上 下
1,031 / 1,519

墓参り

しおりを挟む


 浴槽の横にマットを敷いて、皆としっぽり楽しんだ後は、ミーシャから出掛けてた間の話を聞いた。寄親の家から王妃宛に手紙を書いて送ろうとしたが、王妃側が先読みして使いの者を待機させていたと言う。で、そのまま城へ向かい、子供達を交えて長話をして夕飯をご馳走になり帰って来たそうだ。

「私は王子様達や魔法師団の指南役をしていましたから、王様達との会食の経験は多御座いますが、あくまで伯爵位ですので親し過ぎる訳には参りませんの」

「夫より位が上がるのも良くは無いでしょうしね」

「そうなのよ。けれどそれは無理な話。領を守るだけで手一杯ですもの」

「充分大事なお役目ですよ」

「そう言って頂けて、旦那様も喜ぶわ。愛しているし、良い方なのよ…」

ミーシャの視線が今尚いきり立つアイツに向かう。

「失礼ながら、お子様は?」

「イゼッタの二つ上に息子が。一つ上に娘が居りますの。息子はタイメワノールで騎士として働いて居ります。娘は今年学園を卒業するの。欲しいなら手を打ちましてよ?」

「カケル、リアさんが泣く」

「あら、リア様と言うのは奥様の一人ね?貴族かしら」

「公女…王女ですね。三番目の妻です」

リアは話さえ通せばそんな事で泣かないと思うが、貴族の妾を増やすのは良くないので話を合わせておこう。勿論エッチ出来るなら大歓迎だが、そんな事はお首にも出さないぜ。

「イゼッタが学園に通って居れば、痛ましい目にも遭わなかったのでしょうね…」

「それだとカケルに会えない。だから学園行かなくなってせーかい」

「勿体無いと思ったのよ?子供の時分から魔力は私並にあったのだし、覚えも息子達より早かったもの」

「たまたま出来ただけ」

たまたま出来ると岩を斬ったり空飛んだり出来る訳か。イゼッタもまた天才の一人だな。

「そう言えばさ、この地方には墓参りとかの風習は無いのか?」

「ある。けどお墓の場所しらない」

「ご遺体は当家で弔いまして、墓所に納めております」

「早く言ってよー!」

「ごめんなさいね?急ぎの用だと思ったから、後でゆっくり会ってもらいたかったのよ」

「ん、うん。…ありがと、叔母様」

「私にとっても、大好きな妹にその夫。そして可愛い姪達ですもの」

俺を挟んでしんみりする二人の尻を撫でる。

「「あっ…」」

「俺がもう百日は早く来ていればな…」

「それは、仕方無いの」

「そうね。仕方の無い事。カケル様は気に病まないでらして…はむぅ」

ミーシャがアイツを舐る。暗い気持ちを振り払う為、快楽を求める。イゼッタも俺に跨り、おっぱいを顔に押し付けた。俺には心の傷を癒す事など出来無いが、せめて一時、忘れさせてやるくらいは出来ると思う。二人の股を弄り、湿り気を帯びた穴にアイツを埋めた。


 施設の休憩室で目が覚める。あれからまたたっぷりと致して、そのままコッチで寝てしまったのだ。身形を整え食堂へ向かい、軽く食事を摂って宿に戻ると、外はまだ夜であった。

「カケルゥ」「カケル様…」

「んもう、カケルさんは貸してあげますから、貴女はお部屋に戻りなさい。イゼッタさんも行きなさぁい」

「ん、おやすみ…」「忝く存じます」

独り寝のリュネにキスをして、皆が部屋を出る。そしてミーシャの部屋に着くと、メイド達は自室へ戻った。

「さ、おいで」

《結界》を張って浮かせたベッドに横になり、二人を迎える。謁見の間で欠伸はいかんだろうから少しだけ楽しんで、長く伸ばしたアイツを二人の中に収めて寝た。

 朝になり、今朝は全員食堂に降りて食事をする。夫人は他所様に食事を見られるのは恥ずかしいと言うが、身分を名乗らなかったり静かにしていれば殆ど身バレ等しないモノだ。なんなら《阻害》なり《結界》なり掛けてやろうか。だがそれも杞憂に終わった。
馭者の操るホルスト車に乗り込んで、ガラガラゴロゴロ大通りを進み、何時か見た城にやって来た。



しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

処理中です...