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まだ終わってないんちゃう?
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「ふう」
一仕事終えた俺は、ひとまずアイリスのところへと戻った。
「ご苦労さん」
ヒーモもいた。
「一段と強くなっているようだね。いや、あれはもう強いとかそんな次元じゃない。キミが親友じゃなかったら、恐れ慄いて同じ人間だとは思えなかっただろうね」
「そりゃどうも」
ヘラヘラしているヒーモは放っておくとして。
周囲では、勝利を伝え合う鬨の声が鳴り響いていた。
「うおおおお! なんかよくわからないけど、モンスター達が一気に消えちまったぞ!」
「ああ! 気が付いたら勝ってた! やったな!」
「我が国のS級冒険者達が援軍に来てくれたおかげだ! まじで嬉しい!」
グランオーリス兵士達の嬉々とした声が聞こえてくる。いいことだ。
「ははは。吾輩のおかげらしいぞ。どうだロートス。キミもそう思うか」
「どちらかと言えばそう」
「つまり、そう思うということだな!」
高笑いするヒーモ。お前が乗ってたドラゴンも消し去ってしまったんだけど、それはいいのか。まあいいんだろう。
「嬉しがってる場合か? 肝心の魔王がまだ残ってる」
「いかにも」
ヒーモは急に真剣な表情になる。
「奴を倒さない限り、この戦いは終わりはない。ひいては、世界に真の平和も訪れはしないだろう」
「もったいぶった言い方だな。さっさと魔王を倒しにいくぞ」
「それには及ばないさ。S級冒険者のパーティが魔王の対処にあたっているからね」
「おい。グランノーリスの王様や、エレノアだって魔王には敵わなかったんだ。冒険者が束になったって、勝てっこない」
「勝つ必要はないのさ。この戦いの目的を考えればね」
「どういうことだ」
「今回の戦闘は、魔王を神の山から引きずり出すために引き起こされた。つまり、この時点で第一目的は達成しているんだよ。今ごろ、別動隊が神の山を封鎖しているはずさ。二度と魔王が引きこもれないようにね」
「……なるほどな。だが当のグランオーリス王は、ここで魔王を倒すつもりだったぞ」
「ヘリオス陛下か。あのお方は魔王の早期打倒に拘っておられたからね。一刻も早く世界に安寧をもたらしたいと意気込んでおられた。ただし、物事には順序というものがある。焦っても功は得られない」
ヒーモにしては的を射たことを言う。
しかし。
「そういや、王様はどうなった。魔王にやられて落ちていったけど……無事なのか?」
「わからない」
ヒーモは深刻そうに首を振った。
「幸いすぐに医療班に送られたが、なにぶん瘴気で負った傷だ。運よく一命を取り留めたとして、目を覚ますかも不明だよ」
「まじか」
助かることを祈るばかりだ。
しかし、やっぱり魔王のことは気がかりだ。いくら魔王を引きずり出すのが目的だといっても、倒せるならそれに越したことはない。
そう思って上空を見上げた時。
空から数人の影が降ってきて、俺達の周りに墜落。鈍い音と共に土煙を舞わせた。
「なんだ!」
ヒーモが声を張る。
「あ、あれは」
そして、降ってきたものの正体を見とめて、目をかっと開いた。
「グランオーリスのS級冒険者達だ……! 魔王にやられたのか!」
くそ。
言わんこっちゃないぜ。まったく。
一仕事終えた俺は、ひとまずアイリスのところへと戻った。
「ご苦労さん」
ヒーモもいた。
「一段と強くなっているようだね。いや、あれはもう強いとかそんな次元じゃない。キミが親友じゃなかったら、恐れ慄いて同じ人間だとは思えなかっただろうね」
「そりゃどうも」
ヘラヘラしているヒーモは放っておくとして。
周囲では、勝利を伝え合う鬨の声が鳴り響いていた。
「うおおおお! なんかよくわからないけど、モンスター達が一気に消えちまったぞ!」
「ああ! 気が付いたら勝ってた! やったな!」
「我が国のS級冒険者達が援軍に来てくれたおかげだ! まじで嬉しい!」
グランオーリス兵士達の嬉々とした声が聞こえてくる。いいことだ。
「ははは。吾輩のおかげらしいぞ。どうだロートス。キミもそう思うか」
「どちらかと言えばそう」
「つまり、そう思うということだな!」
高笑いするヒーモ。お前が乗ってたドラゴンも消し去ってしまったんだけど、それはいいのか。まあいいんだろう。
「嬉しがってる場合か? 肝心の魔王がまだ残ってる」
「いかにも」
ヒーモは急に真剣な表情になる。
「奴を倒さない限り、この戦いは終わりはない。ひいては、世界に真の平和も訪れはしないだろう」
「もったいぶった言い方だな。さっさと魔王を倒しにいくぞ」
「それには及ばないさ。S級冒険者のパーティが魔王の対処にあたっているからね」
「おい。グランノーリスの王様や、エレノアだって魔王には敵わなかったんだ。冒険者が束になったって、勝てっこない」
「勝つ必要はないのさ。この戦いの目的を考えればね」
「どういうことだ」
「今回の戦闘は、魔王を神の山から引きずり出すために引き起こされた。つまり、この時点で第一目的は達成しているんだよ。今ごろ、別動隊が神の山を封鎖しているはずさ。二度と魔王が引きこもれないようにね」
「……なるほどな。だが当のグランオーリス王は、ここで魔王を倒すつもりだったぞ」
「ヘリオス陛下か。あのお方は魔王の早期打倒に拘っておられたからね。一刻も早く世界に安寧をもたらしたいと意気込んでおられた。ただし、物事には順序というものがある。焦っても功は得られない」
ヒーモにしては的を射たことを言う。
しかし。
「そういや、王様はどうなった。魔王にやられて落ちていったけど……無事なのか?」
「わからない」
ヒーモは深刻そうに首を振った。
「幸いすぐに医療班に送られたが、なにぶん瘴気で負った傷だ。運よく一命を取り留めたとして、目を覚ますかも不明だよ」
「まじか」
助かることを祈るばかりだ。
しかし、やっぱり魔王のことは気がかりだ。いくら魔王を引きずり出すのが目的だといっても、倒せるならそれに越したことはない。
そう思って上空を見上げた時。
空から数人の影が降ってきて、俺達の周りに墜落。鈍い音と共に土煙を舞わせた。
「なんだ!」
ヒーモが声を張る。
「あ、あれは」
そして、降ってきたものの正体を見とめて、目をかっと開いた。
「グランオーリスのS級冒険者達だ……! 魔王にやられたのか!」
くそ。
言わんこっちゃないぜ。まったく。
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