731 / 1,519
これが俺か…
しおりを挟む「リュネ、食料はあるか?」
どれだけ使ったかは分からんが、あの放出量は俺が買って来た量では絶対足りない気がする。
「お肉は問題ありませんが、野菜等は買い足さなければいけませんねぇ」
「皆に買い付けしといてもらうかね」
「では、連絡もあるので巣の前で待っていてください」
報連相で、家に戻って行ったリュネ。俺は片手でアイツを掴み、もう片方で尻尾を抱えて巣の前へ。《洗浄》したのでもう地面に着けたくないのに、女児が触らしてーって来る。仕方無く石畳の地べたにでろ~んすると、抱き着く女児達に、再び寄って来る大人兎達。俺のアイツは味でもするのか?脱力して暫し待つ。
龍化して、間を空けずに人化するのをネーヴェがごねる。
「背中のらして」
「好きなだけ乗れ」
「「「わたしも~」」」
女児達もか、落ちないようにな。俺は風魔法で守る事が出来無いので、飛んで遊ばせるのは無理だ。ちんぽでろ~んしてるしな。腹這いになってじっとしてると、ネーヴェが乗ったと言う。乗ってる感覚は無いのだが、首をもたげて四人乗ってるのを確認した。
「カケル、飛べる?」
イゼッタだ。何処に居るんだ?
「イゼッタ、何処だ?」
「頭の上」
「危なくないか?」
「角掴んでるからへーき」
角生えてるのか…。誰も俺の容姿について凄いってしか教えてくれないのですげー気になる。切実に鏡が欲しい。
金属を磨いて作れると思う。手持ちは鉄と銅とミスリルがあるが、鉄で作るのが見え方としても良いだろう。《収納》から鉄塊を取り出して《伸縮》で薄く伸ばす。が、艶が無い。《集結》で挟むように圧して失敗。艶の無いまま圧された。
「主様、焼き鍋でも作っているのか?」
「鏡作ってんだ」
「成程。ならば真っ二つに切れば良かろう」
「その手があったか」
薄い面と平行に、半分程《収納》すると、ツルッとした面になった。これをネーヴェにとぅるっとぅるにしてもらい、ちょっと黒い鏡となった。鉄はクロガネだから仕方無し。
「お、おお…。こぇぇ…」
浮かせた鏡が顔を映す。金色の隈取のある紫色の龍が此方を見ていた。鏡のせいで黒味を増して余計怖く見えるぜ。これが俺か…。
「恐怖耐性は付いてるんだが…、これは怖いな。お前等怖くないの?」
「カケルだもん」「「「カケルさまだから」」」
そりゃそうだな。俺じゃなければチビっちまうぜ。
「龍にしては中々尖った姿をしているな」
「主様は魔力が高い。雌にモテそうだ」
「カケルさぁん、だぁ~い好き」
龍的にはイケメンらしい。殆ど魔力のおかげだろうがな。イゼッタが掴んでる角はと言うと、頭に髪の毛かって程、とにかくすげー数生えてて、スーパー戦闘民族みたいだ。イゼッタは角と角の隙間に挟まってる感じ。
体を見ると、翼は一対。これは普通だな。首全体と、肩から肘、腰から膝、尻尾の付け根から中程に掛けて鎧状の大きい鱗が並んでギザギザしてる。ミーネの言う通り、尖った姿だなコレは。
何時も食べてる一般的なトカゲと比較すると、角は一対で二本。後頭部から尻尾に掛けて大きい鱗が並び、その他の鱗は凄く小さい。
此処に居る龍でゴツいリームは大きい鱗は首から腰に掛けてだし、角の多いリュネは左右五対。それを鑑みるとミーネはシンプルだし、カラクレナイもシンプルだ。ネーヴェは龍の姿を見た事無いけど、原種の一つであるクリスタルドラゴンだそうなので、クリスタルな角が一対。
やっと俺の姿に慣れて来た。外出ちゃダメなヤツだ。ゆっくり空に上がって島を一周しただけで戻って来たよ。鏡は女達が欲しいと言うので姿見とか手鏡サイズに切られてた。
昼食を食べる皆を見ながら、俺は食堂の端でカラクレナイ達の背凭れになる。燃費が良いのか腹が減らないのだ。あれば食うって感じだけど今は良いかな。各地の龍が巨大カラクレナイみたいに毎日トカゲを食ってたら獲物なんて絶滅してしまうだろう。毎日何度も食事をするのは子供の時くらいのモノなんだってさ。
0
お気に入りに追加
133
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる