上 下
1,374 / 1,519

ペタンコ

しおりを挟む


「ふ、獣に守ってもらえるとはな」

「三ちゃん、言われてるぞ」

「うぐ、言い返せないけど私の事じゃないもん」

 今現在も隠れてる三が反論する。

「コーラーを守ってあげられる飼い主になろうな」

「さあさあ、無駄口叩かず付いて来い。縛って引き摺ってやっても良いのだぞ?」

「縛られるのは趣味じゃ無いんだ。尻に敷かれるのは吝かでも無いがね」

コーラーが動き出し、自然と皆が同調する。一と革鎧は後ろから付いて来た。付いて来いって言ったんなら前を歩けよ…。

「三ちゃんよ、コーラーは何歳なんだ?」

「知らないよ。私が子供の頃からこんなだったし。一は知ってる?」

「え、し、知らないわよ。私が子供の頃も大きかったわ」

「なら先輩だな。コーラーさんって呼ばなきゃ」

「何でよ!?私飼い主なのにっ」

「この子は君等の事を妹の様に思っているぞ?因みに雄雌は?」

「それは、雌だけど…」

「ならコーラー姉さんだな」

「五月蝿いぞ。男の癖に黙って歩けんのか」

「俺は声出してなんぼの世界に居たからな。仕方無いね。それに名乗りもしない人の言葉なんて聞けませーん」

  「この…男の癖に」「コーラーが居るから危ないですよ」
後ろでヒソヒソやってるが普通に筒抜けだからな?

「貴様の様な奴に名乗る名等無いっ」

「だろうな。下っ端の名前聞いても覚えられんしな」

「貴様っ!」

革鎧がフレイルを振り被って駆けて来た。コーラー姉さんを撫でながら歩いている俺は特に構える事もせず、脳天目掛けて振り下ろされる鈍器を無視する。
が、バカッと乾いた衝撃音がして、それだけだ。纏った《結界》を打ち付けた分銅は衝撃で跳ね返り、柄に直撃すると下っ端ちゃんは思わずその手を緩めてしまったようで、得物を落としてしまった。

「やられたら、やり返すけど?」

落ちたフレイルを踏み付け凄んでみる。柄と分銅の間を踏んだようで、柄がビクンと跳ね上がる。

「きっ、貴様っ!あ…」

得物を見て、見上げた目が得物によく似た形状のモノへと向けられて、視線が止まる。そこにはミスリルの装飾が施されたペニスケがビクンビクンと脈を打っていた。

「か、飾りを付けて虚勢を張ってるつ、つもりだろうが……」

ペニスケを外し、ゆっくりとアイツを外気に晒す。脈打ち血管を浮き上がらせるソレを見て、下っ端ちゃんは膝を崩した。

「何…それ…」

言葉を発したのは一。崩れ落ちる下っ端ちゃんを支えて膝を着き、アイツを見てしまった。

「ブフッ」「何よ?どうしたのよ?え、貴方何それっ病気!?」

コーラー姉さんに隠れていた三ちゃんが顔を出し、アイツを見て変な事を口にする。

「コレが男のちんぽだよ」

「ちん、ぽ…」「そんなの、見た事も聞いた事も無いわよ」

目の前の二人はそう言うが、男が居ないと子供も産まれないでしょうに。

「人は皆、男と女がコレで繋がって子を成すんだぞ?」

「しっ、知らないよそんなのっ」

「男に…そんなモノが生えてるなんて…」

「知らないなら教えてやろう。下っ端ちゃん、よく見るんだ」

「はい…」

軽い《洗脳》を施して、下っ端ちゃんの近くへ寄ってしっかり見せてやる。近くに居る一も一緒になって凝視してる。

「兜を脱ぎな。小手もな」

「…はい」

小手を外し、兜を外した下っ端ちゃんはブロンドのペタンコヘアー。籠った汗で顔に髪が張り付いてるが、中々キレイなお顔でらっしゃる。

「コイツに触ってみろ。一も良かったらどうぞ」

「はい…」「え、あ、それじゃあ…」

「優しくな」

躊躇無くアイツに触れる下っ端ちゃんに同調し、一も恐る恐ると言った表情で指を付ける。

「温かい…」

「お前、名は?」

「二クリアの、九…」

「なら九ちゃんだな。九ちゃん、ソイツを舐めるんだ」

「はい…れろっ」

返事と共に、伸びた舌先がアイツに触れる。一は流石に驚いた様子だが、此方をチラチラ見てくる辺り、自分もやるのか戸惑っているみたいだ。





しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜

自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成! 理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」 これが翔の望んだ力だった。 スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!? ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした

水の入ったペットボトル
SF
 これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。 ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。 βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?  そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。  この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。

みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

処理中です...