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軟弱ちんぽ

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「洗って、飯食わせて、体と心の傷と病を癒して、堕胎させてある。皆、メルタールだぞ」

 ギルマス達に状況を説明し、背後に隠れる女達には笑顔を見せる。

「メルタール…」「帰って、来れた…ううっ」

泣く者、そしてそれを抱き留める者。人の世界に戻って来られて放心する者。女達は皆、力が抜けてしまったようだ。

「捜索願いの資料は?」

「今持たせてる」

泣く者をあやし、椅子を作って座らせる。立ち尽くす男共を放置して女達のケアをしていると、ドアをノックし入室の許可を得る声がする。資料の紙束を持って部屋に入って来たのは解体場で当たり散らされた男では無く、女であった。

「お待たせ致しました…。貴方、どう言う状況ですか?」

「皆な、助かった事を実感したのさ」

「囚われて居たにしては、随分さっぱりしてますね」

安全な施設でケアした事を説明すると、納得はしたようで、女達一人一人、資料に照らし合わせて行った。十人中、捜索願いが出ていたのは四件。顔を綻ばせる中、残る六人は肩を落とした。帰る場所が無いからだ。

「アタシはさ、家族皆殺しだから、諦めたのさ」

「そうだね。生かされて外に放り出されてもさ、生きて行けないし」

賊側に付いていた二人は頼る場所が無い為諦めてしまったと言う。残る四人は見捨てられたようで、涙を流す。

「では、此方の四人は依頼者を呼びますので別室へ。残る方は、申し訳無いのですが…」

「そこをケアするのが行政だろう?」

「急には、流石に…」

俺の言葉に言葉を詰まらせる女職員。だがこれは無理な要望なのだと察した。

「ダミヤン、嫁六人くらい欲しい歳頃だろ。どうだ?」

「多過ぎるわっ」

「良い女だぞ?」

「見たら分かる。分かるが、多いだろ…」

「毎日抱いて、一日か二日働けよ」

「いや、しかし…」

「軟弱ちんぽめ、甲斐性見せろ」

「ええいっ!娶るかどうかは置いといて、家には住まわせてやるっ!そう言う事だろ!?」

「優しくしてやれ?」

「分かっとるわっ」

 回収品の精算は明日と言う事で、ダミヤンと六人の女達はギルドを後にした。俺は捜索の依頼者が来る迄女達四人の傍で待つ。会議室みたいな別室で、女職員が部屋を出て行く時に淹れてったお茶を飲み、女達のおっぱいを揉む。

「カケル様。もし、家の者が来なかったら…」

「来なかったら此方から出向く迄だ。俺は浮気者だが、女を捨てるような奴は屑だ。人じゃ無い。成敗してくれる」

「カケル様の所には、置いてくれないんですね」

「家があるんだろ?そこで俺の子を育ててくれ」

「え?もしかして、孕んで…?」

「家に帰れたら、その時、な?」

「「「はいっ」」」

この世界、傷物の女達はとても立場が弱い。夫婦になっても子を成す前に家政婦みたいな扱いになる。殆どが男側の問題だが、よく少子化にならないモノだ。こんなに良いおっぱいなのに。

 暫くしてノックがあり、さっきの女職員がゾロゾロと何者かを連れてやって来た。皆口々に奥様お嬢様と言っているので、此奴等が依頼者の筋なのだろう。親や夫が来ないのは、生きてないからかも知れないし、違う理由かも知れない。

「カケル様、お世話になりました」

「このご恩は必ず」「幸せになります」

「落ち着きましたら、店に寄って下さいませ」

「お待ちしております」「「必ず」」

女達からは口々に礼を言われ、依頼者からは報酬を受け取る。これも後で分けなければならない。
女達に別れを告げて、温くなったお茶を飲みながら女達を見送った。

「世話になったね」

「いえ、仕事ですから」

部屋に残った女職員に声を掛けると、少しトーンの落ちた声で返事があった。

「もしかして、依頼者なのか?」

「ふ。もう、諦めてますよ…十年も昔の事ですから」

「生存者は他に無かった。死体もな」

「そう、ですか…。父と母、なんです。あの時十の私は、家で留守番でした」

「そうか。一人で待っていたのか?」

「家令達が居ましたので…」

この職員は貴族なようだ。
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