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未来の伝説は現在の真実
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「オルたそとの間にはアナベルがいるからな。言われなくても結婚はするつもりだけど……何もこのタイミングじゃなくていいんじゃ? バタバタしてるだろ」
「そんなこと言ってたら婚期を逃しちゃうよ~。ジェルド族にとって結婚はかな~り大きな意味を持つんだし~」
「そんなこと言って。あれだろ? ジェルド族の勢力を増したいって考えてるんだろ?」
「もちろん~。だって、自分の国や部族が繁栄してほしいって思うのは当然でしょ~? それをさも悪いことのように言うのは、ちょっとなんか違う気がするな~」
「別にそんなつもりはないけど」
確かに。自分の家族、友人、所属するコミュニティの人達、国や部族を含めて、成功してほしい幸せになってほしいと思う気持ちは人として当然持つべき思いだ。
その為に他人を不幸にしなければ、別に何の問題はない。幸せってのは限られたパイではないんだからな。
「けどな……オルたそとアナベルが必要以上に注目されるのは本意じゃない」
「それについてはもう手遅れでしょ~。例えば一年後、五年後、十年後に結婚したとしても、注目は免れないだろうし~」
「まあな……」
「それにさ~。オルタンシアとの間にはもう子どもがいるんだよ~。結婚したってなんのお咎めもないはずさ~」
「なるほど」
一理ある。逆に結婚しない方が無責任だと言われそうだ。
「それに、理由はそれだけじゃないんだよ~」
「と、いうと?」
「ロートス。キミは亜人連邦の王でしょ~? マッサ・ニャラブにとっちゃお隣さんさ~。そんで、グランオーリスとも仲がいい。そしたら、マッサ・ニャラブは挟まれちゃうことになるんだよ~。そんなの、ジェルドにとってもきついでしょ~?」
「ふむ。だから、オルたそと結婚して国交を結ぼうと……でもそれなら俺がジェルドの王になることもないだろ」
「マッサ・ニャラブは七つの部族から選ばれた部族王達が政治をする共和制なんだけどさ~。それがそもそもやばいんだよね~」
「やばい?」
「みんな我が強くてさ~。余が頑張って引っ張ってるけど、そろそろ限界かな~」
「俺に押し付けようってのか?」
「違う違う。余よりも適任だってことだよ~」
「同じじゃねーか」
ソファにゴロンと横になるアルドリーゼ。ただでさえ露出が激しい服を着ているから、爆乳が零れ落ちそうだった。
「オルたそとは結婚する。けどジェルドの王にはならないぞ」
「それなら~アナちゃんは余がもらってもいいかな~」
「は? なんでだよ。ダメに決まってるだろ」
「ロートスが王にならないなら、次の女王になってほしいからさ~」
「まだ一歳だろ? そんなの無理だ」
「だから余が育てて、王としての教育を施すのさ~。アナちゃん以外に次代の女王は考えられないよ~。あの子はすごい子なんだし」
「けどよ」
「このままじゃ、ジェルド族は滅びる」
アルドリーゼが急に声色を変えた。
「なんだって?」
「救世神伝説は未来からきた神話かもしれない。けどさ~、それって裏を返せば、事実だってことさ~」
「まぁ、そうかもな」
「キミか、キミの血を継ぐ子がジェルドを率いないと、おしまいなんだよ~」
なんてこった。
つまるところジェルドの命運は、俺の判断にかかっているということだ。
「そんなこと言ってたら婚期を逃しちゃうよ~。ジェルド族にとって結婚はかな~り大きな意味を持つんだし~」
「そんなこと言って。あれだろ? ジェルド族の勢力を増したいって考えてるんだろ?」
「もちろん~。だって、自分の国や部族が繁栄してほしいって思うのは当然でしょ~? それをさも悪いことのように言うのは、ちょっとなんか違う気がするな~」
「別にそんなつもりはないけど」
確かに。自分の家族、友人、所属するコミュニティの人達、国や部族を含めて、成功してほしい幸せになってほしいと思う気持ちは人として当然持つべき思いだ。
その為に他人を不幸にしなければ、別に何の問題はない。幸せってのは限られたパイではないんだからな。
「けどな……オルたそとアナベルが必要以上に注目されるのは本意じゃない」
「それについてはもう手遅れでしょ~。例えば一年後、五年後、十年後に結婚したとしても、注目は免れないだろうし~」
「まあな……」
「それにさ~。オルタンシアとの間にはもう子どもがいるんだよ~。結婚したってなんのお咎めもないはずさ~」
「なるほど」
一理ある。逆に結婚しない方が無責任だと言われそうだ。
「それに、理由はそれだけじゃないんだよ~」
「と、いうと?」
「ロートス。キミは亜人連邦の王でしょ~? マッサ・ニャラブにとっちゃお隣さんさ~。そんで、グランオーリスとも仲がいい。そしたら、マッサ・ニャラブは挟まれちゃうことになるんだよ~。そんなの、ジェルドにとってもきついでしょ~?」
「ふむ。だから、オルたそと結婚して国交を結ぼうと……でもそれなら俺がジェルドの王になることもないだろ」
「マッサ・ニャラブは七つの部族から選ばれた部族王達が政治をする共和制なんだけどさ~。それがそもそもやばいんだよね~」
「やばい?」
「みんな我が強くてさ~。余が頑張って引っ張ってるけど、そろそろ限界かな~」
「俺に押し付けようってのか?」
「違う違う。余よりも適任だってことだよ~」
「同じじゃねーか」
ソファにゴロンと横になるアルドリーゼ。ただでさえ露出が激しい服を着ているから、爆乳が零れ落ちそうだった。
「オルたそとは結婚する。けどジェルドの王にはならないぞ」
「それなら~アナちゃんは余がもらってもいいかな~」
「は? なんでだよ。ダメに決まってるだろ」
「ロートスが王にならないなら、次の女王になってほしいからさ~」
「まだ一歳だろ? そんなの無理だ」
「だから余が育てて、王としての教育を施すのさ~。アナちゃん以外に次代の女王は考えられないよ~。あの子はすごい子なんだし」
「けどよ」
「このままじゃ、ジェルド族は滅びる」
アルドリーゼが急に声色を変えた。
「なんだって?」
「救世神伝説は未来からきた神話かもしれない。けどさ~、それって裏を返せば、事実だってことさ~」
「まぁ、そうかもな」
「キミか、キミの血を継ぐ子がジェルドを率いないと、おしまいなんだよ~」
なんてこった。
つまるところジェルドの命運は、俺の判断にかかっているということだ。
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