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ご飯作った
しおりを挟むエージャとカロにタマリーを、福利厚生させて湯から出る。
「あら、まだ明るい。思ったより早かったのでしょうか?」
「じっくり六オコンは頂いておりましたよ?」
カロの問いにエージャが答える。そんなにしてたのか。と言うよりよく時間が分かるな。
「は?なら明けちまったのかい」
「否、風呂の時間をネーヴェが弄ってるんだ」
「な、成程…。流石はネーヴェ様」
「あたし等が来た時、女達がくたばってたのはそれでかい」
「全ての者に情けをお与え下さるカケル様は神様です」
「はっ、節回しで如何様にってか」
同じ呪文でも唱え方次第で効果も消費も変わるって意味だそうな。腹減ったので厨房で干し肉を炙ったり煎り豆を摘んで腹を満たし、島へと帰った。
「お帰りなさいませ、皆さま」「お帰りなさぁい」
テイカとリュネに迎えられ、居間に降りてゆっくりする。また鉄でも練るか。鉄の素材をギューッと圧縮して練り混ぜる。タマリーが興味を持ったようで色々と聞いて来た。
「ウラシュ島で流通させる貨幣の素材を作ってるんだ。ナゲットならともかく粒だと嵩張るからね」
「ノースバーの貨幣を使うのですよね?」
「そうだね。材料くらいは出さないとお金不足になりかねないからな」
「ギルドがあると良いのですが、難しいでしょうね」
「個人でギルド証を持ってる者は居るみたいだけど、島ではギルド証払い出来無いからなぁ」
「ギルドが進出する迄は無駄になっちまうね。所でアッチにゃ狩り草は居るのかい?」
「野獣が少しと、鳥が居る程度だね。ミーネ達が作った森で、その内発生するんじゃないかな」
「気長に待つしか無いようだね」
お喋りしながら鉄を練り終え、銅を練り出した所で昼飯の時間。皆で食堂に赴くと、カラクレナイが可愛いエプロン着けて配膳の手伝いしてた可愛い。
「カケル!ご飯作ったの!」
「そうかそうか。それは楽しみだな」
テーブルに並び始める料理は、どれがカラクレナイが作った物か分からない程ちゃんと出来ていて、迂闊に褒めると怒らすヤツだと感じた。子供達も兎達に抱っこされて降りて来て、一緒に離乳食にありつくようだ。
「一斉に食べさせるのか」
「一気にやった方が手間が無いって、ママが」
「カケルさんは先に召し上がってくださいね」
人数分無いと思ったら、俺と龍と女児の分、九人前だけだったのか。俺の隣を確保して、キラキラした目を向けて来るカラクレナイの期待を裏切る事は出来ん。皆には悪いが先に頂かせてもらおう。
「ねね、おいしい?」
「まだ食べてないけど良い香りだね。どれ作ったんだ?」
「当ててみるの」
ターニングポイントである。失敗したら暫く口を聞いてくれなくなるかも知れない…。目の前に並ぶ料理は焼肉、ソーサー、スープの三点セットに最近流行りの野菜スティック。そして茹でた豆に水。
プレッシャーに押されながらスープを一口。同じくらいの大きさに切り揃えられた具材に、スパイスの利いた塩味が出汁と合わさり普通に美味い。何時もより野菜多めなのはママ上殿の指示か。
「うん…」
ソーサーを千切って口に運ぶ。厚みがあり、ふわっとして、柔らかく、何時ものソーサーだ。リームの機械で量産されてる物だが、「水入れたの」とか「捏ね捏ねしたの」って言われたらどうしようも無い。
「ん、んん…」
ナイフとフォークで肉を切り、かぶり付く。これはトカゲ肉だな。香ばしく焼かれた表面からは塩味とスパイスの香り。人が食べる用にしっかりと火が通っているのは普段通りだが、溢れる肉汁が焼きの上手さを表している。
「ん、んぐ…」
水を一口。まさか水注いだだけで料理したとは言わないだろうが気は抜けぬ。野菜スティックは更に危険。誰が切っても同じ味だからだ。最後に茹で豆を掬って食べる。…柔らかく煮込まれた塩豆だった。
「どう?どうなの?」
どうなんだよ!俺!?
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