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時差
しおりを挟む目が覚めて、ワーリンのおっぱいが枕なのに気付く。背中にはアズが、股間にはシトンがアイツを握って眠ってた。確か、ブチ姉妹が乱入した後、皆を集中させる為に激しく致したんだった。集中出来たかどうかは分からんがな。
朝食を摂って、冒険者組は仕事に行く。俺も島に帰ろう。家事の邪魔しちゃ悪いしな。一声掛けて島に着くと、部屋に居たリュネを起こしてしまった。冒険者の朝は早いから、島とは少し時間差があるのだ。
「起こしちゃったか」
「おはようございますぅ…」
再び寝息を立て始めるリュネであった。一撫でして階下に降りると寝巻き姿のテイカが迎えてくれたが、テイカがまだその姿と言う事は殆どの者が寝てるって事だよな。
飯は食って来たので暇な俺はウラシュ島の街に向かう。バジャイの様子も見たいし、ミズゲル集めときたいからな。だが街に着き、外に出たらまだ日も出てなかった。ああ、時差か。タイムトラベラーにでもなった気分だぜ。
テトラに乗って、まだ暗い海を覗き見るが、当たり前だが暗くて見えない。かと言って迂闊に光の棒で照らしたりしたらデカい魚等が来て危ないので何かスキルを探す。
が、《強化》で事足りた。ミズゲルはあれでも魔物なので《強化》した魔力視で形が分かるのだ。《感知》でもいけると思う。まあ見えればどっちでも良い。
ミズゲルの群は相変わらずたっぷりと漂っていて、今回も大漁が期待出来る。浮かせて核を抜いて《集結》を数回繰り返し、体感二千個程採集出来た。ミズゲルの身の方もゲル版やクリスタルモドキを作るのに必要なので大事に取っておく。
「カケルさまあ?」
「バジャイか、早起きだな」
「おしっこ」
トイレでしろよ。バジャイが居るのは壁の上。今そこから垂れるとテトラに乗ってる俺に引っ掛かるのだが?尻を突き出し容赦無く放出される小便を華麗に躱し、至近距離で見てやった。
「ん、んん…」
おしっこだけじゃ無かったようだ。貴重なバジャイの排泄シーンを拝む事が出来たが、やはりトイレでして欲しい。尻と地面を《洗浄》したら、朝までバジャイの巣でイチャイチャ過ごした。
「主様、此方に居たのか」「カケル様?」
朝の収穫と販売業務の為だろう、リームとシャリーがやって来た。寝惚けてるバジャイを抱えて二人の所に向かう。
「おはよう。今朝は早起きだったんでミズゲルを狩りに来てたんだ。二人はもう、朝食食べたのか?」
「否、まだだ」「この時間に持って行かないとクリューエルシュタルトでは間に合わないので」
「ん?乾物だろ?」
「事後報告になりますが生鮮も少しだけ卸す事になったのです。葉物は加工してませんでしたからね」
「そうか。葉物は余らせてたみたいだし、よくやった」
「売上を還元出来ないので少し困り物なんですけどね」
「仕方無いさ。家での食費にでも充ててくれ」
街の外の畑に着くと、リームが野良仕事で集めた新鮮野菜をシャリーが箱に入れる。そして魔力と水を掛けると植わってた野菜が朽ちて、再び生えて来る。暗いし遠くまで見えないが、魔力の乏しいリームでさえ、これだけの事が出来るのだ。龍とは常に、良き関係でありたいものだ。
「何時見てもとんでもないな」
「主様だってこれくらいは出来ると思うが?」
「規模が小さければな。この広さをあんな時間でこなすのは流石に無理だよ」
「煽てても何も出んぞ?」
「褒美に背中に乗ってやろうか?」
「え、そんな急に…けど…うふふ」
バジャイとシャリーを家の前に届けたら、リームと二人、空に上がる。
「少し離れるのだ」
光と共に現れたリムドラは、デカい。リュネやミーネ、先日会った青い母龍よりもデカい。リームがモテないのは魔力が少ないからじゃ無いのでは?だって、雄龍小さ過ぎて交尾出来るか分からんぞ?
ゆっくり飛んでいるように見えてかなりの速度が出ているせいで、直ぐに島に着いちゃって、リームは後悔していたよ。
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