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ペッティング

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「バジャイー、ただいまー、バジャーイ」

島に戻り、夕飯に連れて行くためバジャイを呼ぶが、不貞寝して巣から出て来ない。

「ご飯食べてないじゃないか。寂しかったのか?」

「…ぁぃ」

「お腹空いたろ?ご飯食べに行くぞ」

「…ぁぃ」

抱き着いて撫で回し、揉み回す。機嫌が直るまでペッティングしてうにゃ~んって言わせた。

「飯に行くぞ?」

「あい~」

抱き着いて絡み付くバジャイと共に対岸の広場に飛ぶと、皆既にもりもり食って盛り上がっていた。俺達も端に陣取り飯にありつく。

「ねえねえ、カケル様。聞いたんだけどさ」

奥さんの一人がお供えを持って話し掛けて来た。有難く頂こう。

「あっちの島に、お風呂があるって聞いたんだけどさ、ホントかい?」

「あるぞ」

「ホントなんだね!?良かったらさぁ、私達にも使わせておくれよぉ」

「構わないけど、今こっちにも作ってるんだ。帰宅希望者を帰し終えたら手を付ける予定だよ」

「そうかい?出来るだけ早く終わると良いねぇ…」

「まあ、今日明日には無理だから、明日島に来られるようにするよ。それで良いなら皆にも伝えておいてくれ」

「明日だね?任しときな」

嬉しそうに女の輪の中に消えて行く奥さん。こっちの風呂も早く作ってやらんとな。

 飯を食い、島に帰って湯に浸かり、湯上りの女達に冷やし豆乳を振る舞いながら作業を頼む。魔道具の組み立てだ。
大きいお椀に五百個程の核を入れ、《集結》しながら掻き混ぜて、更に魔力を込めて行く。出来上がった光る砂粒を四つのお椀に分けて、リームには光と水と火を、ネーヴェには浄化を付与してもらった。

「これが属性魔石だ」

「この砂粒みたいのがかい?」

「そうだ。でだ」

二十ドン程の長さの雑木の棒を二百本出す。先っちょに、ナイフで浅く切込みを入れておく。

「この棒の先っちょに、砂粒一つを押し付ける」

指先に乗せた一粒を切込みの隙間に押し込んで一つ完成。

「これで光の棒が完成だ。魔力を通すと光ったり消えたりする。魔法が使えなくても使えるぞ。皆、試しに光の棒を作って使ってみろ。刃物を使うから怪我に注意なー」

皆が皆、同じように器用では無い。刃物が苦手な者は得意な者にお願いし、お願いされた側は代わりに組み立てを頼む。子供達はお味噌なので組立側だ。自然と分業が出来て、皆光らせて感動してる。

「水の属性魔石も同じ作り方だ。此処で使うと水浸しになるから、試すなら外か風呂場でやってくれ。次に火だ」

鉄板を取り出し、三点に火の魔石を埋め込み、固める。

「これは俺やリーム達にしか出来ないから、埋め込みだけしてくれ。使う粒は三粒、出来るだけ同じ位置に埋め込んでくれ。あと重いから注意だ」

最後に作るのは、楕円形をした石造りの箱で、大きさは五十高さ×四十×六十長さ。蓋は縦に長い穴の空いた外蓋と、その穴を塞ぐ内蓋を作った。
内蓋を開けて座ってみる。俺のアイツが大きくはみ出しているので俺には使えないが、他の人なら大丈夫だろう。魔石は内蓋にしようと思ったが、容器の底、真ん中に仕込む事にした。浄化の属性魔石を埋め込んで完成だ。

「トイレだ。重いぞ?」

「重いと捨てに行くのが大変だぁ」

試しに練り練りした雑木と水を入れて魔力を流すと、青い光を放って一瞬の内に中身が消えた。

「なあ、ネーヴェよ。浄化の光って人が浴びても大丈夫か?」

「だいじょぶ、問題ない」

試すしかないか…。再び容器に中身を入れ、下半身を曝け出す。

「カケルさまー、ちんちんはみ出してるよ?おしっこできないね!」

「これは俺用じゃないからねー。岩壁に住む人用だから小さめなんだ」

子供は無邪気に見詰めてる。大人はねっとり見詰めてる。

尻に練った雑木を塗り付けて、魔力を小指の爪の垢程度に流す…。大丈夫?俺溶けてない?中身も、塗り付けた練り物も消えていた。成功のようだ…。

「バジャイ、してみるか?」

「やだー」

やだってさ。

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