1,130 / 1,519
家自慢
しおりを挟むぷりぷりの尻を凝視するのを我慢して、整地して穴を開けて土山を盛り、壁を建てた。五人同時に使えるぜ。屋根もドアも無いが、覗かなければ問題無い。
「土魔法か。便利だな」
年長者はやはり聞き耳立ててたか。魔力も見ていたな?
「だろ?使うか?」
「俺達ゃそこらで何とでもなるからな」
「穴掘って埋めないと事故が怖いな」
「ああ。長年つるんでたパーティーでも喧嘩になるな」
「トイレ!?するする!紙くれよ!」
真っ先に使ったのは弥一であった。紙は無いので葉っぱ捥ぎって来い。
「ああ~、久しぶりに臭くないトイレだったぜー。流石翔、さすかけ~」
デリカシーの無い男の声を聞き、女達がコソコソとトイレに入って行った。
男共に不幸な事故が起きる事は無く、無事に休憩を終えて移動再開。草丈は高いが平地なので野獣がちょっぴり居る程度。毎日のように猛スピードで走るナニカが往復するのだ。臆病な野獣は逃げ出してるだろうな。それにとんでも無く強い冒険者の付き添いも偶に歩いてるみたいだし。バルタリンドの冒険者の食い上げだな。
同乗者と馬鹿話等しながら尻を庇って夕方、やはり家の土地で野営するようだ。
「此処が翔の別荘か?」
弥一が巨大な壁から伸びる森を見て人の言葉を話す。
「湖の真ん中にあるんだ」
「お邪魔しても?」
「仕事中だろ?遠慮したまえ。湖畔迄は入って良いぞ?」
「旦那。この森は魔物がうようよ居るって聞いてますぜ?この壁だって、魔物を出さないように建てられたって」
馭者が振り返りそんな事を言うが、それを作ったのも俺達だ。湖畔に行く許可を出すと、壁際に着いて直ぐ他の馭者仲間に話をしに行った。
「カケル、本当に入って大丈夫なのか?」
馭者達の話を聞いた付き添い連中が寄って来る。イケメンが心配そうな声を上げるが、あンた等Aランクでしょうが。
「ゴーラとブフリムしか居ないから平気だ。後、別荘には入るなよ?仲間の拠点だから勝手に入ると喧嘩になるぞ」
「どんだけ稼いだのか知らないけど、貴方の家なんて興味無いわよ」
セカンドハウスを見て、Aランカーは絶句した。お手頃価格達も感心してた、ホルスト達は荷車着けたまま湖に突っ込んで水を飲んだ。喉乾いてたんだな…。
「お?兄貴?」「何でいんの?」「家自慢?」
流石に自慢はしない。作ったのは殆どリュネだもん。魔道車を唸らせて湖畔に帰還した少年隊に友恋フレンズ。
「カーケルさーん」「おーまーえさーん」「旦那~」
仕事中なんだが、抱き着かれてしまっては振りほどく事は出来無い。
「皆お帰り。俺は依頼中で今夜は此処で野営だ。五月蝿くしてたら狙撃してくれ」
「「「はーーーい」」」
「あれ、友恋のシトンにアズだろ?」「白い熊人のキキラだぜ…」「隣のはワーリンだよな?すげぇ」
「「「ラビアン…らびゅ…」」」
何が凄いのか、後で詳しく聞き出さねばならんが、皆、俺より名が売れてるな。羨ましいんだからねっ!
アズ以外の女達は気にする事無くカケリウムを充填し、船に乗り込み島へと向かう。少年隊はわーわー言いながら森の中に入って行き、ゴーラの脚を四本持って帰って来て、わーわーしながら島へ跳ねてった。折角作った船使えよ。
「貴方…、アレ、魔装…よね」
「詮索はダメだぜ?」
「わ、分かってるわよ…」
彼奴等を泣かせたら怒ると釘を刺し、俺達も夕飯と寝る支度をしなければ。全員で協力してキャンプサイトを設営する。湖畔は普通に魔物が出るのでホルストを守るように荷車で囲い、焚き火を三ヶ所。二組が合わさり三交替で不寝番する事となった。トイレもちゃんと作ったよ。勿論男女隔て無く使ってもらう。
「お肉でも狩れると思ったのに。もう暗くなって来たじゃない!」
森の中は日が落ちるのが早い。出来たてのトイレからスッキリして戻るとヘンプシャーがイライラしてた。
「肉ならあるからカリカリすんなって」
ヘンプシャーに柵にしたゴーラをあるだけ張り付ける。好きなだけ食って良いぞ?
0
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
転生弁護士のクエスト同行記 ~冒険者用の契約書を作ることにしたらクエストの成功率が爆上がりしました~
昼から山猫
ファンタジー
異世界に降り立った元日本の弁護士が、冒険者ギルドの依頼で「クエスト契約書」を作成することに。出発前に役割分担を明文化し、報酬の配分や責任範囲を細かく決めると、パーティ同士の内輪揉めは激減し、クエスト成功率が劇的に上がる。そんな噂が広がり、冒険者は誰もが法律事務所に相談してから旅立つように。魔王討伐の最強パーティにも声をかけられ、彼の“契約書”は世界の運命を左右する重要要素となっていく。
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる