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お前、何言ってんだ?

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 並べられた料理は美味かった。接客態度とスタッフの増員をすればより良くなるだろうな。チェーン店化すればどうか、とも思う。

「ふ~、食った食った。この後はどうする?愛しのハーク様にでも顔出し行くか?」

「学業の邪魔になるだろ。後、愛しのっては同性には使わない」

「ならんならん。一度顔出しさせられたが、殆ど自己学習だぞアソコ」

「ジョンくんの顔パスで入れるなら行っても良いが、ダメなら帰るぞ」

「なら決まりだな」

「夕飯までには街に帰るからな」


 ジョンに連れられ、美味しい匂いのする方へ付いてくと、高い壁に囲まれた如何にも金持ち学校な門に着いた。門は閉まって衛兵立ってる。

「クリューエルシュタルト冒険者ギルドマスターのジョンだ。用は無いが遊びに来た」

「は?確かにジョン様ですが、遊びに?」

衛兵も、ジョンの顔は知ってるようだが遊びに来たと聞いて頭に?が浮かんでる。

「狩りの序に寄ったら婆ちゃんに顔出せって言われてな」

嘘乙。だが婆ちゃんの言葉と聞いて衛兵も納得しちゃったようだ。マッチョな俺をもスルーして中に入れちゃう笊警備であった。

「あんな警備で大丈夫か?」

「俺だから入れたんだ。お前一人じゃこうはならんぞ?」

「俺は忍び込めるし…」「忍び込むな」

石畳の道を少し歩いて学舎と思しき建物に辿り着く。魔法学校の映画とかで見た、ファンタジックな学校だな。趣きがあってとても見栄えがする。

「ほう、これは…。ゲル版に何か…、破壊耐性でしょうか、付与が掛けられていますね。魔法を扱う学校ならではの特徴を感じます。そして落ち着いた色調の壁からは圧倒的な重厚感。細かく彫り込まれた草木の紋様は重くなり過ぎる重厚感を優しく包み込むかの様に配置され、造り手の意識の高さが見て取れます」

「お前、何言ってんだ?唯の学校だろ」

「外観だけでそこまでお褒め頂くとは、中々に博識なお方のようですな。それを唯の学校とは…ジョン様…」

感動を言葉に乗せていると、中からローブのおじさんが出て来た。ジョンを睨め付け何時でも説教出来そうだ。

「久しぶりだな。此奴はカケルだ」

「魔力だけは馬鹿みたいに多い冒険者カケルだ」

「大きく出たが、さっきよりマシか」

「確かに、抑えておりますね。漏れてますが」

「これでも精一杯なんだ。気を抜くと人が死ぬ程度に出てしまう」

「嘘付け」

「マジだって。結界張ってもらわんと赤ちゃんとかヤバいんだよ」

「お前、子供居たのか…」

「ささ、カケル殿。こんな所で立ち話は無粋と言う物。中をご覧になってくださいな」

ジョンは無視らしい。この学園の校長だと言うプェルメーリさんの後に続き、建屋の施行法や材料、掛けられている付与の説明を聞いて教室や訓練所を見て回った。

「拘り抜いて造られているのは門扉から見ておりましたが此処まで付与を掛けておられるとは想像を遥かに超えて言葉に出来ません」

「喋ってんじゃねーか」

「カケル殿は良い目をお持ちで。何処かで修練なされたとか?」

「これはスキルの副反応でして、修練等とは。唯、建物は好きで、良い物はつい見てしまいます」

「良い嗜好をお持ちですな」

校長はホクホク顔だ。そんな感じで回って居ると、当然生徒らしき子供や教員っぽい大人に見られる訳で、大人達は校長に気に入られてる俺に、子供達はAランクでギルマスのジョンに目が行ってる。ヒソヒソざわざわ、ジョン様ジョン様。偶に誰アイツ。そんな中…。

「カーケーーール?」「カケル様ぁーーーーーっ!」

二人が飛んで来て、内一人が突進した。ダメージは無い。

「お会いしとーございましたーー!」

顔をスリスリ、マーキングするのはアルアである。撫で撫でしたいが此処は我慢だ。そして途中で止まったのはハーク。マッチョな俺を訝しんでる。

「カケルなの?」

「お兄様は馬鹿ですか?」

誰何する天才兄を、天才妹が馬鹿にする。
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