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光ってる

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 牢屋自体、基本は同じ大きさで同じ造り。十人くらいが横になれそうな広さで、これが四部屋。奥に二部屋独房が向かい合わせであり、厚い木の扉が付いていた。

「こんなに部屋要るのか?」

「要らんが、かと言って無い訳にもいかんだろう」

「ナバルの一も休む時間だ。俺は此処で大丈夫だよ」

「そうか。報告を上げたら私も休む。決して無益な争いだけはしないで欲しい。お前を失うのも、友を傷付けられるのも嫌なのだ」

「そうだな」

塞いでいた煉瓦を消してやると、ナバルの一は上へと帰って行く。階段も掃除したかったが仕方無い。再び煉瓦で階段を塞ぐと、部屋の模様替えに取り掛かった。
先ずはフロアの物を全て《収納》。独房も取っ払い、百三十平方ハーン程の空間となった。次に、歪んで削られた壁を平に切り取り、キレイに面出し。壁を切ったら光が消えるのかと思ったが、切った方が明るくなった。コレ、岩盤が光ってるのか。放射線とかじゃ無いよな?切り取った壁を取り出して練り練りしても光は失われなかった。初めて見るファンタジー鉱石に少し感動。
階段から直接部屋なのはどうかと思うので、階段と部屋の間を二ハーン程開けて壁で区切る。煉瓦だと暗くなっちゃうのでフロアの奥から切り出して壁とした。倒れる事は無いけど目地止めしとこう。出入り口を開けて、門扉は蝶番作るのが面倒なので引き戸にした。待合室には椅子代わりの硬めマットを並べとく。

さて、中の模様替えだ。奥行×十三程の部屋なのであまり区切りたくないな。入って左を浴室にする為一段削り、浴槽と脱衣場、脱衣棚を造り、排水用の浅穴を開ける。浅穴の中に《浄化》のクリスタルもどきを設置したら水を注いで湯を沸かす。これで牢屋一つ分使ってしまった。入って反対側にはトイレを設置。穴掘った分だけでは光る岩石が足りないので奥から少し持って来て、洋式トイレの個室を五つ作った。此方も《浄化》のクリスタルもどきを設置。手持ちが後二つしか無い。手洗い場を右の壁沿いに五つ設置したが、《浄化》のクリスタルもどきを使いたくなかったので配管をトイレに伸ばして済ませる。

水周りが終わったので次はベッドだ。奥の五×十三ハーンに分厚いマットを敷いて、枕と掛け布団を沢山作って終了。空いた場所には雑木ソファーとテーブルを設置し、天井に空調用の《浄化》のクリスタルもどきを貼り付けて部屋が完成した。
手馴れたもので、一オコン掛からなかった。流石俺。階段を閉ざす煉瓦を回収して寝た。

「おいっ!起きろ!?」

 俺の眠りを妨げたのは、俺の知らない女だった。起こした女の他に二人、奥にもう一人居て、起こした女はフレイルを突き付けて声を張る。

「貴様っ、コレはどう言う事だ!?」

「ん…」

「寝惚けて無いで答えろ!」

「暗くて臭くて埃塗れの部屋を、キレイにリフォームしたんだが」

「此処は牢屋だぞ!我々の部屋よりキレイにっ、では無くっ、勝手な事は許さん!」

「キレイな湯の風呂と臭わないトイレ作ったのに」

「そう言う問題では…」

「所で、俺に用があって来たのだろう?先ずは話をしようか。トイレと風呂の確認が先でも良いな」

起き上がり、ベッドから出るとフレイル女は警戒するが、弱い《威圧》で制すると、背中を押してトイレへ誘う。

「何だ、この恐ろしさは…隊長殿…」

「皆も来てくれ。俺はカケルだ。君の名は?」

「あ、あ、アルシュの、二…」

「コレがトイレだ。入ってみろ」

「は、はい……わ、ドアが勝手にっ何故勝手に閉まるのだ!?」

「少し傾斜を付けてるだけだ。中はどうだ?皆も見てくれ。用を足してくれても良いぞ。尻は勝手にキレイになるから拭かなくても良い」

「そんな馬鹿な」「隊長殿、コレは罠です」

「閉じ込めて足止めでもするつもりか?」

「隊長殿、内鍵も外鍵もありません」

中に居たアルシュの二が声を上げ、中から出て来た。ズボン半分脱いでいて、致すつもりだったようだ。









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