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最強ってなんすか
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次の瞬間。光の刃が俺を襲う。
甘いな。同じ手が二度通用するかよ。
と思ったのも束の間。光の刃は急に大きく膨らみ、俺を包み込む。
「悪いのぅ少年」
全身が細かい刃で斬り刻まれ、見る見るうちに塵となっていく俺。これはかなり痛い。
「わしの本能……いや、神より賜りしスキルが言っておる。お前さんは危険じゃ。生かしてはおけん、とな」
おいおい。
まじかこのじいさん。
この殺気。本気で俺を殺すつもりだ。
「死ぬがよい」
チェチェンは枯れ木のような腕を振り上げる。
「コシュマール・リュミエール……!」
強い呟きと共に、光が俺を消し飛ばした。
そして俺は跡形もなく消滅し、死んでしまった。
「なるほどな」
まあ、俺はクソスキルを一つ失っただけで生き返るんだけどな。
「じいさん。エストの回し者か。『神の申し子』ってのは、よく言ったもんだな」
周りからは、光が収まったところから俺が出てきたように見えただろう。いや、最初から効いていないように見えていたかもしれない。
「どういうことじゃ? わしのコシュマール・リュミエールは完全に決まったはずじゃ……」
「いい歳して技名を口に出すなんて、案外お茶目なんだな」
「少年……おぬし、一体何者じゃ」
「言っただろ。『無職』だって」
チェチェンは見るからに警戒しているようだ。
「真面目に答えんか。一体何者じゃ」
「なんだよ。神から聞いてないのか?」
「何を言っておる? まったくわけがわからんぞ」
チェチェンの反応が演技でないとしたら、エストに加担している自覚はないことになる。
ふむ。
確か、エストには自己保存の力が備わっていると、マホさんとアカネが言っていた。つまり、このじいさんはエストを存続させるための運命を背負っているということだ。
エストの自己保存の力が、じいさんの意思に働きかけている。俺を殺そうとするのも、そういう理由があっての話だろう。そうでなければこの急展開の辻褄が合わない。
今まで得た情報がないと、俺でも何が何だか分からなかっただろう。
だが今は、わかる。
「やはり危険な存在じゃ。なんとしてもここで消しておかねばならんのぅ」
この言動はあきらかに不自然だ。
本能とかスキルとかが言ってるからってこんな殺意が高まるものか? 普通は躊躇するだろう。
「コシュマール・リュミエールッ……!」
チェチェンは再び技名を口にする。
だが、何も起こらない。
「な、なんじゃ……どうしてスキルが発動せんのじゃ……!」
「悪いけど、お遊びは終わりなんだわ」
さっきはこのじいさんの試験に付き合ってやるためにあえてスキルを喰らったけど、試験を口実に俺を殺そうとしてくるなら話は別だ。
「そんなもんに頼ってちゃ、俺には勝てねぇよ」
原則として、強力なスキルを持っている者ほど、その強さをスキルに依存することになる。スキルが使えなければ何もできない、という事態は当然だろう。
こうなってくると、中堅どころのスキルや弱めのスキルを持つ奴の方が、努力や工夫に慣れている分、戦うと厄介かもしれないな。
「試験は合格にしてもらうぜ。じいさんよ」
俺のデコピンがチェチェンの額を撃ち抜く。
そして気絶。
俺の勝利は確定した。
周囲の冒険者達は、もう誰も喋らない。
誰もが俺の強さにビビっているようだった。
甘いな。同じ手が二度通用するかよ。
と思ったのも束の間。光の刃は急に大きく膨らみ、俺を包み込む。
「悪いのぅ少年」
全身が細かい刃で斬り刻まれ、見る見るうちに塵となっていく俺。これはかなり痛い。
「わしの本能……いや、神より賜りしスキルが言っておる。お前さんは危険じゃ。生かしてはおけん、とな」
おいおい。
まじかこのじいさん。
この殺気。本気で俺を殺すつもりだ。
「死ぬがよい」
チェチェンは枯れ木のような腕を振り上げる。
「コシュマール・リュミエール……!」
強い呟きと共に、光が俺を消し飛ばした。
そして俺は跡形もなく消滅し、死んでしまった。
「なるほどな」
まあ、俺はクソスキルを一つ失っただけで生き返るんだけどな。
「じいさん。エストの回し者か。『神の申し子』ってのは、よく言ったもんだな」
周りからは、光が収まったところから俺が出てきたように見えただろう。いや、最初から効いていないように見えていたかもしれない。
「どういうことじゃ? わしのコシュマール・リュミエールは完全に決まったはずじゃ……」
「いい歳して技名を口に出すなんて、案外お茶目なんだな」
「少年……おぬし、一体何者じゃ」
「言っただろ。『無職』だって」
チェチェンは見るからに警戒しているようだ。
「真面目に答えんか。一体何者じゃ」
「なんだよ。神から聞いてないのか?」
「何を言っておる? まったくわけがわからんぞ」
チェチェンの反応が演技でないとしたら、エストに加担している自覚はないことになる。
ふむ。
確か、エストには自己保存の力が備わっていると、マホさんとアカネが言っていた。つまり、このじいさんはエストを存続させるための運命を背負っているということだ。
エストの自己保存の力が、じいさんの意思に働きかけている。俺を殺そうとするのも、そういう理由があっての話だろう。そうでなければこの急展開の辻褄が合わない。
今まで得た情報がないと、俺でも何が何だか分からなかっただろう。
だが今は、わかる。
「やはり危険な存在じゃ。なんとしてもここで消しておかねばならんのぅ」
この言動はあきらかに不自然だ。
本能とかスキルとかが言ってるからってこんな殺意が高まるものか? 普通は躊躇するだろう。
「コシュマール・リュミエールッ……!」
チェチェンは再び技名を口にする。
だが、何も起こらない。
「な、なんじゃ……どうしてスキルが発動せんのじゃ……!」
「悪いけど、お遊びは終わりなんだわ」
さっきはこのじいさんの試験に付き合ってやるためにあえてスキルを喰らったけど、試験を口実に俺を殺そうとしてくるなら話は別だ。
「そんなもんに頼ってちゃ、俺には勝てねぇよ」
原則として、強力なスキルを持っている者ほど、その強さをスキルに依存することになる。スキルが使えなければ何もできない、という事態は当然だろう。
こうなってくると、中堅どころのスキルや弱めのスキルを持つ奴の方が、努力や工夫に慣れている分、戦うと厄介かもしれないな。
「試験は合格にしてもらうぜ。じいさんよ」
俺のデコピンがチェチェンの額を撃ち抜く。
そして気絶。
俺の勝利は確定した。
周囲の冒険者達は、もう誰も喋らない。
誰もが俺の強さにビビっているようだった。
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