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立派に成長した
しおりを挟む夕飯には俺が途中で投げた角切りのレッグルートが金鍔の如く全面カリカリにされて供された。量があるって事は自分達でも量産したらしい。
「水気、たっぷり」
「カリカリがんまい」
「甘いのかけたいの」
大学芋っぽいがそれもありだな。
「今度は低温でじっくり焼いてみてくれ。冷蔵庫に寝かせてから使うのも甘味が増える可能性がある」
ラビアン達に注文し、レッグルートの能力を引き出してもらおう。試作組の作ったのは乱切りにしたレッグルートのスープ。ラビアン達なら先ずサラダにして生食いするかと思ったが流石に抵抗あったようだ。スープの具になったレッグルートはジューシーな生煮えの山芋って感じ。牛蒡や蓮根並に強靭な細胞壁をしてるな。味は染みてるので悪くない。皆からの評価も良いみたいだ。
「主様よ。我もその野菜を増やしてみたのだが、ちとやり過ぎてしまった」
「やり過ぎた?増えやすい植物なのか?」
リームもレッグルート等の植付けに参加していたようで、幾つかの野菜を魔力で育ててみたと言う。
「元を知らんので数は分からんが、些か大きくなってしまった」
「此処に出せる程なら見てみたいが」
「うむ。浮かせれば問題無かろう」
リームが取り出したレッグルートは、子供の脚から大きく成長しトカゲの脚程になってしまっていた。そんなトカゲの脚が八本、太っとい茎を中心に生えていた。
「随分と立派に成長したな」
「一本で島の一日分は賄えるが、食えるかどうか」
まあそこだろうな。
「明日にでも試してみよう。後はもっと加減して育てるのが良いかな」
「うむ。…それで、だな。我は罰を受けなばならん…よな?」
「姉さぁん?」「盛るな愚妹」
「否、分かった。上手く育っていたらご褒美だ。ダメならお仕置な?」
「う、うむ」「んもぅ~」
「皆も明日から施設の作成に手伝ってもらうから、ご褒美期待しとけ」
「「「はーーーいっ」」」
「カケルさぁん、私、お手伝い出来る事がありませぇんっ」
嬉し気な返事のラビアン達に嬉しく無さ気なリュネの声が続く。リュネには散々手伝ってもらったろうに。
「リュネには皆を《転移》で移動させてもらうから、よろしく頼むよ。俺はまだ未熟だし、リュネにしか出来無いんだ」
「んもぅ、分かりました」
「カララは?」
「カラクレナイにも手伝ってもらうぞ?頑張ってね」
「分かったの!」
「旦那様よ」
「ミーネには皆の安全管理を頼みたい。女王をこき使って済まないな」
「やれやれ…ご褒美が楽しみだな」
姦しい食事を終えて、一足先に風呂場の二階。今日も宿題やらなくちゃ。
弥一の質問がどんどん細かくなって行く。分かる限りで答えて行くが、最後の問にどう答えるか迷ってしまう。
俺もソッチでセックス無双したい!
!付ける程したいなら、金を稼いで風呂屋に行け。お前スキル無いんだから確実に病気もらうぞ?それに現地の女も特に望んでない限り孕ませるのはNGだからな?
それと、シルケと地球がどんだけ離れてるかも分からん。光速超えて人体にどんなリスクがあるか分からんから俺も地球行くのをためらってんだ。
なので生き物を転移させるテストは近いうちにするつもりだが、シルケと地球を行き来させてからでないと人を転移させるなんて無理だ。
毎日10km走れる体力付けろ。
長い回答になってしまったが、セックスの為だけにコッチに来るのはリスクが高過ぎる。せめて神にスキルをもらって、ある程度の敵と戦える力を持たんと話にならんよ。
宿題を《収納》して風呂に行き、マットに横たえ《白昼夢》。この時間ならまだ大丈夫だろう。弥一の部屋に赴くと、野郎出来合いのカツ丼食っていた。米食いてぇ。
バサりと音を立てて回答書を机に乗せると、驚いて落とした箸もそのままに机に向かう弥一。
あの肉うめえ!もっとよこせ!
紙に殴り書きした内容がそれか。飽食時代の日本で、!付ける程美味いそうだ。
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