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攻撃は最大の防御

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 今朝は早起き。飯も食わずにUFOに飛び乗り、セカンドハウスへと猛スピードで直行する。彼奴等が出勤する前に着きたいのだ。

「あれーカケル様じゃん」「おはよー」「はよー」

大部屋の屋上から一階まで降りて行くと、少年隊と友恋が飯食ってた。

「お前等肉だけかよ」

「ちゃんとソーサーも焼いてますよー。シトーン、焼けたの持ってってー」

「肉とソーサーしか食わないお前等に世話役を連れて来たのだ」

「おあよ、あむ…」

「「「ネーヴェさま!?」」」

「違う、あっち」

勝手に座って肉を食みだすネーヴェだが、朝飯まだだし仕方無し。

「なんだ、ブチ姉妹か」

「なんだとか言うな。掃除洗濯してもらえる有難味を知れ。飯を作ってくれる事に感謝せよ」

「わかったよー。これからよろしくー」「「よろしくー」」

「ネルト、タウト。こっちの二人はシトンとアズだ。よろしく頼む。こっちのはワーリン、冒険者として働く事になる。シトン、アズ、よろしくしてくれ」

「「よろしく」」

「ワーリンだ。拳闘士やってる」

「シトンだ。主に前衛」

「アズだ…。主に後衛…よろしく」

「なあカケルさま、おっきいねーちゃんが入ったら友恋じゃなくなっちまうんじゃね?」

「うちに入るとダーニーガーワー」「だにがわー」

「オレは普通にワーリンでいーよー」

ダーニーガーと友恋とワーリン。ほぼ前衛と言うかほぼ遊撃のパーティーだな。

「お前等、盾居ないのか?」

「「「攻撃は最大の防御!」」」

シトン、ワーリン、ダートがハモった。行き詰まるようなら盾を教えてやれば良いか。ネルトとタウトが追加で作った飯を皆で頂き、冒険者達は出勤して行った。その後はワーリンの部屋とネルトとタウトの部屋に雑木マットとランタンを設置、名札を付けて整備完了。俺とネーヴェも移動しよう。UFOを《収納》し、荷車を出して空を往く。二人ならこのくらいが丁度良い。数キロ手前で街道に降りて、ちょっと浮かせて街へと向かった。


 キャスーンのギルドに入り、受付嬢にギルマスとのアポを取ろうとしたが、何時にも増して不快な物だった。魔法使いがその場で吐き出す程の魔力を垂れ流してやっと降りて来たギルマスは口から色々な物を垂れ流していた。

「き…、お前、カケルにキルヒネーヴェ…」

「どうする?どこで話そうか?」

「それを、やめろ…」

「それってどれだ?それより人を舐め腐る態度の職員を見直すべきだと思わんかね?見てみろアレ、魔法使えないからきょとーんってしてるぞ?ギルマスがゲロってんのに介抱もせん」

「私関係ありませんし。会えたなら良いじゃないですか。それより掃除して下さい。臭いので」

「だとさ。上に行こうぜ」

「早く、止めてくれぇ」

「仕方ないなー」

魔力を抑えて、《威圧》に変える。今まで吐き散らしていた者は苦しみから解放され、それを傍観していた者が苦しみに悶えだす。介抱してた冒険者は許したよ。

「糞を漏らすなとは言わん。臭いから掃除しとけ」

ギルマスを押して階段を上がって行った。部屋に入ってもゼェゼェしてるギルマスをソファーに座らせてやった。

「お前…、なんてこと、するんだ…」

「逆に聞きたいね。お前訪問者に会う気あるのか?」

連絡を受ければ会うと言う。連絡する職員に、お前なんぞと会うものかと言われたのだが。それを聞いてギルマスは閉口した。

「でさ、ダンジョン無料の件、どうなった?書面なり割符なり用意したんだろ?」

「……ない」

「え?何だって?」

「用意等していない…。今回のオーバーフローは、小型のみの出現で、終わった」

「よし、ダンジョン潰そう」

「お前達に、ダンジョン入場の権利…は、与えない」

「入れなくても潰せるもんねー。さらばダンジョン都市!なんてな。行こうネーヴェ」

「カケルは優しい。更地にしない」

冒険者は舐められちゃいけない。舐めた奴も容赦しない。
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