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クラス決まってないから気を揉む
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ソファに戻った先生ははにかみながら紅茶に口をつける。
俺は息を整え、頬を掻いて、
「しかしあれですね。保身が云々の話の後に好きって言われても、なかなか信じにくいところもありますね」
失言だったかな。先生の眉がハの字に下がった。
「そうですね。無理もありません。私の気持ちが本物がどうかは、これからの私自身の行動で示していきたいと思います」
その声に悲壮感はなく、どことなく嬉しそうな感じだ。
「先生。クラス発表に俺の名前がなかったこと。さっきの件が関係あるんですよね」
「ご明察。真実を知ったあなたがどう動くかわからなかったので、クラス配属は一時保留とさせていただきました」
「けどエレノアはスペリオルクラスに入ってましたよね? どうして俺には教えて、あいつにはヘッケラー機関のことを教えないんです?」
「これは私のせいでもあるのですが……あなたはウィッキーに襲撃されたことでヘッケラー機関に関わってしまった。ですがエレノアちゃんは、今のところまったく関わりがない。私は真実を知るべきだと考えてはいますが、自己の研鑽に励む生徒をわざわざ巻き込もうとも思いません。ですから、彼女には知らせないと決めたのです」
それは先生の本心からの言葉に思えた。ちゃんと生徒の考えてくれてるんだな。このあたりはやっぱり先生ということだろう。
「俺も同じ気持ちです。自分が辛い目に遭うのは構わないけど、他人にまでそれを強要するつもりはない。特にあいつは大切な幼馴染です。知らないままでいられるなら、絶対にその方がいい」
俺達が何かしなくても、運命ならいずれ巻き込まれるだろう。その時に備えて、あいつを見守っていけばいい。その時エレノアがどういう選択をするかはわからないが、まぁどうにかなるだろう。知らないまま一生を終える可能性だってなくはないしな。
先生はすこし自嘲気味に笑いを漏らす。
「ちょっと妬けちゃいますね。彼女のことが本当に好きなんだと伝わってきます。かわいいですもんね、エレノアちゃん」
「そんなんじゃありませんよ。ただの幼馴染ってだけです。他に友人もいませんでしたし」
「本当ですかー?」
「本当ですって」
まぁ、実際エレノアに魅力を感じていないと言えば嘘になる。だが、めちゃくちゃ好きかと言われるとそうでもない。というのも、俺は幼い時分にあいつへの恋心を一度捨ててしまっている。
だから今のところは、一番大切な幼馴染という域を出ていない。
「まぁそんなことはいいでしょう。聞きたいのは、俺のクラスについてです」
「そうですね。エレノアちゃんのことはおいおい話しましょう。ロートスさんはベースクラスをご希望とのことでしたが、今も変わっていませんか?」
「そうですね。ベースクラスが一番目立たないんじゃないですか。人も多いし」
「うーん。どうでしょう。普通に考えたらそうなんですけど、ロートスさんにとっては逆効果かもしれません」
何故だ。
「ロートスさんは数少ないメダル入手者ですよ? そのことは多くの同級生が知っています。少なくとも、メダル提出の時にいた彼らのほとんどはメダルを取れなかった子達。ベースクラスに配属された子も多いでしょう。つまり」
「メダルを取れた俺はいやでも目立っちまうってことか……」
首肯で答えるアデライト先生。
むう。ならばどうしたものか。俺の立てる計画は狂ってばかりだ。
俺は息を整え、頬を掻いて、
「しかしあれですね。保身が云々の話の後に好きって言われても、なかなか信じにくいところもありますね」
失言だったかな。先生の眉がハの字に下がった。
「そうですね。無理もありません。私の気持ちが本物がどうかは、これからの私自身の行動で示していきたいと思います」
その声に悲壮感はなく、どことなく嬉しそうな感じだ。
「先生。クラス発表に俺の名前がなかったこと。さっきの件が関係あるんですよね」
「ご明察。真実を知ったあなたがどう動くかわからなかったので、クラス配属は一時保留とさせていただきました」
「けどエレノアはスペリオルクラスに入ってましたよね? どうして俺には教えて、あいつにはヘッケラー機関のことを教えないんです?」
「これは私のせいでもあるのですが……あなたはウィッキーに襲撃されたことでヘッケラー機関に関わってしまった。ですがエレノアちゃんは、今のところまったく関わりがない。私は真実を知るべきだと考えてはいますが、自己の研鑽に励む生徒をわざわざ巻き込もうとも思いません。ですから、彼女には知らせないと決めたのです」
それは先生の本心からの言葉に思えた。ちゃんと生徒の考えてくれてるんだな。このあたりはやっぱり先生ということだろう。
「俺も同じ気持ちです。自分が辛い目に遭うのは構わないけど、他人にまでそれを強要するつもりはない。特にあいつは大切な幼馴染です。知らないままでいられるなら、絶対にその方がいい」
俺達が何かしなくても、運命ならいずれ巻き込まれるだろう。その時に備えて、あいつを見守っていけばいい。その時エレノアがどういう選択をするかはわからないが、まぁどうにかなるだろう。知らないまま一生を終える可能性だってなくはないしな。
先生はすこし自嘲気味に笑いを漏らす。
「ちょっと妬けちゃいますね。彼女のことが本当に好きなんだと伝わってきます。かわいいですもんね、エレノアちゃん」
「そんなんじゃありませんよ。ただの幼馴染ってだけです。他に友人もいませんでしたし」
「本当ですかー?」
「本当ですって」
まぁ、実際エレノアに魅力を感じていないと言えば嘘になる。だが、めちゃくちゃ好きかと言われるとそうでもない。というのも、俺は幼い時分にあいつへの恋心を一度捨ててしまっている。
だから今のところは、一番大切な幼馴染という域を出ていない。
「まぁそんなことはいいでしょう。聞きたいのは、俺のクラスについてです」
「そうですね。エレノアちゃんのことはおいおい話しましょう。ロートスさんはベースクラスをご希望とのことでしたが、今も変わっていませんか?」
「そうですね。ベースクラスが一番目立たないんじゃないですか。人も多いし」
「うーん。どうでしょう。普通に考えたらそうなんですけど、ロートスさんにとっては逆効果かもしれません」
何故だ。
「ロートスさんは数少ないメダル入手者ですよ? そのことは多くの同級生が知っています。少なくとも、メダル提出の時にいた彼らのほとんどはメダルを取れなかった子達。ベースクラスに配属された子も多いでしょう。つまり」
「メダルを取れた俺はいやでも目立っちまうってことか……」
首肯で答えるアデライト先生。
むう。ならばどうしたものか。俺の立てる計画は狂ってばかりだ。
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