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金が稼げるのに口減らしされるには理由がある

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 ボロクソにやられて逃げてた5人組に追い付き追い越し、夕方前にはギルドに着けた。まだそれほど混んでないので1番近い列に並び、2人で討伐の報告と耳の換金をした。タララの報酬は2750ヤン。袋から出た銅貨48と鉄貨260で5060ヤンなら充分な成果だ。財布とパンパンになった皮袋の中身を箱にジャラジャラして預け入れと引き出ししてた。ちゃんと覚えてたみたいだ。よしよし。

「なんか、あたい1人儲けちゃってごめん」

「正当な報酬だ。大事に使えよ?着替えて風呂飯、そして寝る!」

 いつものように宿で着替えて、洗濯屋で洗い物を頼んで風呂に行く。

「ゲインは長湯だよな」

 先に出ていたタララに愚痴られるが、500ヤンも払ってんだぞ?満喫すべきだろう?臭いヤツ、汚いヤツをパーティに入れたいと思うか?

「鉱山だとそんなのばっかりだし」

 僕は絶対鉱山に行くような真似はしないぞ!決意も新たに洗い物を受け取って、夕飯食べたら部屋に戻ってチップを破る。ひたすらに破き、千切り、噛み付いてスーハーしていると、ドアをノックする音がした。

「だーれー?」

「あたしだよ。ゲインにギルドからお客さんだよ」

「はーい。着替えるからちょっと待っててー」

「早くおしよ?」

 外はもう暗いので装備を着込んで降りていくと、待っていたのはマーローネだった。

「何か用?またギルド行く?」

「こんばんは。冒険者の報告があり、ゲインさんにお話を伺いたいと思いまして。ギルドまでお願いできますか?」

「概要次第だね。寝るのも仕事なんで」

「来てはくれませんか?」

 マーローネの目が開いた。人を威圧する目だ。

「それ威圧してるの?」

 目を逸らして閉じてしまった。図星だったのかな?

「以前言ったろ?魔獣化した大人の熊3頭に追っかけられたって。それ以来、人程度の威圧じゃ何とも思わんのよ。で、何の事を聞きたくて威圧してまで僕をギルドに連れて行こうとするの?」

「…ゴブリンです。今日はどこで討伐なさいましたか?」

「南の街道だよ」

「そこに居合わせた冒険者と何かトラブルでも起こしましたか?」

「実力も無いのに突っ込んでボコボコにされてた5人組だろ?口も利いてないよ。そんな事は門番に問い合わせればわかる事だよな?俺達が採集してる合間に門番が助けてたんだぞ?塔で見張りしてた人なら俺達より詳しく説明できるはずだ」

「何を採集していましたか?」

「そこ疑うの?これだよ」

 マジックバッグから石炭を取り出して見せてやる。売るの忘れてた。

「他にもあるけど量があるから明日空いてる時間に買取りに持ってく予定だったんだ」

「…分かりました。では明日にでもいらしてください。それでは、夜分失礼しました」

「人を罪人扱いしないでよね?じゃ、明日」

 とんだ無駄な時間だった。部屋に戻って着替えてチップを噛み千切った。

「ゲーインー朝だよー起ーきーれー」

 ガチャ音と共にタララが起こしに来た。ドアを開けて中に入れてやる。

「すまんタララ。今日はゆっくりギルドに行く事になった」

「昨日、なんかあったみたいだね」

「昨日、ゴブリンにボロクソにやられてた馬鹿共が俺達にケンカを売ってきたらしい」

「へぇ~」

 熊人の怒った顔はトラウマに障るからやめて欲しい。威圧持ってないくせに人の威圧より怖いじゃないか。

「勝てるケンカに真面目になるな。殺したって二束三文にもならんからな」

「ん…、そだね」

 着替えるので食堂で待ち合わせして、身形を整え朝食にした。

「じゃあ、今日は休み?」

「結果そうなるな。鎧のメンテナンスに行こうかと思う。皮は臭くなるらしいからな」

「あたいも付いてく」

 お前も鎧のメンテナンスしろよ?タララの鎧はちょっと厚めの皮の服だ。今はゴブリン相手だから何も言わないけど、ダンジョンでそれだと危ないぞ?盾を信頼し過ぎるのは良くない。
 で、やって来たのは中古防具屋だ。やたら声の低い店主さんは、カウンターで読み物をしてた。

「おはよう。防具のメンテナンスにきたよ」

「あら坊や、今日は彼女連れ?」

「臨時パーティ組んでる仲間だよ」

「タララだ」

「そう。貴女のも洗ってあげるわ。坊やのだけ洗っても意味が無いからね」

 店主さんは僕の髪を撫でながら《洗浄》してくれた。一瞬びちゃびちゃになるけど洗濯代が浮いて助かる。タララは試着室で脱いで《洗浄》してもらってた。普通はああやるのか。

「臭くない!」

「今まで臭かったのか」

「わかんない!けど軽くなった気がする!」

「そのうちまたいらっしゃい。今度はダンジョン用、でしょ?」

「その前に野盗を狩らないとね」

「人は強いわ、気を付けなさい?」

「ありがとう、また来るよ」

 店主さんに見送られ、お礼を告げて店を出て、4軒隣の向かい側。今度は中古武器屋だ。中には居ないように見えてカウンターで寝てるなこれは。

「おはよう。鉈の研ぎをお願~い」

「ん?ガインか。女連れたぁ良いご身分じゃの」

「ゲインだ」

「タララだ」

「あ、この子の武器にグリップ付けてくれるかな?」

「グリップだあ?得物は何じゃ」

「これー」

「なんじゃ、棍棒か。見せてみい」

 金貨2枚の刺突剣も、僕が作った棍棒も、ふんふん言いながら見るのは一緒か。

「木を切って皮を剥いで、乾かしただけか。確かにグリップは必要だの。ちと待っとれ」

 僕の剣鉈と棍棒を持って奥の部屋に行くと。シュイーンと剣鉈を研ぐ音がする。そしてガリガリチュイーーっと棍棒を加工してるみたい。しばらくして出てくると、棒切れが棍棒に変わっていた。上下の切り痕はキレイに削られ、グリップは握りやすく削った上に布が巻かれてる。

「ゲイン、600だ」

「えー」

「棒切れを棍棒と呼んだ罰じゃ」

「これすごい持ちやすい!」

 良かったな。仕方なく600払い、得物を受け取りそろそろ行くか。

「今度はメイスを買いに来い」

「買うのはタララだよ」

「買ってから貸してやればええじゃろ」

 暗に高いって事だな?鉄の塊ならさもありなん、か。お礼を言って店を出た。そろそろギルドも空いてるだろう。
 ギルドに入って買取カウンターに向かう。ガラガラだけどメロロアの所には行かない。

「ゲインさん、こーっち」

 無視して他の所に行ったら交代しやがった。用でもあるのか?

「……」

「こんにちは。売り物があるのはマーローネから聞いてますよ?」

「尋問室に入りきれない…とは思わないけど、沢山あるから場所を変えないとカウンターが溢れるぞ?」

「聞いております。こちらへどうぞ」

 メロロアに連れてこられたのは、刃物を持ったマッチョが嬉嬉として肉を切り裂く解体場だった。《洗浄》しまくってるけどそれでも少し血生臭い。

「あたい等、解体されちゃうの?」

「右手が美味って言うよねー」

「いーやーだー」

「しませんよ。第一貴女は呼んでません」

「あたい、ゲインのパーティメンバーだもん」

 タララが僕の脇に抱き着いてくると、シュリンシュリンと解体ナイフを研ぐ音が大きくなった。マッチョの目が獲物を狩る獣の目になってるぞ?熊人はここに来ちゃいけないな。

「とにかくだ。どこに出したら良い?」

「こちらの箱にどうぞ」

 部屋の隅に空の木箱が並んで積み上がってる。タララに手伝ってもらい、上の箱を降ろして平積みにしたら収納していた石炭と黄銅鉱を詰めていった。

「金ですかこれ?…?黄銅鉱?銅なんですか?こっちは石炭…。買取り記録を見てみますのでしばらくお待ちを」

 記録を漁りに戻ってしまい、取り残されてすごく気まずい。

「タララの所では石炭使ってたか?」

「結構使ってたよ?あんまり木ぃ生えてないから薪って少なかったんだ。そっちは?」

「一切ないね。けどもしかしたら鍛冶屋さんは使ってたのかも」

「お前等、一財産だな」

 マッチョなドワーフさんがナイフを拭いながら話しかけてきた。鍛冶と聞いて居ても立っても居られなくなっちゃったみたい。爺さんが鍛冶屋で…みたいな話をしてきたよ。黄銅鉱は当たり前だけど銅になるから需要はあるみたい。石炭はとにかく量がないと話にならないんだって。それでも1回2回は使える量はあるって言われた。

「お待たせしました。やっぱり買取り記録はなかったです」

「メロロアよ、コイツはここで買い取るより先に売り手に知らせた方が良かないか?」

 マッチョさんの提案をメロロアは受けたようだ。結果、売り手が見つかった時点で報酬を支払う運びとなった。石炭は湿気てるから置いといた方が良いとも言われたので、湿気なら魔法で何とかできると返すと、やらないよりやっといた方が良いと言う事で、石炭にデリートウォーターをかけて脱水しておいた。結構MP使ったなー。
 採集品の買取りは一段落。次は昨日の聞き取りと言う事で、やっぱり尋問室に連れてこられた。

「君、よくここ来るね?チップの研究進んでる?」

「チップ屋さんが協力してくれるのでなかなか捗ってますよ。苦行な事は確かですが」

 前回の人だ。今回も代表者なのだろう。

「早速だけど話を聞いて、答えてくれ。敢えて言うけど、君達に悪い所は何一つない。門番にも確認取ったからね。無茶する馬鹿共に身の程を知ってもらう為に協力して欲しいんだ」

 昨夜の今朝で確認取ったのか、フットワークは軽いみたいだ。

「それに、馬鹿共とやり合ったら後ろの子だけで再起不能にされそうだしね。こちらとしては冒険者は減らしたくないのさ」

 僕のトラウマを抉り出す顔をしてるんだろうなあ、タララは。振り向かないぞ?
 代表者の話を聞いて、その時の行動と感想などを述べる。そんなやりとりを10リット程して、僕達は解放された。

「職員が威圧なんぞしたみたいで、気を悪くさせて申し訳ない。マーローネには後日正式に謝罪させるよ」

「今回は僕の方が弱かったから、問題が起きなかったと言うだけですからね。まあ自分より強い相手に威圧するとも思えませんが」

「そうだね、善処するよ」

 帰り際、そんなやり取りをしてギルドを出た。もうお昼だ、お腹空いたよ。

「串焼き買って帰るか」

「そだねー、あいつらをーぶーちーのーめーしーたーらーねー」

 うわ、見ちゃった。もしゃもしゃの髪を逆立てて魔獣化した熊の目をしたタララは、多分絶対僕の弱点だ。何があっても敵にしちゃいけない。彼女の視線の先にはボロクソ5人組がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。

「タララ、街中で問題は起こすな」

「だいじょーぶすぐおわらすから」

 姿勢を低くし、いつでも飛び出す準備ができて、俺は諦めた。

「お前が罪を犯すならば、パーティを解散させざるを得ない」

「…え?」

「解散だ。罪人とパーティなど組めるか。好きなだけ暴れて来いよ」

「やだよー、ゲインとパーティするー!おーいてかなーいでー」

腰にしがみつく熊人に、もうトラウマの面影は無い。良かった。

「殺っても得しない相手だって言ったろ?」

「だって…舐められたら冒険者おしまいだって言うし」

「問題起こしても冒険者おしまいだろ?」

 なんとなく納得してくれたみたい。早く露店に行って串焼き買わねば。焼けたタレの匂いを嗅げばきっと忘れるはずだからな。


 僕の部屋で2人、ソーサーと串焼きを齧る。機嫌も直り、トラウマ顔が解消されて良かった。

「なあタララ、タララには出来るだけ冷静でいて欲しい」

「はぐ。あんで?」

「お前が怒ると俺が動けなくなるからだよ。それに、笑ってる顔の方が好きだ」

「ぶふっ!何それ告白?」

「違うけど、怒った顔より笑ってる方が良いだろ?」

「ひひ、そーゆー事にしとくよ」

 笑顔は可愛いのにな。吹いた時に飛ばした食べカスをそのままに、大股おっぴろげて寝てしまった。僕の部屋だぞこら?僕も昼寝したかったのにベッドを占領されてしまったので、枕を何とか奪還し、机に突っ伏して寝た。

「おっぱいくらい揉んでもいーんだぞ?」

「…姉にやって顔面殴られた。お前にやられたら死ぬかも知れん」

「それじゃあ仕方ないね。夕飯には起こしてね、おやすみ~」

 ちなみに事故だ。狭い部屋で、ベッドくっ付け家族全員で寝ていれば、自然とそんな事故もある。更にちなみに、完全に寝ていた時の事で感触なんて覚えてないし、朝になって顔の痛みと食卓での告げ口で殴られた事を知ったんだ。

「ゲイン。ゲイン起きて。もう夜だよ?」

 いつの間にか熟睡していたらしい。こんな場所で寝てたので体が痛いや。立ち上がってぐりぐり。体を伸ばした。

「…夕飯、食べなきゃな…」

「そだね。ゲイン、さっきは変な事言ってごめんね」

「良いさ。けど冒険者は息の短い商売だ。子供を預けて続けてるってのもいるみたいだけど、それで死んだら子供がかわいそうだよな」

「そうなったら、あたいは引退かな」

「まだダンジョンにも潜ってないのに引退するのはもったいないよ」

「だね。ご飯ご飯!早く行かないと無くなっちゃうよ!?」

 少し遅れたけどちゃんとご飯は残ってた。お腹一杯食べて、明日も元気に仕事しよう!食後は早く寝て、翌日も早くからタララが起こしに来た。依頼掲示板を見に行こう。


「良いのないねー」

 タララの言う、良い依頼とは報酬と労力のバランスが良い依頼の事である。数さえ取れればゴブリン退治が討伐系の中でも割が良く、1回の稼ぎがそれなりに良かったものだから目が肥えてしまったようだ。今日も混み混みの掲示板で、僕は野盗の依頼を検める。

「そろそろ行こうか」

「ゴブリンやるの?」

「居ればね」

 先ずは宿で腹ごしらえだ!朝食食べて、お昼のソーサーを確保したら南門へ向かう。

「今日は他のパーティ来ないと良いね」

「その時は他にやる事あるし、大丈夫だろ」

「石ころ拾うの?」

「それも良いな。武器用にデカいの拾って行こう」

「でっかいゴブリンいると良いね!」

 適当な事言ってるタララと共に、門を抜け、街道を走り、木の門へ。

「あちゃー」

 橋の向こうは阿鼻叫喚。ゴブリンと新米冒険者達がボコボコに殴り合っていた。ゴブリン1匹に冒険者8人とかでボコ殴りにしてるのだが、報酬に反映できるのか?ゴブリンより人の方がはるかに多いぞ?

「こんにちはー。これどうなってるの?」

「ん?ああ、お前か。この間はとばっちりだったな」

「ゲインです。ご迷惑おかけしまして」

「良いさ。前回ボロクソになった奴が徒党を組んで殴り込みしてる最中だ」

「いい迷惑ですねー」

「ん?お前、見えてるのか」

「こんな時間に街に入るのは何か不自然だけど、商隊居ますね。それより街から出てくる商隊もいますよ?」

「3つくらい追い越してきたよ」

「そうか、情報感謝。全員集合!彼奴等を解散させろ!」

 わらわら集まってくる門番さん達、休憩中だったのか目がまだ寝てるのもいるぞ。ワーワー言いながら街道を突っ込んで行くと、ゴブリン達は一目散に草藪の中に逃げだして、冒険者達は茫然自失。橋の前まで追い返されてた。きっとこれから説教でも始まるのだろう。僕等は下流で石拾いするかな。門番さんに挨拶してその場を離れた。

「これじゃあ今日もまた鉱石拾いかなー?ちゃんと売れてれば良いけど」

 愚痴るタララは河原に寝そべり石炭拾って投げている。拾ったんなら回収しろよ。けど今回は違うのだ。

「それより武器の調達だ。タララも覚えとくといいぞー?」

「何すんの?」

「マジックバッグはな、武器になるんだ」

 川向こうに向かって小石を射出してやるとすごく驚いてた。今までほとんど前しか見てなかったからな、ちゃんと見るのは初めてなのだろう。

「それマジックバッグの効果?」

「そうだ。棍棒が使えない時には役に立ちそうだろ?魔法じゃないからMPも使わないしな」

 川の流れを遮る大きな石に近付いて、収納しようとして失敗した。

「こんなにデカいのは無理だけど、デカい石はそれだけ攻撃力もあるからな」

 両手に抱え切れない程度の石なら収納できたので、早速撃ってみる。対岸の太い木に狙いを付けて、出来うる限りの速度で打ち出した。

ドカッ!バキバキバキバキ…ズシーン…。

 音からもわかると思うが、幹が砕け、周りの木の枝を巻き込んで倒れた。こっちに倒れて来なくて良かったよ。

「すげー」

「やってみ。小石からな?」

「どーやんのさ…」

 やり方を教えてみる。先ずは自力で投げさせて、飛んでるイメージを覚えたら、小石を出す。狙いを定めて小石を出す。速さを上げて小石を出す。更に狙いを定めて小石を出す。とにかく一杯小石を出す。

「な?簡単だろ?」

「簡単なもんか!狙った所に当たらないよ!?」

「どうせ敵も動いてる。一杯出してりゃどれかは当たるさ」

 マジックバッグからの射出は僕だけの技術じゃなかった。狙いの正確性に難あれど、タララも素早く大量の射出をマスターできたのだ。タタラが2人いればダンジョン無双できないか?狭い通路なら狙いなどあって無いようなものだしな。新たな職業、中距離盾が生まれるのも近い。その時は僕も新たな職業、球拾いになっても良いな。
 減った石ころは地面をゴロゴロしながら回収し、スペース4つを☆にした。

小石中☆500
小石大☆450
石大☆20
石特大☆1

 石、デカイな。タララは小石中を2つ☆にしたそうだ。途中から黄銅鉱集めてたみたいだし。目の端に商隊が移動するのが見える。俺達も行こうか。

 門に戻り、最後尾の商隊の後ろをついて行く。商隊に寄生して移動しようって輩は結構一杯いて、今も歩きの行商人が数人、前の商隊に寄生してるそうだ。護衛依頼の冒険者が教えてくれたよ。冒険者の寄生は護衛報酬無しの、戦闘参加は努力義務。戦利品は出来高で貰えるんだって。僕等はお昼の休憩地まで寄生すると言う事で、景色を見ながらゆっくり歩いて付いてった。

「着いたぞ若造」

「何も無くて良かったよ」

「ゲイーン、早く飯にしよーぜー」

 3つの商隊、それぞれ昼飯の準備をしてる。冒険者達は干し肉等齧りながらの巡回警備だ。僕達は連携できないし、依頼じゃないので戦闘以外は蚊帳の外。端っこの草地に座ってお昼ご飯だ。

「なんもなくて良かったねー」

「さっきはああ言ったけど残念だよ。これだけの商隊なら野盗が団体さんで来ると思ったんだがな」

「あ、やっぱりそんな事考えてたんだ?」

「てへっ」

「ひひっ、可愛くなーい」

「で、タララはどう思う?」

「臭ったねー。犬か狼かわかんないけど獣人の護衛いるし、多分気付いてるんじゃないかな?」

「気付いてれば良いな」

「あーゆう悪っそーな顔の人の方が実は優しかったりするんだよ?」

「あれ、悪そうな顔なのか」

 完全な犬系顔のなので僕には分からないや。村には人種しか居なかったしな。ソーサーを食べ終わり、食休みした頃には商隊達も移動を始めた。僕達も帰ろう。
 走って早足、橋の手前はやっぱり阿鼻叫喚だった。思うに、こいつらが騒いでるせいで野盗が近寄れなかったんだな。それにしても邪魔。道の真ん中でボコ殴りしてるもんだからとても通りづらい。その上こっちに来たゴブリンまで俺達の獲物だと主張してくる。
 かなりイラッとしたのでゴブリンの至近距離で顔面に石特大を射出してやった。これで耳どころか顔も無くなった。石特大も無くなっちゃった。

「ゴブリンも満足に殺れないクセに調子に乗んな」

「そうだぞ?そんなのんべんだらりに殺ってっと、門が閉まって野盗に殺されっぞ?」

 そんなやり取りを数回繰り返し、やっとこさ木の門へ。

「ご苦労だったな」

「しばらくこっちにはゴブリン退治には来ないよ。俺達が入ったら何人か殺しちまうかも知れない」

「かも知れんな。気を付けて帰れよ?」

 挨拶したら走って帰る。帰る事に集中し過ぎた僕は迂闊だ。農民の休憩小屋から飛び出してきた何者かに気付く事ができなかったのだ。

「私の「ゲインっ!」ちぃっ!」

 少し後ろを走っていたタララが盾を射出し、僕と何者かの間に割って入ったおかげで、何者かの動きが止まった。

 威圧!僕程度の威圧なんて持って一瞬だろう。だがその一瞬が勝敗を、生死を分ける。僕は全力で石を射出し、相手の脚の骨を砕いた。倒れると同時に両腕を砕く。呻き声も上げないこいつは本当に実力者なのだな。

「お前この間僕に刺突した奴だな?」

 前に見た時と同じくローブ姿のそいつは何も答えない。僕は休憩小屋に小石を射出した。

ドカッ!ドガガッドカッ!

「きゃあ!」

「くっ…」

「選べ。捕縛されて街に入るか、死んで街に入るか」

「……」

「タララ、あの中に居るヤツを殴り殺してこい」

「分かった」

 盾を拾い、棍棒を装備したタララがドシドシと休憩小屋に走る。僕は両手をローブのヤツにかざしてタララの戻るのを待ちながら、小石を射出して足と手も砕く。

「ゲイン、こいつ貴族っぽいぞ?」

 ローブをひん剥き、後ろ手に捕まえられたそいつは女だった。スカート履いて胸がある男は多分変態だろうしな。

「なんだ、殺らなかったのか」

「金になりそうな気がして」

「止めとけ、お礼と称して殺されるだけだ。門限に間に合わなくなるからとっとと殺して飯風呂するぞ」

「くぅー」

 ダガーを持って女の心臓に突き立てると、黄ばんだ服から血が滲む。

「待て!殺すな!」

「だったら選べよ。無能かお前は」

「……助けてくれ」

「抵抗したら手段を選ばずあの女を殺すから。先に手を出したのはそっちだからな」

 タララには女を担がせ、僕は動けなくした女を引き摺り再び走って門に向かった。荷物が増えて時間がかかり、街に入れたのは閉門ギリギリだった。ローブの女達は衛兵詰所にぶち込まれ、僕達は調書を取られ解放された。

「あれで良かったんだよね?」

 帰り道、タララがボヤく。

「タララならどうした?」

「話を、聞くかな」

「逃がすつもりで殺されかけてもか?」

「命大事には分かるけどさ…」

「女の子だったからか?臭いデブのおっさんだったら殺してたってか?」

「だって、怯えてたもの…」

「甘い。僕が2人を殺さなかったのは小さい方が貴族の可能性があったからだ。絶対厄介な事になるからな。貴族なら、何で2人きりで街に入ろうとした?門番に誰何されて何故抜剣した?問答無用で攻撃した?ああ言う奴等は貴族同士のいざこざから逃げてんだよ。追う方にも逃げる方にも味方するだけリスクを負うんだよ」

「ゲイン…、怖いよ…」

「お前の所の事は知らないが、僕の居た村はな、子供の遊びで生き死にが変わる程度には搾取されてるんだよ。栽培種の9割だぞ?それで食えてるのは収量の多さと野生種売った金があるからだ」

 タララは歩幅を狭めて僕の後ろを歩き、押し黙ってしまった。

「容姿で人を判断しない方が良い」

「うん…」

 その後はお互い何も話さず、宿に着いて着替えたら、1人で風呂と飯を済ませ、寝た。

 翌日、タララは起こしに来なかった。元々休みにするつもりだったのでゆっくり起きて、街の子セットに着替えたら、1人朝食を食べて街に繰り出した。

「おや、ケビン殿、いらっしゃい。本日はお1人ですかな?」

「こんにちは。あいつとは多分、ダメかも知れない」

 チップを飾るための額を磨くブラウンさんは突っ込んで聞く事はなかった。今はすごくありがたい。

「索敵したり感知能力が上がるチップってどんなのがあるかな?」

「察知、探知、感知の順で、銀、金、虹とグレードが上がります。虹は当店では取り扱いが無いので金までですが」

 銀で1万、金で15万だそうで、レアリティの高さが窺えた。注意散漫で危険に遭うのも3回目だし、多少高くてもこの先必要だろう。合わせて16万で購入した。
 人の頭に三本線の入った銀と金のチップを受け取った。初めての金チップ。効果の程はどんなだろう。その場で使わせてもらった。

スキル : 察知

察知 : 物事を察知する為のスキル。生き物の気配や機嫌、物の場所を察する事ができる。

スキル : 探知

探知 : 物事を探知する為のスキル。生き物の場所や機嫌、物の場所を探る事ができる。

 同系統で効果は似てるが別スキル扱いなのな。あの辺に居そう、ありそう。と、あそこに居る、ある。では効果の強さは段違いだ。這いつくばらなくても薬草が見つかるのはすごいと思う。
 そして生き物の場所や機嫌を察したり探れるのは敵を見つけるのにとても役に立つ。今もちょっと集中するだけで店の外を歩いてる人達の気配が伝わってくる。焦ってたり悪い事しようって気配も感じるぞ?

「効果の程は如何ですかな?」

「世界が変わったね。野盗の討伐も控えているのでこの効果はデカいよ。ブラウンさんは取得してるの?」

「私は察知のみですな」

「僕の機嫌も分かるんだよね」

「ええ。怒りに落胆、それに後悔や寂しさも」

「謝っても分かり合えない程、考え方に差があったんだ…」

「人とはそう言うものですぞ。異性ならば尚の事」

「異性かー」

「痴情のもつれ、では無さそうですな」

「その辺は弁えてるつもりだよ。貴族に対する考え方の違いってヤツだね」

「ゲイン殿は農家の出でしたな。確かに私共とは境遇が違いましょう。しかし、そう言う物だと割り切るしかありますまい?」

「そうだね。いつまでも村人気分じゃダメなのかもね」

「さ、これをどうぞ。時には何も考えない事も必要でしょう」

 ブラウンさんが取り出して見せたのは1000枚セットのチップの束だった。買えと?言いたい事も分かるし買うよ…。カバンに押し込みお礼を告げて店を出た。

「寂しくなったらいらっしゃいとは言ったけど、坊やのそんな顔は見たくなかったわね」

 次にやってきたのは中古防具屋。やたら低い声の店主さんに頭を撫でられ《洗浄》された。きっと、頭を冷やせと言う事だろう。先日のローブ2人組を捕まえた事を報告して、中古武器屋のもじゃもじゃ店主にも報告し、宿に戻った。

 部屋に戻ると、ドアの前でタララが座ってた。

「ゲイン…」

「人に言えた義理じゃないけど、しけた顔すんなよ。話があるなら中に入んな。水しかないけどな」

「うん…」

 タララを椅子に座らせると、ベッドに座ってチップを検める。水は好きに飲んでくれ。

「ねえ、ゲイン」

「何だ?」

「こっち、見てくんないんだね」

「見てもいいど、お前俺の事怖がってるだろ」

 一瞥して伝わるのは悲しみ、不安、寂しさ、そして恐怖。タララから発せられる感情に、僕は再びチップに視線を戻した。

「俺は冒険者だ。冒険者のクセにいつまでも村人気分で貴族批判して、関係ないお前の気分を害した事は謝る。ごめん。けど俺は、お前の思考に同意はできない」

「うん…。あたいも村の事、なんも知らなくて。ゲインを怒らせた。ごめんね。けど貴族もピンキリだから…」

 夕飯の後も話し合ったが妥協点は見つからず、パーティは解散する事となった。



現在のステータス

名前 ゲイン 15歳
ランク D/T
HP 100% MP 100%
体力 D
腕力 E
知力 E
早さ D-
命中 E-
運 D

所持スキル
走る☆ 走る
刺突☆
硬化☆
投擲☆
急所外物理抵抗☆☆
飛躍☆ 飛躍
木登り☆
噛み付き☆
腕力強化☆
脚力強化☆
知力強化☆
体力強化☆
ナイフ格闘術☆
棒格闘術☆
短剣剣術☆
避ける
魅力

鎧防御術
察知
探知
マジックバッグ

魅了
威圧

水魔法☆
ウォーター
ウォッシュ
デリートウォーター
所持品

革製ヘルメットE
革製肩鎧E
革製胴鎧E
皮手袋E
皮の手甲E
混合皮のズボンE
皮の脚絆E
耐水ブーツ
耐水ポンチョ

草編みカバンE
草編みカバン2号
布カバンE
革製リュックE

木のナイフE
ナイフE
剣鉈E
解体ナイフE
ダガーE
革製ベルトE

小石中382
小石大☆450
石大16

冒険者ギルド証 516200→346300ヤン
財布 銀貨10 銅貨19
首掛け皮袋 鉄貨31
 
冊子
中古タオル
中古タオル
中古パンツ
パンツE
ヨレヨレ村の子服セットE
サンダル
革靴E
街の子服Aセット
街の子服Bセット

スキルチップ
ウサギ 0/566
ハシリトカゲ 0/54
ハチ 0/133
カメ 0/576
石 0/491
スライム 0/1001
鳥? 0/301
?S 0/1
サル 0/109
オオカミ 0/206
腕 0/101
脚 0/101
頭 0/101
体 0/101
棒 0/101
ナイフ 0/101
短剣 0/101
鎧S 0/1
袋S 0/1
蝶 0/3
花 0/1
水滴 0/152
魅了目S 0/1
威圧目S 0/1
頭三本線S 0/1
頭三本線G 0/1

不明 1000/1000
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ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
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「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌

招杜羅147
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「婚約は破棄だ!」 毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。 彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。 そして…。

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

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侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

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12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!

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今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。 なのに突然のパーティークビ宣言!! 確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。 補助魔法師だ。 俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。 足手まといだから今日でパーティーはクビ?? そんな理由認められない!!! 俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな?? 分かってるのか? 俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!! ファンタジー初心者です。 温かい目で見てください(*'▽'*) 一万文字以下の短編の予定です!

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

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公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

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