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到着したわ、ついに

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 その後。

 俺達は神の山の頂上にやってきた。
 二年前の聖域には多くの強力なモンスターがいたが、今回はまったく遭遇しなかった。瘴気に侵されて世界を襲っていたモンスターは、神の山から生まれたと聞く。そのほとんどは、瘴気に狂い外に出ていったのだろう。

 辿り着いたのは遺跡群だ。
 古代人の都市。
 金属の骨組みで作られた建物の残骸が並んでいる。

「オルたそ。マーテリアのいた場所を憶えてるか?」

「はい……たぶん、こっちだったと、思います」

 俺とオルタンシアは、二年前の記憶をたよりに、地下へと続く建物を探す。
 意外にもそれはすぐ見つかった。
 二年前、俺が蹴破った鉄扉が落ちていたからだ。

「ここだ」

 こじんまりとした建物の中には、鉄で作られた下りの螺旋階段が続いている。

「かなり古くなってる」

 下を覗き込んだセレンが、淡々と呟いた。

「気を付けろ。崩れないとは思うけど、足を滑らせたら危ない」

 俺は先頭を行くことにした。何があるかわからないし、早く行きたい気持ちもある。

「暗いっすね」

 俺の後ろを歩くウィッキーが、魔法で照明を作っていた。

「おい。一体どこに行くつもりだ」

 嫌味っぽく行ったのは、全裸美少女イキールだ。
 全裸とはいっても、光の帯でぐるぐる巻きにされているから、体のほとんどは隠れている。

「さっきの話を聞いてなかったのか? エレノアに会いに行くんだよ」

「彼女が、こんなところにいるのか?」

「ああ。この下に、マーテリアが封印されてるからな」

「万象の光マーテリア……創世の三女神の一柱か」

「それにたぶん、ファルトゥールもいる。エレノアにやられてなけりゃな」

「法理の光ファルトゥールまで? 聖域とは名ばかりではないということか」

 イキールの声はとても可愛らしいものになっている。ティエスの『ドリーム・リキッド』によって変化した姿は、まさにあのおっさんの理想を具現化したような属性を持っていた。
 今まで黙っていた教皇が、不意に口を開く。

「ロートス・アルバレス。ワシからも聞きたいことがあるんだ」

「なんだよ」

「女神エンディオーネがいる場所はどこなんだ?」

「あいつは〈座〉に引きこもってるよ。エレノアに神性を奪われたから、出てきても何もできないんだろ」

「エンディオーネの神性が聖女に奪われたなんて、初めて聞いたんだ」

「エレノアはあんたに言ってなかったのか?」

「初耳なんだ」

「ふーん。まぁ聞きたいことがあるなら、本人に直接聞いてくれ」

 階段を降りた先、蹴破った鉄扉の向こう側に、地下なのに広い空間がある。

「ここだ」

 広間の中央に、大きなクリスタルが浮いている。
 これは見覚えがある。サラが封じられていたクリスタルだ。いわゆる神の魔力の結晶。
 そのクリスタルの中には、一人の美女が眠っている。白い衣を纏ったすっごい巨乳のパツキン美女だった。
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