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わーお

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 皆とくっ付き五十二階。階段部屋を出ると近くに居た蜘蛛と牛頭がノシノシと近寄って来た。

「じゃあ、試し振りしてみんね」

「「「がんばれ~」」」

「それ見てオレ達動っから」「お手並み拝見」

「私、盾が欲しいわ」

シトンが先頭、少し下がって左右にフレンズ。中衛の少年隊を盾にして後方にアズ。そして殿の俺の配置になり、ノシノシして来る敵に向かって歩いてく。
敵が見える。《暗視》や《感知》では既に見えているのだが、肉眼にライトではそれも難しい。肉眼の二人に合わせて行動する。

「シトン、見えた?」

「ん。行くよ…すぅ~」

シトンは大きく息を吸って振り被る。そして狙いを定めると、力を込めて振り下ろす。風切り音を上げて飛んで行く鉄球は重力を無視して真っ直ぐ飛んで、狙っているのであろうタウロスに一直線で向かう。柄に繋がってる鎖も真っ直ぐで、柄からシャリシャリ湧いて出る。しかし速度は早くない。見て避けるのは余裕であった。

「ふんっ!」

シトンが気合いを入れると、敵の位置から煙が湧いた。敵が煙になったのだ。

「わーお」「すっげ」

横に控えたフレンズが感心する。確かに凄い。そしてさっきの俺がどれだけ迂闊だったか理解した。
鉄球から生えた棘が通路の幅一杯に広がって、敵の殆どを串刺しにした。狙ったのはタウロスでは無く、通路の真ん中だったのだ。
形見の二振りが必死に守ってくれたおかげで痛い目に遭わなくて済んだ訳だ。そして迂闊な俺を叱ってくれたのだな。愛しい形見め。

「っし!」

シトンが腕を振り上げると、棘と鎖は元の姿へ戻ってく。あの一撃を耐えれば隙が生じる訳か。とんでもないロマン武器だぜ。

「残りはアタシ等で行けんね」「だなっ」

フレンズが飛び出して、残った蜘蛛一匹をボコボコにして煙に変えた。

「ベトベト~」「旦那ぁ、洗って~」

「毒とか付いて無くて良かったな。シトンは消耗して無いか?」

「あたいは平気。魔力増やす練習してて良かったよ」

鎖や棘を伸ばすのに、魔力を消費するそうだ。ちゃんとやってて偉いぞ。《洗浄》し、先へと向かう。

シトンのロマン攻撃のおかげで進みが早くなった。あんなの初見じゃ見破れんよ。避けて通り過ぎたと思ったらバックアタックされんだぞ?

「これだと剣の腕が鈍っちゃうよ」

新たな剣が見付かる迄の繋ぎにして、良い剣が手に入ったらサブ持ちにするそうな。

 そして六十階。皆は此処で飯と寝る支度。俺は一人、扉を潜った。

取り巻きの雑魚を蹴散らし、牛女へと近寄って行く。牛女も取り巻きが消えたのを確認して寄って来た。

「ンモウ…ムゥ」

「久しぶり、で良いのかな。獣母。会いに来たよ」

裸で抱き合い《洗浄》し、おっぱいに吸い付く。ちゅぱちゅぱと甘い汁を飲み、揉んでミルクが迸る。獣母は俺の頭を撫でながら、アイツをお股で挟んで尻を振る。獣母も欲しいのだな?腰を引き、滑りを纏うアイツの位置を合わせると、前に突き出し中へと挿れる。

「ムフ、ブッフ」

「んは、ふう…ママ…」

マットを敷くと浮き上がり、挿入を深くしてマットの上で覆い被さる。獣母のたわわは重力に逆らい潰れる事無く、先っちょをピンと天へと向けていた。その先っちょを両手で寄せて口に含む。

「んっ、んっんんっちゅ」

「ンモッ、ン、ンムゥ」

獣母に回復を掛けながら、腰の動きを早めてく。何度もイかせ、何度も中に吐き出して、前後の穴を楽しんだ。

「…ブフゥ、ンモゥ…」

息なのか、言葉なのか、俺には分からない。俺を抱き締めていた腕と脚の感覚、噴き出るミルクが消えた。

「ふぅ……また会えると良いな」

虚しさを堪え、《洗浄》して皆の元へ。

「お、兄貴。おつ~」

「今夜はダートか」

「夜なのか分かんねーけどね。兄貴は飯食ったら先に寝てくれ」

お言葉に甘えよう。肉乗せソーサーとスープを食べて、仮眠した。この先は未知のエリア。何が待ち受けて居るのだろうか…zzz




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