上 下
565 / 1,519

泥水しか出せなそう

しおりを挟む


 ネーヴェと繋がったまま湯から出て、新たに生やした剛直をリームの目の前に晒し出す。

「後ろからが好きだろ?」

「主様のが好きだ」

立ち上がり、背を向けて、尻を突き出すリームの中心に、前戯も無く俺のアイツが突き立てられる。背中にネーヴェを乗せて二人同時に突いてやると、広い浴室に二人のコーラスが響き渡った。
リームの慎ましいおっぱいを揉みながら、ネーヴェの慎ましいおっぱいを吸い舐り、すっかり夕飯の時間を過ぎてしまった。


「んまんまー」

「焼肉だけですまんな」

俺が焼いた薄焼肉が、ネーヴェの口に入ってく。幸せそうな顔で俺を餓死させるつもりだな、恐ろしい龍め。リームがくれる焼肉は、レア度が高くて俺では食べられないよ…。そして焼き直すとネーヴェの口に入る悪循環となる。

「肉がすべて」

「龍は肉しか食わんモノだ。人化してからだぞ、こんなに食すのは」

そりゃそうか。ネーヴェなんて最近はイゼッタと並んで甘味を食ってるが、初めて会った時は魔力食ってたしな。

「所で主様、明日はどうするおつもりか?」

「二人のおかげで島に緑が植えられた。感謝するよ。後足りないのは属性魔石だな。更にやる事もあるが、先ずは此処を快適にしたい」

「何でも言え。我は主様のものだ」

「私は?」

「ネーヴェは俺と一緒に種とアマグキを煮て貰おうか。リームは属性魔石の作成をしよう。ミズゲルが居るのは確認したから、明日一番で取りに行くよ。畑に撒く用の種は残しといてくれよ」

「ん」「良いだろう」

俺も何とか肉にありつき、左右の腕に絡み付かれてゆっくり寝た。


 朝起きて、やっぱり真っ暗。昨夜は光の棒を消して寝たからな。朝飯前に少し働いておくか。寝てる二人を起こさぬように抜け出して外に出ると、東から日が昇ってた。朝露に濡れた緑が輝いておられる。海まで飛んでテトラポッドに着地すると、テトラに居着く魚の姿はまだ見えないが、ミズゲルは結構浮かんでる。ミズゲルが居るから魚が居着かないのか?それともミズゲルはテトラが好きなのか?まあ、深い所にも普通に居るし、潮の流れに乗ってるだけかも知れないな。
ミズゲル達を《集結》させて、核だけ空に浮き上がらせると何百と言う核が採れた。それだけミズゲルが居る訳で、魚の居場所が無いのだろうな。
体感で五百個近く採れたので玄関前に戻り、《洗浄》して、お椀に入れて、《集結》で凝縮したら米を研ぐように混ぜながら魔力を込める。

「おはよう主様。早いな」

「おはようリーム。魔石を作ってたんだ」

人用の扉を開けてリームが顔を出す。魔力に気付いて起きて来たそうだ。加工した魔石を大体半分に分けて、更に少し分けてお椀に入れる。

「光と火を頼むよ。多い方が光ね」

「任されよ」

俺は水魔法で水の属性魔石を作る。リームは両手でパパッと作ってた。同時魔法か、良いなそれ。俺が使える魔法だと、泥水しか出せなそうだ。

「我は草を収穫するので肉でも焼いてネーヴェ殿を起こして来ると良い」

「見てて良い?」

「是非見てくれ。ふんっ」

リームの魔力が放出されると、野菜達はそれを吸って成長を早めるようだ。最初に目に付いたのはサヤノクサ系。成長が終わったのか枯れだした。そしてアマグキ系、風魔法のエアロか何かでスパッと切れた傍からにょきにょき生えて来る。多年草なのかな?

「あの草は何度でも生えて来るぞ。三回刈り取ったら土を治さねばならんがな」

葉物は外の葉を捥るとまた生えて来て、実物も実を採った傍から蕾が生えた。根物は種用以外はとうが立つ前に収穫してた。

「凄いな」

「草を食わん龍には無用な力よ」

「俺には有用だ。ダメか?」

「ダメなものか。こんなに嬉しい事は無い」

「リームー」「ギャーオォーン…」

「…朝からお盛ん」

抱き合ってただけだろう。扉の影から顔だけ出してるネーヴェに見られた。畑を穿って新しい種と水を撒く。最後に軽く魔力を注いで畑仕事はここまでだそうだ。早い。




しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

【絶対幼女伝説】 〜『主人公は魔王なのに』を添えて〜

是呈 霊長(ぜてい たまなが)
ファンタジー
彼の昔、最強の吸血鬼であり最強の魔王『ゼティフォール』が世界を闇で支配していた。 時を経て、神の力を手に入れし勇者率いる英雄によって、100年の闇による統治は終わりを迎えたのだった。 それから400年後、魔王が目を覚ました! 闇と共に滅ぼされるかに思えたゼティフォールだったが、勇者と神の意思により長らえていたのだ。 『再び危機が迫った時、新しき勇者と"共に"世界を救う』ために。 目を覚ましたゼティフォールは危機の訪れを察し、敵を迎え撃つ! 最強の名を欲しいままに、魔王の名を知らしめるが如く、勇者など必要ないと言わんばかりに! 最強の名は伊達じゃない。 復活した魔王軍だけの力で世界を救ったのだった! …………という予定だったが、うまく行かず、敵こそ撃退したものの魔王たる力を無くし、圧倒的強さも奪われ、残ったのはプライドだけ。 しかも、見ず知らずの土地に飛ばされ、雑魚モンスターにいじめられる始末。 服もボロボロ、体もボロボロ、唯一残ったプライドすらもボロボロ。 そんな哀愁漂うゼティフォールを救ったのは、天使のような翼を持った"最強"の幼女『ステラ』だった! ステラというチートな仲間を手に入れたゼティフォールの快進撃? が始まる── 頑張れゼティフォール! 負けるなゼティフォール! 今は幼女にお守りされる身だが、いずれ最終的には、多分、きっと、いつの日か、ひとり立ちしてプライドに見合った実力を取り戻すのだ!! ※一応主人公は魔王です

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

処理中です...