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やっぱりか。
なんとなくそんな気はしていた。俺の直感というやつだ。
「ぱっと見そんな感じには見えなかったけどな」
「魅了されたからといって、その人物の人間性そのものが変わるわけではありません。冷静な者は冷静なまま、魅了されるのです。ですから彼は、メイなる女性を理性的に救おうとしているのです」
なるほど。
つまりカマセイの傍若無人な態度は、あいつの持つもともとの気質であって、魅了によって理性を失っていたわけじゃないってことか。
「アデライト先生なら、スキルを消すことができると思うか?」
「フィフティ・フィフティと言ったところでしょうか。エストより与えられるスキルは、そのまま運命の鎖ですから。人の力で外せるものであれば、スキル至上主義のような社会にはなっていないと思います」
「まじか」
「ですが神性の力であれば可能かもしれません。私も聖女エレノアからその力の一部を与えられています。アデライト局長の知見によって、神性の力をスキルの消滅に使えるようになればよいのですが」
アデライト先生に聞いてみないことには始まらないか。
「フランクリンの魅了を解かなかったのは、何か理由があるのか?」
「はい。主様なら、解除されなかっただろうと判断しました」
「どうしてそう思った?」
「主様はとある可能性を危惧されたはずです。あるいはメイ嬢が、スキルを自覚しているのではないかと」
「はは、すごいな。心が読めるのか?」
「我ら守護隊は主様の陰であります故」
レオンティーナの言う通りだ。
もしかしたらメイは、『魅了のまなざし』という自分のスキルに気付いているんじゃないか。
だって、スキルを得てから何年も経っているのに、気が付かない方がおかしいだろう。最初のころは無意識に魅了していたとしても、そんなことが続いて、ずっと気が付かないわけがない。私モテまくり、って勘違いしているようにも見えなかったしなぁ。
「行ってみるか。メイさんのところに」
「仰せのままに」
フランクリンには悪いけど、直接確認しに行ってみるのが早いだろ。俺は俺らしく、勝手な行動をさせてもらおう。
メイの働く店に辿り着いた頃には、すでに昼前になっていた。昼飯を食うのにちょうどいい時間だ。
「ん?」
店の前で、俺とレオンティーナは同時に足を止める。
「トラブルのようですね」
「ああ」
店内から、なにやら不穏な気配が漂っている。
直後、店の外にまで届く怒声が聞こえてきた。
「テメェ! いい加減にしやがれってんだ!」
この声は、カマセイが来た時にいた大柄なおっさんの声だ。
「い、いい加減にするのはあなたの方だ! メイさんが店を辞めたのは、僕じゃなくてあなたのせいだろうっ!」
言い返したのは、メガネの優男の声。
なんだなんだ。どういうことだ。どうしてあの二人が争っているんだ。
それに、メイが店をやめただって? 今朝まで普通に働いてただろ。
真相を確かめるため、俺はレオンティーナに先駆けて店に踏み込んだ。
なんとなくそんな気はしていた。俺の直感というやつだ。
「ぱっと見そんな感じには見えなかったけどな」
「魅了されたからといって、その人物の人間性そのものが変わるわけではありません。冷静な者は冷静なまま、魅了されるのです。ですから彼は、メイなる女性を理性的に救おうとしているのです」
なるほど。
つまりカマセイの傍若無人な態度は、あいつの持つもともとの気質であって、魅了によって理性を失っていたわけじゃないってことか。
「アデライト先生なら、スキルを消すことができると思うか?」
「フィフティ・フィフティと言ったところでしょうか。エストより与えられるスキルは、そのまま運命の鎖ですから。人の力で外せるものであれば、スキル至上主義のような社会にはなっていないと思います」
「まじか」
「ですが神性の力であれば可能かもしれません。私も聖女エレノアからその力の一部を与えられています。アデライト局長の知見によって、神性の力をスキルの消滅に使えるようになればよいのですが」
アデライト先生に聞いてみないことには始まらないか。
「フランクリンの魅了を解かなかったのは、何か理由があるのか?」
「はい。主様なら、解除されなかっただろうと判断しました」
「どうしてそう思った?」
「主様はとある可能性を危惧されたはずです。あるいはメイ嬢が、スキルを自覚しているのではないかと」
「はは、すごいな。心が読めるのか?」
「我ら守護隊は主様の陰であります故」
レオンティーナの言う通りだ。
もしかしたらメイは、『魅了のまなざし』という自分のスキルに気付いているんじゃないか。
だって、スキルを得てから何年も経っているのに、気が付かない方がおかしいだろう。最初のころは無意識に魅了していたとしても、そんなことが続いて、ずっと気が付かないわけがない。私モテまくり、って勘違いしているようにも見えなかったしなぁ。
「行ってみるか。メイさんのところに」
「仰せのままに」
フランクリンには悪いけど、直接確認しに行ってみるのが早いだろ。俺は俺らしく、勝手な行動をさせてもらおう。
メイの働く店に辿り着いた頃には、すでに昼前になっていた。昼飯を食うのにちょうどいい時間だ。
「ん?」
店の前で、俺とレオンティーナは同時に足を止める。
「トラブルのようですね」
「ああ」
店内から、なにやら不穏な気配が漂っている。
直後、店の外にまで届く怒声が聞こえてきた。
「テメェ! いい加減にしやがれってんだ!」
この声は、カマセイが来た時にいた大柄なおっさんの声だ。
「い、いい加減にするのはあなたの方だ! メイさんが店を辞めたのは、僕じゃなくてあなたのせいだろうっ!」
言い返したのは、メガネの優男の声。
なんだなんだ。どういうことだ。どうしてあの二人が争っているんだ。
それに、メイが店をやめただって? 今朝まで普通に働いてただろ。
真相を確かめるため、俺はレオンティーナに先駆けて店に踏み込んだ。
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