上 下
833 / 1,519

お肉食べたい

しおりを挟む


 話し合った結果、実力は五十九階、稼ぐなら五十階のボス迄と言う事になった。その先に行けない事も無いが、帰りもあるから余力は残したいと言う。

「カケル様。魔装、要ります?」

闇商人ミルカの要ります?は買って?と変換して良いだろう。売れない物を押し付けるつもりだな。

「俺は売る程あるからソイツは皆で使いなされ」

渋い顔のミルカを押して、帰りは早足で帰る。後半戦は俺も手伝い、つまらない殺し方で安全に戻って来たよ。

「カケル様ならこの中に永住出来るね」

「飯が無いだろ。果物と樹液だけだと飽きちゃうしな」

「お肉食べたい!」

スールズはすっかりお肉欠乏症になってしまった。吊り橋は無いので浮かせて飛んで部屋に入り、薄焼き肉の準備をしてやった。

「んま…んま…」

「お代わりもあるぞ。ゆっくり食え」

「スーじゃねえけど、コレ美味いな」

「初めて食べるかも?」

「これ、もしかしてドラゴンかしら?」

「よく分かったな」

薄焼き肉がトカゲだと気付いたミニッツは小さい頃に一度だけ食べた事があるのだそうだ。ドラゴンの肉と聞いて肉食共のペースが上がる。ゆっくり食えってのに…。
鱈腹食って、湯に浸かり、エステでスッキリした女達と一汗かいて朝?になる。一の鐘には間に合わせたいそうなので食事は抜きで支度すると、テーブルに沢山の果物が盛られていた。安全に寝られてサービス満点、更にお土産までくれるのか。《収納》したりマジックバッグに詰め込んだりしてチェックアウトした。


 ダンジョンから外に出ると、丁度一の鐘が鳴り出した所だった。時計管理も完璧か。流石ホテルオナホ。

「カケル様、一度宿に戻って分配するから一緒に来ておくれ」

「俺は要らないけど?果物も貰ったしな」

「これからソイツも食べるんだよ?…分かるだろう?」

ヤーンは交渉上手だな。受付で延滞金を払ったら、寄り道しないで三本槍の宿へと向かう。寄り道も何も、やってる店無いしな。
宿に着くと、ガチャガチャと鎧を鳴らして出かけて行く早起きの冒険者が結構居て、女冒険者は十本槍の面々に会釈等して通り過ぎる。偶々だろうが女率高いな。

「カケル様?浮気ですか?」

にっこり笑顔のカリータが、俺の腕に絡み付いて当てて来る。これは、マーキングだな。

「時間があるならな。…と言うか女冒険者多くないか?」

「シェアして泊まると格安ですからね。男達よりキレイに使うから、店主にとっても有難いみたいですよ?」

多分だが、一泊当たりで世界一汚してそうなのはきっと俺だろう。《洗浄》が無かったら出禁待った無しだろうし。部屋に通され、早速カリータの鎧を《収納》した。

「あ、カケル様っ分配するからっ」

「挿れながらでも出来るだろ」

「ええ…んん…」

ベッドに座り、その上にカリータを座らせる。皆、仕方無いって顔で戦利品を床に転がして行く。カリータもだ。

「きっ、昨日、あんなにしたのに…っ」

「嫌なら変わるぞ?」

「ダメっ、ちゃんとして下さぁいっ」

よしよし、ちゃんとシてやろう。

 カテゴリ別に選別されて分配が始まる。自分が欲しい物を選び、被ったら折半。皆が同じくらいの価値分確保したら、残ったら金にして補填なり均等割にするそうだ。魔装は着けないと効果が分からないので皆遠慮がちだったが、アクセサリーは話が別。全て鑑定師に頼むそうだ。素材はサンティが少し手を出し、後はお金にするみたい。武器は短剣やナイフを確保する者が殆どだったが、魔剣は鑑定には出さないと言う。鑑定料まで払って貴族に奪われたら目も当てられんな。

垂れないように中に出し、次はサスーン。失った中剣と予備の鎧を新調出来てホクホク顔で跨って来た。

「上着も脱げよ。俺はお前のおっぱいも大好きなんだ」

「ああ、脱がしておくれ。何でも言う事聞くからさ」

「何でもなんて言うなよ」

鎧を《収納》し顕になったおっぱいに吸い付く。

「何でもだよ。旦那が言うなら風呂屋に落ちても良い」

するかよ勿体無い。サスーンは俺のだ。





しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

処理中です...