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練習
しおりを挟む産み落とされた子鹿な俺でも浮いて移動すれば島に帰って朝食にありつけるのだが、でろ~んしたアイツを仕舞わなければ恥ずかしくて帰る事等出来はしない。
確か、押し込んで力を込めるんだったよな。ボッチになった巣の中で、アイツを仕舞う練習をする。アイツの根元を中にめり込ませるように押し込んで、尻穴をキュッと締める。…おお、この感覚か。キュッ、キュッ、キューッとしてる内に少しずつアイツが収まって行く。一回で全て収まるように、でろ~んさせては仕舞うのを繰り返し、シュルンと全て収まるようになるのに一オコン程要した。
「これ、勃起したらちゃんと仕舞われるのだろうか…」
試したいけど辞めておくか。勃ちっ放しになっちゃったらペニスケ用意しなきゃならんし、性欲を発散させる相手が居な…くは無いが、リュネに怒られそうだ。
腹も減ってないし、一々島を往復するのも時間の無駄なので昼過ぎ迄ブレスの練習しようかな。全身に回復を掛けて外に出る。ネーヴェが帰る間際に作っておいてくれた円柱状の結界が海の中に薄らと光を反射し生えている。直径は三百ハーン程だろうか。意外に大きいかと思うが、空に上がって見下ろすと、高度を増す毎に狙いが難しくなって行く。千ハーンも上がると粗点だ。実際の目標は長さで五十ハーンそこらなので、これを余裕で当てられないと敵に対して有効な被害を与えられないと言う事になる。
先ずは試しに千ハーンの位置から、鼻っ面を照準にして威力を弱めた小さい弾をペッと吐き出す。風で曲がって目標を外した。ズレた分だけ曲げて放つ…。今度はギリギリ目標の端に着弾した。中々ど真ん中に当てるのは難しいな。
弾を多くすると散弾となって広範囲に落ちて行く。表面を焼く程度ならこれでも良さそうだが、目標は地下なので単発で撃つのが良いだろう。
ペッペペッペと吐き出して、命中精度は六割程度。これだけ撃てばあの辺に居る敵は殲滅している事だろう。全然スマートじゃ無い。そしてブレスでも無い。
スキルでの命中補正を試してみる。石を投げる時に手から石を逃がすのと同じ理屈で吐き出すと、一撃で的のど真ん中を撃ち抜いた。速度も此方の方が断然早い。威力を抑えていても速さがあるので水柱も高めだった。スキルに頼り過ぎな感じもするが、失敗するよりは全然良い。最後にしっかりと魔力を練り込んだ弾を吐き出すと、ドバンと言う轟音と共に海水が水蒸気爆発を起こして熱と衝撃波が発生した。ネーヴェの作った結界は壊れなかったが衝撃波で波が出た。津波は多分、大丈夫だと思う。
島に帰り、遅めの朝食。食べないならその都度言わないと勿体無いので、作ってもらった物は全部食べたよ。
そして食べたら出す。出すとでろ~んってなる。でろ~んってなると兎達が集まって、ぺたぺたぺろぺろし始めて仕舞えなくなる。俺は巣の前で野生を捨てた姿になって兎達の好きにさせた。
「カーケルー」「だーんなさまー」
暇を持て余してまったりぺろぺろされていると、イゼッタにサミイ、他にもゾロゾロやって来た。腕に赤ちゃんを抱いてお散歩らしい。
「近くに寄っても大丈夫か?魔力、漏れてたら直ぐ教えてくれ」
「大丈夫ですよ。漏れてはおりません」
「ん、だいじょぶ」
魔力が見える二人が言うのなら大丈夫だろう。それよりも、赤ちゃんに泣かれたら俺も泣いちゃう。
「あー」「ぁばぁー」「きゃいー」
仰向けの横っ腹に寄って来ると、赤ちゃん達にぺたぺたさせてキャッキャさせてるようだ。触られてる感覚は無いのだが、怖がられては無さそうなのでそっと息を吐いた。
夕飯食べて、食後のお茶を皆が飲んでるのを居間の外で見てる俺に、ネーヴェが乗って来た。子供が真似るからダメだよ?
「カケル、孕んだ」
「え?」
「孕んだ」
孕んだ?
「マジでか!?リュネ、ミーネ、リーム。お前達はどうだ?」
「我はまだ兆候は来ておらんな」
「私もだ」
「必ず孕みます」
まさかネーヴェが一番に孕むとはな…。
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