上 下
944 / 1,519

禁じ手

しおりを挟む


 スキルの無い俺なんて、そこらのおっさんより弱い。鎧が良いので防御力は大したモノだろうが鎧は無事でも中身が折れる。
それでも限界迄使用を減らして女達と相対する。

「先ずは《強化》だけでやってみる。治すのに時間が掛かるから急所攻撃は禁止な?」

「おうよ」「あいよ」

「先に行くよ?」

キキラが前に出て、ワーリンは下がる。
姿勢を少し低くして、左右の拳を顔の横に構えて、正面立ちに構えるのがキキラの基本スタンスか。
俺はと言うと学生の頃選択授業でやったのを必死に思い出しながらの柔道スタイル。正直それ以外は相撲しかした事が無い。

「正面から来るんだね?ならっ!」

 キキラが突撃して来た。空かさず右に跳んで逃げるが、予想通り左腕が飛んで来る。左手で跳ね上げるのが精一杯だ。
跳ね上げた左腕の反動で体を捻り、今度は右手が飛んで来る。動物的な戦闘だ。脚に向けて飛び込んで、両足を掴む事には成功したが、力技で体を捻って仰向けになり外された。
間合いを詰めるが正面には立たない。アリキックされるのがオチだからな。左回りで左腕を狙って脚を伸ばすが、右手の握力だけで体を引っ張り当てられない。
だが焦りは無い。更に追い込み伸び切った足の、左足を両手で掴んで内に捻る。体を捻って外そうとする足を逆に捻り返して腹這いにさせると、右踵を踏み付け左足を開くように押し込んだ。股裂きである。
女の体は柔らかいので痛みを与える効果は差程でも無いが、そこから更に足をねじって動きを止めた。

「ぎゃっ!」

右腿目掛けて拳を振り上げ遠心力で叩く。これが地味に痛い。ワーリンと無言で殴り合ってたキキラでさえも悲鳴を上げた。右手で何とか抵抗しようとしていたキキラだが、二発三発と食らってく内に動きが悪くなって行く。

「キキラ!お前さん!そこまでだよ!」

「うぎぃぃ…」

脱力したキキラを解放し、回復掛けてやる。

「立ち技では不利だから寝かせてもらったよ」

「いだがっだ…」

「後で気持ち良くしてやる」

涙目のキキラが部屋の隅でへたり込むと、次はワーリンの番だ。

「スキル無しでもやるじゃないか」

「《強化》使ってるってば」

「体だけって意味だよ。お前さん飛び道具ばっかりだしねー」

「立ち技苦手なんだよ」

「熊人相手じゃみんなそうだよ。そろそろ行くよ?」

「良いぞ」

ワーリンはキキラよりも低い姿勢でレスリングスタイルのようだ。俺も腰を落とし、脇を締めて前に出した手を開いて掴みのスタイルを取る。

 ワーリンの突進は早い。俺も前に出て掴み合いに行くが、左回りに躱されて視界から消えた。
俺は直様走りだし、部屋の隅を回るようにして踵を返す。しかし既にワーリンは目の前。やれる事は少ない。

パンッ!

敢えて踏み込み、ワーリンの目の前で思い切り掌を合わせた。猫騙しである。
だが勢いは止まらず体で受け止めると、腕をワーリンの脇から入れて背中に回し、ガッチリとロックした。逆閂からの気道圧迫。禁じ手のオンパレードだ。
力を込めて持ち上げるとワーリンの足は地面を蹴れなくなり、動きが止まった。

「どうする?」

「んっ!んうーっ!」

「此処迄な?」

「ん……」

閂を解いてやるとゼイゼイ息をしその場に倒れた。

「そ、そんなにダメージ与えてたの?」

「息出来ないし血が止まるし首を痛めるよ」

キキラの問いに答えながら回復してやった。

「し、死ぬかと思ったぜ…」

「死なさないよこんな良い女」

「んもう…」

「キキラ、四つん這いになれ」

装備を仕舞って全裸になると、キキラの服を《収納》し、股の間にアイツを擦り付ける。

「負けたらこうなる。分かるだろ?」

「旦那以外にゃ負けないから、あはぁっ!」

汗に塗れたキキラの中に、滑りを纏うアイツが突き刺さる。射精する為だけの抽挿で、子種を吐き出しキキラを穢す。ワーリンにも同様に、処理穴として子種を流し込んだ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜

mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!? ※スカトロ表現多数あり ※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉

Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」  華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。  彼女の名はサブリーナ。  エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。  そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。  然もである。  公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。    一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。  趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。  そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。 「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。  ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。  拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。    

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

処理中です...