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育児休暇
しおりを挟む「カケル、入らないの?」
「サリアス、サル…はダメ。サロメ、さわ、さわ…」
「旦那さま?」
声に反応出来ない程考えてしまっていたようだ。
「え?ああすまん。考え事してた」
「口に出しておいででしたよ」
「ずっとやっていたのか」
「カケル、お風呂入ろ?」
「そうだな」
一先ず休憩。鎧を《収納》したら掛け湯して湯に浸かろうとして、
「カーケルー…はむっ」
「あ、わたしも~あーん」
膝立ち状態の俺にパク付いて来た。体を浮かせるので疲れはしないが、掛け湯で濡れた体から体温が奪われて行く…。
「寒いから体を浸けるまで待ってくれ」
「ん~」
「カケル様、此方へどうぞ」
リアのたわわが浮かんでる。枕にしてくれるならば断る理由が無い。ぱふぱふされて抱き着かれた。
「カケル様、私、こんなにも幸せな出産が出来るとは夢にも思いませんでした。愛する殿方と結ばれる。愛を育み、そしてもう間を置かず子を成す事が出来ます。カケル様に感謝を…」
微笑んで、流れた涙が落ちて来る。
「んちゅ、私も。カケルと会えて、赤ちゃん出来る。嬉しい…れろ、ちゅうー」
「んはぁ、わたしは夢が叶いました!」
「夢?」
「わたし、ママみたいに冒険者になりたかったんですよ。けど力も無くて諦めて、布団屋の娘で一生終わるのかなーって。けど、旦那さまに見初めてもらいました。いろんな所に行けて、空まで飛べて、ドラゴンにも会えました。もうそこらの冒険者以上ですよ!」
「幸せでくれたら何よりだ」
「産んだらまた、お空でいっぱい、シてくださいねっ」
「いひゅろまに」「私も二人きりで致したいです」
「我々も!」
「そうだな。落ち着いたらまたしような」
しっかり体を温めて、先ずは六人が湯上り。客室へと連れて行き、次はカロとアルネスにシャリーとテイカの四人。二手に別れたのは全員裸だといざと言う時対応が取りにくいからだ。此方もしっかり温めた。
「カケル様、寝室は空いている方の客室をお使いください」
カロをベッドに安置すると、アルネスが寝所を指定する。カロは置いてけぼりを食らった犬みたいな顔しているが、明後日迄はアルネス達が交代で見守る事になっている。
「お嬢様、姫様達も同じですよ?それともお子様にカケル様の子種をぶっ掛けますか?」
「あう…」
「俺も我が子にぶっ掛ける趣味は無いなぁ。あ、そうだ。タマリーは孕んでるか?」
俺がこの街で孕ませた女は他にも居るのだ。カロ達なら知ってる筈だ。
「タマリー様ですね。既にお産まれになりましたよ。十五日程前でしょうか」
「今は育児休暇として、ギルドは休ませております」
なんと既に産まれてしまったそうだ。産休はあるとは思っていたが、育児休暇もあるのか…と思ったら、この制度、俺がギルマスを懲らしめた後に作られた制度だそうで、初めて利用したのがタマリーなのだと。これをテストケースとして、他の街の各ギルドにも浸透させて行きたいのだとか。
「マジかよ。連絡して欲しかったぜ…」
「私もそう言ったのですが、妾でも無いのに父親面させたくないと」
「正妻より先に産まれたとなると心境は複雑でしょうから…」
「う、イゼッタ様のお子が出て来るまで、頑張って耐えてね。出来れば姫様の後まで…」
「こらこら無理言うな。我慢しないでスポンと出せよ?」
「善処します…」
お休みのキスをして今度は妊婦の居る客間。こっちは一番に産みたいイゼッタが息んでたのを落ち着かせ、おっぱいのマッサージをして寝所に戻った。
「皆さんおっぱいが大きくなっていましたね」
寝所のマットに横たわると、テイカが傍に寝そべった。
「張りが出て来ていたな。乳腺が発達してるのだろう」
「ニュウセン、ですか」
「お乳が作られる所だよ」
「乳首から出るのでは?」
「乳腺から乳首を伝って出て来るのさ」
「私にもあるのでしょうか…」
「その内出せるようにしてやろう。それ迄はお前のおっぱいは俺のモンだ」
「あたしの全てはカケル様の物です。子供には貸すだけです」
…なんて言ってるが、子供が出来たらきっと変わるぞ?
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