270 / 981
死天衆とか
しおりを挟む
まずは城を出なければ。
城門をくぐればすぐに大通りだ。迷うことはない。
「開いて大丈夫なのかしら、城門」
城門を開こうとしたところ、エレノアが不安そうに呟いた。
「大丈夫じゃなくても開くしかないだろ」
「でも、城が落とされたら終わりなんでしょう?」
「まぁ……」
直後、俺達が開くまでもなく、分厚い城門は粉々に吹き飛んだ。
「なんだ!」
あんな頑丈そうな城門が壊れただと。
破城槌でも持ってきたか。
「ふはは。防護魔法がなければ、城壁などこんなものか!」
豪快な男の笑い声が響く。
「まったぁく、貴公とぉきたぁら、殴って破壊すぅるしぃか能がなぁいのぉか」
次は、皮肉っぽい青年の声。
「おもしろ」
そして端的な女の声。
なんだこいつら。
男二人に女一人。現れた三人組は、ずかずかと城門をくぐる。
そして、俺達の前で立ち止まった。
「ふはは。お前たちが最後の壁というわけか!」
豪快な男が筋骨隆々の腕を掲げて笑う。
「なんだてめぇは」
マホさんがグレートメイスを振りかざし、威嚇するように尋ねる。
「よくぞ聞いてくれた! 小生はウッディ! コルト死天衆の一人。『腕力』のウッディとは小生のことだ!」
コルト死天衆だと?
なんだその少年漫画の敵役に出てきそうなグループは。
「拙者はぁ、同じぃくコルト四天衆のぉ一人。『脚力』のぉレッガン」
皮肉そうな青年が続き、
「ミーは同じく『体力』のミーナ。かっこい」
若い女も名乗る。別にかっこよくはない。どちらかというと、ちっぱいのかわいい系だ
「三人合わせてコルト死天衆! どうぞよろしくな!」
そしてウッディが締めくくった。
コルト死天衆ってことは、親コルト派の精鋭部隊みたいなもんか。
「おい三羽烏。お前らは、城を盗りに来たってことか?」
「三羽烏ではぁなぁい。けれど城は盗りに来たぁのはぁ正解」
「どうやって城門まで来た」
「みんなスキルと魔法が急に使えなくなったから、肉体のポテンシャルだけで戦うミー達の天下になった。うれし」
なるほどな。
俺のチートも万能じゃないってことか。必ずしも有利になるわけじゃないと。
しゃあないか。
「みんな、時間がないけどこいつらを放ってはおけない。任せてもいいか」
「ではあたしは『腕力』を処理します。他の者は主様の護衛につけ」
シーラが前に出る。守護隊のみんなは俺を守るように布陣してくれた。
「ウチは『脚力』やるっす。なんか弱そうっすから」
ウィッキーもやる気満々だ。
「じゃあアタシは『体力』のアマをやらせてもらうぜ」
マホさんがグレートメイスを振りかざす。
みんな心強いなぁ。
でもなんでタイマンに持ち込む前提なんだろう。集団戦という考えはないのだろうか。
いいけどさ。
「ふはは! 小生の『腕力』を思い知らせてやろう! 強いからな!」
「拙者ぁの『脚力』もぉ天下一ぃ」
「ミーの『体力』はすべてを超越してる。すご」
そして、戦いは始まった。
城門をくぐればすぐに大通りだ。迷うことはない。
「開いて大丈夫なのかしら、城門」
城門を開こうとしたところ、エレノアが不安そうに呟いた。
「大丈夫じゃなくても開くしかないだろ」
「でも、城が落とされたら終わりなんでしょう?」
「まぁ……」
直後、俺達が開くまでもなく、分厚い城門は粉々に吹き飛んだ。
「なんだ!」
あんな頑丈そうな城門が壊れただと。
破城槌でも持ってきたか。
「ふはは。防護魔法がなければ、城壁などこんなものか!」
豪快な男の笑い声が響く。
「まったぁく、貴公とぉきたぁら、殴って破壊すぅるしぃか能がなぁいのぉか」
次は、皮肉っぽい青年の声。
「おもしろ」
そして端的な女の声。
なんだこいつら。
男二人に女一人。現れた三人組は、ずかずかと城門をくぐる。
そして、俺達の前で立ち止まった。
「ふはは。お前たちが最後の壁というわけか!」
豪快な男が筋骨隆々の腕を掲げて笑う。
「なんだてめぇは」
マホさんがグレートメイスを振りかざし、威嚇するように尋ねる。
「よくぞ聞いてくれた! 小生はウッディ! コルト死天衆の一人。『腕力』のウッディとは小生のことだ!」
コルト死天衆だと?
なんだその少年漫画の敵役に出てきそうなグループは。
「拙者はぁ、同じぃくコルト四天衆のぉ一人。『脚力』のぉレッガン」
皮肉そうな青年が続き、
「ミーは同じく『体力』のミーナ。かっこい」
若い女も名乗る。別にかっこよくはない。どちらかというと、ちっぱいのかわいい系だ
「三人合わせてコルト死天衆! どうぞよろしくな!」
そしてウッディが締めくくった。
コルト死天衆ってことは、親コルト派の精鋭部隊みたいなもんか。
「おい三羽烏。お前らは、城を盗りに来たってことか?」
「三羽烏ではぁなぁい。けれど城は盗りに来たぁのはぁ正解」
「どうやって城門まで来た」
「みんなスキルと魔法が急に使えなくなったから、肉体のポテンシャルだけで戦うミー達の天下になった。うれし」
なるほどな。
俺のチートも万能じゃないってことか。必ずしも有利になるわけじゃないと。
しゃあないか。
「みんな、時間がないけどこいつらを放ってはおけない。任せてもいいか」
「ではあたしは『腕力』を処理します。他の者は主様の護衛につけ」
シーラが前に出る。守護隊のみんなは俺を守るように布陣してくれた。
「ウチは『脚力』やるっす。なんか弱そうっすから」
ウィッキーもやる気満々だ。
「じゃあアタシは『体力』のアマをやらせてもらうぜ」
マホさんがグレートメイスを振りかざす。
みんな心強いなぁ。
でもなんでタイマンに持ち込む前提なんだろう。集団戦という考えはないのだろうか。
いいけどさ。
「ふはは! 小生の『腕力』を思い知らせてやろう! 強いからな!」
「拙者ぁの『脚力』もぉ天下一ぃ」
「ミーの『体力』はすべてを超越してる。すご」
そして、戦いは始まった。
25
お気に入りに追加
1,202
あなたにおすすめの小説
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる