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俺だって仲良くしたい
しおりを挟む顔を見て集まる冒険者に職員、そしてゴロツキ。俺は蚊帳の外。三人が階段を上がるのに付いて行くとやはり俺だけ止められた。
「オゲロボロロローッ!!」
ブリュブリブリブリーッ!
男には容赦せん。服を消し、全裸の痴態からゲロと下痢糞を吐き出させ、俺は一瞥もくれずに階段を上った。
「オ前、らんく幾ツダ」
「Bだよ?」
「あら、随分上がったのね。何でそのランクで止められるのかしら?名前くらい知れてると思うのにね」
「職員から嫌われやすいんだよ」
「…仲良くな」
俺だって仲良くしたい。
ジョンの部屋に着き、俺はお役御免となる。
「カケル、今回はマジで助かった。爺さん共は静観しろっつってんけどよ、舐められて負けてられっかよってな!」
「ソノ事ナンダガ、軍ガ勝手ニ壊滅シタヨウダゾ」
「は?」
「魔物ニ襲ワレタラシイ」
「あの様子じゃ、暫くは再編出来ないわね」
「そうだな」
「爺さん共の言う通りってか!クッソ」
「まあまあジョンくん、無駄な争いするより、皆の装備を整えてやるのが良いんじゃないかな?」
「…そうだな」
「それと、皆。あまり魔剣魔装を見せびらかさないようにな?」
「え?」「ああ」「身ニ染ミタゼ」
「皆だから穏便に済ませたが、俺の秘蔵っ子共だったら国を滅ぼしてた所だ」
「軍ヲヤッタノハ、オ前ナノ…カ?」
「まさか。俺肉焼いて食って昼寝してただけだぞ」
「カケル、それトカゲの肉だろ」
「そうだけど、それ関係無くね?下にライガーが集まってたけどさ、そんな都合良く行くか?餌付けも《洗脳》もしてねーぞ?」
「そんな事も出来んのか…」
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「くそう。チケットくれてやる!」
「コレガ、洗脳…」
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「「カケル、遅い」」
「おしごとなの?」
「女と居ましたね…十…十一でしょうか」
リュネの部屋に着くと、お帰りなさいより早く詰問が始まる。宿屋の女、王妃に取り巻き二人、メイド四人に女騎士二人…十人だろ。マリーバとは触れても無いんだが、何故数に入ってんだ?
「ちゃんと仕事だよ。報酬はダンジョンチケットだしな」
「ママママの匂い!ママママ会いたいのー!」
あ、ママ様忘れてた。十一人で合ってた。
遅くなった夕飯を食べ終え、一人風呂に浸かっていると、引戸を開けて誰か入って来た。
「カーケルー」
カラクレナイだ。今日は夜更かしさんだな。それにミーネにリーム、その後ろからリュネも来た。
「話をしたいと思ってたんだ」
「母の匂いを付けて来たと聞いてな」
「人の子、否、主様との交合いは龍にとっては甘露だからな。仕方無かろうよ」
「カケルさんは私のですっ」
「カララもカケル好きーっ」
「カララちゃんも私のですっ」
「私の子だ」
取り敢えず湯に浸かってもらい、ママ様とのやり取りを説明する。そして、ママ様との子を成す許しをもらう。
「…嫌ですぅ、んふあぁ」
「妹よ、諦めろ。強い雄なら子を成して然りであろう」
リュネは俺の上でくねりながらもママ様との子作りは許したくない様子。それをミーネが諌める。
「主様。母は姉を使って妹を処した。それは知っているか?」
「放っといたら死んじゃいそうだったな」
「トカゲにでも出会さねば殺られる事はあるまいが、まあ死ぬ可能性はあったろうな」
「掟とはそう言う物だ。妹を処せる力を持つのが、若い中では私しか居なかったのもある」
「加減されたおかげで凄く痛かったんですよ?」
「痛かったか、よしよし」
「リュネママ、よしよし」
龍の集う集落に部外者を侵入させてしまったのは俺もいかんと思う。卵があるとは限らんが、それを盗まれたりしたら絶対許さないもんな。
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