1,242 / 1,519
まさかこんな所で
しおりを挟む敵艦を大砲で没してしまうとなると、ソレが何処の所属か分からないと受付嬢は言う。運んでなんぼの商船に、調査に割ける時間は無いそうだ。
「色々助かった。コレ少ないけど取っといて」
そろそろ周りの目が気になりだしたので話を切り上げお礼を渡す。
「これは?」
「甘い果物だよ」
雑木の皿に乗せたドラゴンスケイルを訝しむが、甘いと聞いて目を輝かせた。値段も金貨一枚分だし喜んでくれてそうだ。
「おい!ネリルッ!何時迄そんな野郎の相手してんだ!?」
「そうだそうだ!俺等とっ、俺…等?」
「お前、一人だぞ?」
まさかこんな所でテンプレするとは。そしてこの嬢ネリルと言うのか。背後から来る悪意に反応し、全員分のテンプレを聞かぬままあの世に《転移》させてしまった。もしかしたら重要な話があるかも知れんので話し掛けだった一人は残したが、仲間が居なくなって狼狽えて居る。
「腰巾着は一人だと動けなくなるのな。良い人に拾ってもらえ」
「お前ぇの仕業かっ」
「喧嘩売る相手を間違えたんだな。コッチの話は終わったし、報告するなら退いてやるぞ?ほれ」
「報告書は、コレだ…」
腰巾着は持ち物係。背負い鞄から紙ペラを取り出すとネリルの居るカウンターに乗せた。
「…は、はい。街道周りの魔獣駆除。獲物はもう納めてあるんですよね?」
「お、おう」
「でしたらこの金額で。…あの、其方様、ジャリエンさん達、今迄此処に居た人達は、何処に?」
「死んだよ」
ネリルの問に答えてやり、ギルドを後にした。
夜の部では久しぶりにミストン夫人フィルフィンが来店した。
「王都にて蜂起がありましたでしょ?夫が戻って来なくって…」
「それは心配でしょう。それを知っていればもっと早くに此方から伺いに上がったのに」
「そうね。その分心配を解いてくれて?」
閉店後、居残りのフィルフィンと二人、四つん這いの尻にイボイボのカチカチを突き立てる。
「ああっ、私だけ!私だけのモノおおおっ!!」
「コレで、旦那が居なくてもっ、困らないな?ん!ん!」
「店はっ平気っ!私もおっ、やっ、やっと!楽しめるうはあああっ!!」
食事を摂り、回復し、湯に漬かりながら、数を忘れる程セックスに没頭した。俺は孕ませたかったが、フィルフィンは沢山楽しみたいので頑なに断り、俺の子種を注がれ続けた。
「んもう…、普通の男なら、こんなに出したら孕んでしまうわ…」
「孕ませられなくて残念だよ、んちゅ」
「んっ、はむ、んふ…、ふう。海盗について、探してるの、聞いたわ。ん、お話したいから、ゆっくりね…んはん」
アイツを埋め込み肉布団になるフィルフィンが海盗について話があると言う。抱き締めて尻を揉み揉みアイツをゆっくり蠕動させた。
「何か知ってるのか?」
「カケル様が狙ってるのは、人買いね?」
「よく分かったね」
「商品は女子供だもの、カケル様なら売られる前に攫うくらいはしそうだもの」
「自分では助け出してると思ってるんだけどな」
「そうね、言葉が過ぎたわ。メリダを孕ませたの、妬いてるのよ?」
「これからはもっと来てくれ。夜なら時間外も開けるから」
「嬉しいわ。強く抱き締めて?そう。こうしてるの、好きなのよ…」
フィルフィンに依ると、ヒズラーの一部国家では奴隷売買が盛んで、海外からの輸入が戦時中から戦後に掛けて増え続けていたと言う。戦後である今では減って来てはいるものの、一定の数は入荷があると言う。
「家では扱って無いけれど、誘いの話は幾つもあるのよ。あの人は断っていたけど、影で何人か買っていた筈よ」
「その何人かは王都に?」
「どうかしら。急ぎで人をやっているから王都にある店の状態は近い内に入ると思うけど、個人の事迄は分からないわ」
ギルドに届く文面と、実際人を使った報告では真実味が変わると言う。百聞は…と言うヤツか。フィルフィンの中を畝らせながら、隣国の事を聞いて過ごした。
0
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる