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再会したったった

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 十八歳になったウィッキーは、前にも増して美人になっている。
 ぴんと立った猫耳。癖のある赤毛。ぱっちりとした猫っぽい目。身長もちょっと伸びただろうか。
 なによりニットの上衣を持ち上げる形のいい大きなおっぱいがたいへん魅力的である。目算だが、二年前より三割増しになっていた。
 順当に成長したって感じだな。羽織った白衣もよく似合っている。

「師匠。ご無沙汰しています」

 セレンがぺこりと一礼する。それにコーネリアも倣った。
 一国の王女が亜人に師事するというだけでも驚愕なのに、恭しく頭を下げるのは異例の事態だ。
 俺的には別におかしなことではないけど、この世界の価値観的にはかなりやばいことだろう。

「あー。ほんと久しぶりっす。また元気な顔が見れて嬉しいっすね」

 明るい笑みを浮かべて、セレンの肩を抱くウィッキー。小柄なセレンの額にウィッキーの豊かなむにゅっと胸が当たっている。

「ん? セレン、あんた……」

 ふと、ウィッキーの顔が曇った。

「無理をしたようっすね。魔力が底をついてるじゃないっすか。よくここまで歩いてこられたっすね」

 なんだって。

「気合と根性」

「まったく、王女とはいえ人であることに変わりはないんすから。とにかく、すぐ休むっす」

「へいき」

「だめっす。後が怖いんすから」

「でも」

「だめー」

 食い下がるセレンを一蹴して、ウィッキーは獣人のメイドにセレンを救護室に連れていくように言う。

「コーネリア。あんたはセレンについていてくれっす」

「もちろんです。感謝いたしますウィッキー先生。さ、殿下。参りましょう」

 コーネリアはセレンをエスコートして、その場から去っていった。
 俺とアイリスはそのやり取りを黙って見守っていた。

 セレンの奴が、まさかそんな状態だったとは。
 おそらく、セレンは魔力の枯渇を隠していたのだろう。そうじゃない限り、俺が気が付かないなんてことはない。
 セレンの状態を看破したウィッキーは、魔力への感度がずば抜けている。すごい。

「さて」

 セレン達が去ると、ウィッキーの目は俺達に向く。

「アイリスは、大丈夫そうっすね」

「ええ」

「相変わらずとんでもないバイタリティっす」

「お褒めにあずかり光栄ですわ」

 俺がいない二年間。この二人がどんな関わりをしていたのは知らないが、どうやら割と良好な関係を築いているようだ。
 よきかな。
 ウィッキーの目が、俺を見る。

「あんたとは、はじめましてになるんすかね。それとも、久しぶりって言った方がいいっすか?」

「……どっちでもいいさ」

「あはは。そんな悲しそうな顔をしないでくれっす」

 そうは言われてもな。自分自身のこととはいえ、悲しみは計り知れない。

「立ち話もなにっす。積もる話もあるだろうっすから、中へどうぞっす」

 ウィッキーが研究室へ招いてくれる。
 いざ、入室じゃ。
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