女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

モコモコ

「暫く振りだねぇ、カケル様」

ティータの声で女将も来た。ペニスケを握られて階段を上がる事に抵抗する事も無く、前回泊まった部屋に連れ込まれた。早速スカートを捲りパンツを降ろす。

「何時もいきなりなんだから…」

「孕んでるだろ？優しくしとくか？」

「…ああ。まだ悪阻は来ちゃないが…そうだね。その代わり垂れないくらい濃いヤツを頼むよ」

中に入れたまま過ごすつもりだな？滑りを纏ったアイツが女将の股を穿つと止める事無く腰を振り続け、時間ギリギリまで女将を楽しませて固いクリームのような白濁を詰め込んだ。

　夕方まで少し仮眠してジョンの部屋に行くと、少年隊が現地の冒険者みたいになっていた。モコモコした厚手のニッカポッカに毛の生えたショートブーツ。両サイドが腰まで切れ上がった上着に毛の生えた手袋。今は脱いでるが、顔全体を覆うと思われる、モコモコした目出し帽みたいなのがテーブルの上に置いてある。折角揃えた冬用セットなのに魂が抜けたようになっているのは、散々着せ替え人形にされたからだろう。よしよし。

「もっと良い物はあったのですが、目立つなら功績で目立ちたいとの事で一般的な服装になりました。可愛かったです」

「ちんこ触られた！」「おっぱいずっとくっ付いてた！」「耳食われた！」

「「ほう…」」

俺とジョンの目が鋭くなる。ジョンの闘気と、俺の魔力が混ざり合い、可視化出来る程の淀みが生まれた。

「マッカラン。お前、無事に返すと言ったよな？」

「ひっ！かっ、かばいぐで…ぼうじばげ、あびばぜんんっ！」

「マッカランと言ったな。するなら同意を得ろよ。しゃぶって抜くくらいの時間は与えたつもりだぞ？」

「ちゅ！ちゅぎごそば…っで。え？」

「「「「え？」」」」

「此奴等だってもう男だ。既成事実云々言って縛り付けるような事言わなきゃ、そう言う事の千万あっても良いだろ」

「カケルよう、千万は多いだろ…」

「ラビアンだからな、そのくらいは行けるだろ」

「かーちゃんや兄貴がエッチな事してるからさー」「なんか、俺達はいーかなーって」「おっぱいだけでいい」

「無理強いはせんよ。だが優しくされたら少しは返してやれ。おっぱい押し付ける女は好意があるって事だからな」

「お前達がそれで良いなら良いんだが…。あ、そうだ。入場券は手配出来たぞ？何時行くんだ？」

ジョンが紙切れをピラピラさせている。奪ったら失効になるんだろうなぁ。ジョンは何時でも行けそうだし、行くまで仕事に手が付けられないなら早い方が良いとマッカランが言うので、明日行く事になった。

　モコモコを連れてギルドを出て、宿に着くとティータがあからさまにがっかりしてた。パッと見は完全に現地民だからな。食堂に行ってマスクを取って、やっときゃわきゃわ騒ぎ出したよ。はよ飯持って来て！

飯食って、風呂を作って兎を洗い、部屋に帰らせティータを抱いて朝になる。身形を整え朝食を食べたらギルドに向かった。
ジョンが外に出ると何時も人集りが出来る。お、初めてジョンの方から《威圧》が飛んで来たよ。気付いてるぞ？って事だな。ギルドに向かう足をダンジョンに向けた。

「お前等、走るぞ」

「やだよ」「寒みぃよ」「さぶい…」

「走れば暖まるぞ」

仕方無い。ごねるモコモコにはコレをくれてやろう。

「これ持ってほんの少しだけ魔力を込めてみろ。暖まるぞ」

「うわ、あっちっ！」「あちっけどこれで」「焼ける！」

魔力込め過ぎだ。適温まで下げられたら走るぞ！携帯用火の鉄板を抱き締めて走り出すと、ジョンが慌てて跳んで来た。

「置いてくなよ！」

「人集りなんて作ってるからだ。子供が走ってんだから大人も走れよ」

「ち、わーったよ」

五人で走って西門を抜け、何も無い街道にぽつんと建つダンジョンの入口へとひた走るのだった。