞き村を出ることにした。村人達は盛大に見送ってくれた。男達は涙目になりながら。
「本当にありがとう!」
と、三人揃って言ってくれた。
「どういたしまして。」
魔法使いは照れくさそうに返した。
女が聞いた、
「旅の人、聞き忘れていましたがあなたの名前は、何と言うんですか?」
魔法使いは答える。
「名乗るほどの者ではありませんが、「シロ」と、呼んでください!」
シロは微笑んだ。そして、村の人達皆に聞こえる声で言った。
「行ってきます。」
村人達は答える。
「行ってらっしゃい!「シロ」。」
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな

カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界 魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた 「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね? それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」 小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く 塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう 一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが…… ◇◇◇ 親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります (『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です) ◇◇◇ ようやく一区切りへの目処がついてきました 拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです

エロ・ファンタジー

フルーツパフェ
大衆娯楽
 物事は上手くいかない。  それは異世界でも同じこと。  夢と好奇心に溢れる異世界の少女達は、恥辱に塗れた現実を味わうことになる。

校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話

赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)

幼女からスタートした侯爵令嬢は騎士団参謀に溺愛される~神獣は私を選んだようです~

桜もふ
恋愛
家族を事故で亡くしたルルナ・エメルロ侯爵令嬢は男爵家である叔父家族に引き取られたが、何をするにも平手打ちやムチ打ち、物を投げつけられる暴力・暴言の【虐待】だ。衣服も与えて貰えず、食事は食べ残しの少ないスープと一欠片のパンだけだった。私の味方はお兄様の従魔であった女神様の眷属の【マロン】だけだが、そのマロンは私の従魔に。 そして5歳になり、スキル鑑定でゴミ以下のスキルだと判断された私は王宮の広間で大勢の貴族連中に笑われ罵倒の嵐の中、男爵家の叔父夫婦に【侯爵家】を乗っ取られ私は、縁切りされ平民へと堕とされた。 頭空っぽアホ第2王子には婚約破棄された挙句に、国王に【無一文】で国外追放を命じられ、放り出された後、頭を打った衝撃で前世(地球)の記憶が蘇り【賢者】【草集め】【特殊想像生成】のスキルを使い国境を目指すが、ある日たどり着いた街で、優しい人達に出会い。ギルマスの養女になり、私が3人組に誘拐された時に神獣のスオウに再開することに! そして、今日も周りのみんなから溺愛されながら、日銭を稼ぐ為に頑張ります! エメルロ一族には重大な秘密があり……。 そして、隣国の騎士団参謀(元ローバル国の第1王子)との甘々な恋愛は至福のひとときなのです。ギルマス(パパ)に邪魔されながら楽しい日々を過ごします。

処理中です...