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産前産後のケア

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 興味津々の婆ちゃん達にコイツの事を紹介する。

「これは浄化の属性魔石だよ。産室に置いて産後の病気を抑えたり、まあ色々使える魔石さ。シャリー、すまんが妊婦の客室と主寝室に四つずつ置いて来てくれ」

「分かりました。奥様、少し離れますね」

「ん~」

「良いねえ~、それがあれば死ぬ女や赤子が減るんだね…」

「嫌な言い方するなよ。四つだけだぞ?」

仕方無いから使い方を教えて四つあげたよ。ホクホク顔の婆ちゃんは手伝い達を連れて下がって行った。俺も作業を続けよう。婆ちゃん達が作った昼飯を食べて夕方まで作業をし、五百個くらいは作った筈だ。

 夕飯は俺が獲って来た魚が塩焼きにされて供された。海のある街では比較的食卓に上がるようで、産婆さん達や地もピーのサミイ、テイカ。そしてカロもキレイに骨を外して食べていた。イゼッタとリアはメイドに骨取りされて食べてたよ。因みにネーヴェは頭からバリバリ。残さず食べて偉いぞ。そう言えば、小魚食べるの初めてか?

「たまには魚も良い」

「家ではたまに出てますよ」

「頭のある魚が食卓に上がったのは初めてですね。何だか新鮮です」

「当家でも切り身にされておりますので、実は初めてです」

「貴族の家は尾頭付きの魚は出ないのか」

「王家では大きな魚を切り身にしている」

  「小魚は用意しませんし、小骨でも刺さろうものなら不敬罪ですよ」
「成程な。しっかり噛んでお食べ」

作った家政婦達は恐々としているが、作った者には罪は無いから安心しろ。王家より怖い龍なんて、頭からバリバリやってるからな。


 産婆さん達が帰り、今日も入浴。今夜はネーヴェが居るから全員で入る。ボテ腹を湯に浸ける四人にマッサージを施す。主に腰。おっぱいはおまけだ。《威圧》のブルブルが良い仕事をする。

「ああああああああああぁぁぁ…」

「んぎもぢい~ですうう~」

四人共、結構体に負担が掛かってたみたいだ。特に、小さい二人。シルケでは産前産後のケアが無いと言うのでママ上殿やタマリーにもケアしなくてはならない事が分かった。
反り過ぎてる姿勢を入念に正して筋肉を解し、しっかり温めて湯から上げる。妊婦達を各部屋に送り届け、俺は再びクリスタルモドキで属性魔石を包む作業をした。

「皆、明日はママ上殿とタマリーの所へ行ってマッサージして来る。早く戻るつもりだが留守を頼むよ」

客間にて、お茶を飲みつつメイドとテイカに明日の予定を告げる。ネーヴェは俺の膝で寝てるぜ。

「マッサージですか」

セルフおっぱいマッサージを見せ付けて来るテイカだが、そうじゃないのだ。

「さっき風呂場で聞いた通り、こっちでは産前産後のケアがされてないみたいだからな。歪んだ体のままでは体を悪くしてしまう。だから骨を正しい位置に戻すんだ」

「産婆には暫くは寝て過ごすと聞いたが、それがケアにはならんのか?」

「ケアの一つではある。だが寝てるだけだと正しい姿勢には戻りづらいのさ。知識が無いのだから仕方無いけどな」

  「コルセット等は良さそうですね」
「ボディスーツの方が良いかもな。でもそんなの用意出来るのは貴族の一部だけだろう」

  「確かに」
「そもそも風呂も無いし、公共浴場にも行き辛いだろうしな」

女達六人が交代で見守り、俺とネーヴェは寝かせてもらった。


 翌日は早朝から産婆さん達がやって来て、今日から寝泊まりしての見守りとなる。平民の所だと破水したらダッシュで呼びに行くのだが、此処は貴族なので寝泊まりさせて見守るんだと。食べ易く一口大に刻まれた焼肉とソーサーを頂いて、お茶飲んで食休みしたらネーヴェと共に、先ずはママ上殿の寝具店へと向かった。

「カケル様、ネーヴェ様もいらっしゃいませ」

親父殿にも挨拶し、出迎えたエージャとママ上殿の部屋に向かう。

「あら、カケル様。もうちょっとだけお待ちくださいね」

ママ上殿がベッドの上で、メッツ君にご飯あげてた。




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