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鍵の無い扉

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 その日はネーヴェが連れて来たテッチー達と遊び、帰るのを送って行った序にジョンの元へ。

「貴族街?何しに行くんだよ」

「ハークに用があってな」

貴族街への通行証やハーク家へのアポを取って貰いたかったが、まだハーク達は学園で勉学に勤しんでいると言う。

「つー事はシューンシューンズデーゲンでアポを取らにゃならんのか」

「だな。婆ちゃんに言えば許可証くらい書いてくれんだろ」

「それは有難いな」

「その代わりに根掘り葉掘り聞かれそうだがなー」

「だなー」

「カケル様、疚しい事をするのでは無いのでしょう?聞かせたら良いではありませんか」

美人なサブマスが、お茶を淹れながら問うて来る。今回も初めて見る顔だ。

「ん~。ギルマス程度に不用意に話せる内容でも無いしなぁ」

「…聞き捨てなりませんね」

「トリキアよ、まあ待てや。此奴がこう言うって事はだ。俺達が首を突っ込める話じゃあ無ぇって事だ。だよな?」

「だな。言うにしても結界張って、聞いたとしても他言無用で、更に契約してもらわんとな」

「そりゃあ穏やかじゃ無ぇな」

「政治的な話だしな」

「口は鍵の無い扉ですからね。私達は聞かない方が良いのでしょう」

「だな。んじゃ紙持って来てくれ」

取り敢えずハーク邸へのアポは取ってくれるようで、通行証を書いて先触れを出してもらえた。
トカゲの魔石があるので先触れが戻る迄の間に商談等をしていると、ノックと共に職員と、見知ったメイドが現れた。

「カケル様、お久しぶりに御座います」

「久しぶりだなネイファン」

「お話は屋敷にて伺います。外に客車を待たせておりますので、早速」

通行証は必要無くなってしまったが、ジョン達に礼を述べてギルドを出てゾーイ車に乗る。家紋が無く黒くて少し大きい客車だ。

「屋敷迄の間、どうぞお寛ぎ下さいませ」

そう言ってペニスケを外してペロりだすネイファン。そんな事をしたらカチカチのアイツが緊張してビクビクしてしまうじゃないか。力を抜き、目を瞑り、ネイファンの奉仕を堪能した。

「残念です…。到着してしまいました」

「後でな」

 ギルドからハーク邸迄、そんなに離れてる訳で無し。ピュッピュ出来ずに終わってしまうのは仕方の無い事だろう。ペニスケを装着して玄関に向かうとメイド達が出迎えてくれた。

「「「いらっしゃいませ、カケル様」」」

「急な来訪で申し訳無い」

ささどうぞっと誘われて、連れられたのは浴室だ。ハークんちの風呂は浅いんだよなぁ。裸にひん剥かれてお湯を掛けられた俺が浅い浴槽に仰向けになると、後頭部には柔らかい何かが当たり、まるで枕のようだ。そしてアイツに群がるメイド達がしゃぶしゃぶレロレロ饗してくれた。

「…して、カケル様。此度は当家にどのようなご要件で?」

耳元で話し掛けられてゾクリとした。枕になってたおっぱいはネイファンだったか。

「ん?ああ。お前達の味が忘れられなくなってな。序にこの国の貨幣を俺の国でも使えるようにしよう…って話をしに来たんだ」

「転移門の先の、ですか?」

「そうだ。黒糖や干し野菜が行商に来てるだろ?今は俺達がその売上で品物を買って現物支給にしてるんだが、生活に余裕が出て来たみたいでな。信用のある貨幣で蓄財したいんだと」

「カケル様のお国は貨幣に信用が無いと?」

「貨幣自体が無い。ウラシュ島は国が亡くなってるからな。それに、貨幣は少しばかり残っているが、地金代にしかならんのだよ」

「成程…。メイドには余る話です。急ぎブルラン様にお繋ぎ致しましょう」

「急がなくて良いぞ。ハークが継いでからの話だしな」

メイド達とイチャコラし、たっぷり以て成し饗され、夕方になって帰宅した。

「お帰りなさいませ。暗部ですか?メイドですか?」

「両方だな」

職業まで分かるようになったのかテイカよ…。しっかり口封じして食堂へ移動した。

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