上 下
1,097 / 1,519

同意の上

しおりを挟む


 上着だけは街で買ったような皮の服だが、作業着メーカーのカゴパンに、芯入り思しき革ブーツ。革手袋にデイバッグを装備して、何とも地球から来ましたと言う見た目の弥一は娘の目にも奇異に映ったようで、ジト目と共に《念話》が飛んで来る。

『そのリュック、パパがあげたの?ズボンだってこっちじゃ見た事ないんだけど』

『後でこっそり教えてあげよう』

『絶対よ?』

「気になってたんだけどさ、何で赤ちゃん居るんだろ」

「託児所が無いからだな。それに彼女達が居るとやさぐれた荒くれ共の心が癒されるんだ。手を出すなよ?死ぬぞ?」

「出すかよ。それにしても成程な。通りでテンプレにならん訳か」

『このおじさん、地球人よね?』

『後でね』

「んじゃ、また今度な」

「ん。ご無事で」「おぶじぇー」

弥一は今日から働くそうで、掲示板を見に行った。採集依頼かブフリム退治か、とにかく生きて帰れよ?俺も仕事があるので子供達を撫で、外に出た。

『パーパー。パーーパーー』

『は~い、はいはい』

歩く振りして施設に向かうがシンクレイアの《念話》が止まらない。子供にとっての後では数ピル後なのだ。

『あの人、地球人よね?何で?』

『アレ、俺の友達。地球から連れて来た』

『は?連れて来たって、召喚したの?』

『ちゃんと同意の上だぞ?家族にも伝えさせた』

『それって、地球にも行けるって事?』

『行けるけど、帰りたいのか?』

『帰りた…この姿じゃ、ダメよね』

『諦めるしか無いな。シンクの場合、家族を余計に悲しませるだけだろうし』

『それは、パパの家族だって変わらないわよ』

『俺は地球でしっかり死んでるからな。映像にも残してやったし』

『まさか、自殺動画なんてしてないわよね?』

『ちゃんと事故死だよ』

『そう…。地球の家族に、お別れは?』

『して無いよ、肉体が若返ってるし。シンクよりはマシだが、無駄に親共を悲しませる事も無かろう』

『地球、行けるのよね?』

『行けるぞ?』

『…パパぁ~ん『地球の金持って無いから』…ちっ』

舌打ちすんな。

『仕事場着くからまたな』

『はぁい。…あ、ママとアルネスが疲れてるの、何とかしてよ。宰相?の奥さんと娘さんと、後何人かが居座ってんのよ』

『何とかするが、もう暫くの我慢だな』

『お願いね?』

列を成す女の尻を撫でながら挨拶を交わす。午前の部は主婦と冒険者、午後の部は主婦が、夜の部は冒険者と働く女が多くなるよう住み分けされて来たみたい。

「お前、今その人のお尻触ったろ!?なに触ってんだ!」

初めて来る中には冒険者が多い。噂を聞き付け他所から来てるって言ってたな。俺にメンチ切ってるこの子もその一人のようだ。三人前衛か?

「まあ待て。よく見とけよ?」

「何だよ…」

三人娘の前に居た主婦の尻を触る。

「おいっ」「何してんだよ」

尻肉を触り、揉み、谷間に指を滑らせるも、主婦は何も言わず、火照った顔で俺を見詰める。

「あんたも何か言いなさいよ!?」

「…ん。あンた達、初めてだね?コレは挨拶みたいなもんさ。まあ、こんな事させんのはこのお人だけ、だけどね」

「「「はぁ?」」」

「カケル様あ、お、は、よ、う」「今日は挨拶に来るのが遅いねぇ。何処ほっつき歩いてんだか」

前に並ぶ女達が嘯きうそぶ 出す。また後で、と声を掛け、挨拶の続きをして行った。

「今回は落ち着いていましたね?」

 午前の部が終わり、シャリーの報告を聞く。

「魔力をだいぶ減らしたから、性欲の暴走が収まったんだ」

時間通りに営業を終えられて、皆ホッとしていると言う。無いに越した事は無いが、ハプニングがあるのは仕方の無い事だ。それでも仕事はきっちりこなし、シャリーも抱きたくなってしまうのは愛故になのだろう。
報告の終えたシャリーを風呂に連れ込みクタクタになる迄アイツを擦り付け白濁を注ぎ捲った。

「何時もありがとうな」

「だい、しゅき、れす…」

もう少し、良いかな?
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

処理中です...