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視線が痛い

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『パパ、誰あの女達』

『仕事の依頼者だよ。ダンジョン探索の付き添いしてたんだ』

 女達とギルドへ入る所を見ていた愛娘に業務内容の報告をする。お土産も無ければスイーツも無い訳で、視線が痛い、心が痛い。

『所で、前に来てから何日経った?ダンジョンに潜ると時間感覚が無くなってさ。何日経ったか分からないんだ』

『時計無いの?』

『タイマーみたいな魔導具はあるらしいんだが俺は見た事無いんだ』

『お金持ちなら買ったら良いのに。確か三日の筈よ』

『二回しか寝てないんだが』

『二泊三日でしょ?』

そうだった。前もそれで島の皆に説教されたんだった。お土産はまた今度と言う事でギルドを後にし、施設へと足を向けた。


「お帰りなさいませ、お楽しみでしたね?」

 島に戻って、テイカに一瞬でバレた。浄化の湯でしっかり垢を落として《脱臭》まで掛けたんだぞ?何でバレるのか?

「テイカは何かのスキル持ちか?」

「女の勘ですね。それと、入念に洗い過ぎてて不自然です」

「ダンジョン籠ってたし、疲れてたから施設の湯で仮眠したんだが」

「あたしの中で寝てください」

一体何が正解なのか。テイカにスリスリとマーキングされて下に降り、出会った者ともハグしてスリスリ、食堂で帰着報告をした。

「カララ、待ってたの」

「待ってたのか」

何かを待ってた様子なカラクレナイ。

「ランク、上げるの」

ああ、それか。リュネを見遣るとニコニコしてる。反対では無さそうだ。

「今直ぐ行きたいの。けどママお仕事であっち言ってちゃってるの」

「ミーネもランク上げるのか?」

「付き添いの方が低ランクとなると、カララちゃんの足を引っ張り兼ねませんからぁ」

「もしかして、リュネとリームもか?」

「ですねぇ。不出来な姉も、アレで負けず嫌いですし」

ルドエに行ってるミーネとリーム、そして何処かに遊びに行ってるネーヴェも冒険者ランクを上げたいらしい。三姉妹はともかくネーヴェ迄?何でだろ?とにかく五龍がランク上げする事となった。カラクレナイ以外は忖度で上がるだろうが、カラクレナイとサミイは正規の方法で上げないとサミイが持たん。一先ずミーネ達が戻ったら、と言う事で明日の朝ギルドに行く運びとなった。


「皆様。此方が新たなギルド証となります」

 翌日、朝の部を終えて向かったギルマス室にて新たなギルド証を配られる五龍とサミイ。俺は付き添いなのでカードの更新は無い。

「ふむ。我はBランクか。護衛等した覚えは無いが」

「カララ様達の護衛をなさった、と言う体です」

リームの問いにカロが答える。初見のサブマス?も居るが動けないで居るな。ミーネとリュネも同じ扱いで仲良くBランクっぽい。

「私、D…」

「ネーヴェ様は冒険者活動をされてないので、貢献度が無く、申し訳ありません」

「なら、コレ」

ゴトリと出したトカゲの魔石。それ俺がやったヤツ…にネーヴェの魔力が入ってる。それアカンヤツだ。

「ネーヴェの魔力が入ってるじゃん。売れないだろ」

「え!?ネーヴェ様の魔力は、流石に人には過ぎたる物ですね…。国に呼ばれて囲われそうになった挙句更地にされてしまいます」

「ぐぬ…、カケルゥ~」

「パ、パーティーランクがCならダンジョン入れる…んだよな?」

「え、はい。大丈夫です。ネーヴェ様も皆様と一緒であればダンジョンに入る事が出来ます」

「…なら、よし」

ホッと息を吐く人種。サブマス?が動けなくなっていたのはコレが原因だ。

「カララもDなの」「わたしと一緒ですね!」

一方此方の二人は禍々しいオーラは出てない。護衛依頼をするって話をしてあるからな。二階級特進して嬉しそうである。

「サミイさんとカララ様の依頼先は既に決めてありますので、冒険者としてしっかり勤めを果たしてください」

「もう決まってるのか」

「ええ、ご実家の護衛ですから、皆様も安心でしょう」

「あー、ママが身重になっちゃったからー」

「ママ上の子、楽しみ」「たのしみなの」

視線が痛いです。




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