309 / 1,519
なっちゃった
しおりを挟む「旦那さま?これで完成ですか?」
「飛ばすだけならな。地面に置いたら転がっちゃうね」
「ですよねー」
重心は床面にあるのでそのうち止まるだろうが、不安定極まりないのは頂けない。
角材と細長い板材を組み合わせて二本の橇を作り、胴体の左右にくっ付けた。移動は浮かせるし、着地にしか使わないならこれで充分だ。着地させて様子を見よう。
「足も付いたし取り敢えず完成だ」
「あの、カケル様…」
「どうしたね?」
「敷居が高くて入れません」
「わたしも….」
「実は俺もだ。梯子を作ろう」
梯子作りを思い立ち、ドアを壊す事になろうとは。観音開きのドアでは梯子を作っても乗り降りし難いし事故も有りうる。
折角作ったドアを取り外し、ちょっと加工して引き戸に変えた。閉めた時、外側に押し込んで閂を嵌めるとガッチリロックされるナイスギミックに仕上がったのは俺の建築スキルが熟練度を増したからに違いない。少なくとも地球では見なかった形だ。
その後、外にタラップを作り、細い丸材で梯子を取り付け今度こそ完成だ。
「すっかり夕方になっちゃったな」
「乗ってみても良いですか」「わたしも!」
光の棒を渡して内見してもらった。キャッキャしてるので気に入って貰えたと思われる。
「カケル様、お夕飯は食べて行って下さいね」
気配無く現れたアルネスにビクッとした。
「朝飯は?」
「ご用意致します」
薄暗くなり影を纏った顔が、何だか嬉しそうに見えて、つい抱き締めてキスしてしまった。
「お嬢様のお子が一段落しましたら、私にも子種をお授け下さい。カケル様の子が欲しいです」
「任せろ。今夜もたっぷり注いでやる」
「か~けりゅ~たまぁ~んいたぁ~」
帰宅して、俺が居る事に気付いた家主の成れの果てがコレである。
「カケルさん来てたのかー。もっと早く帰って来れば良かったぜ」
「カケル様、暫くです」
シトンとアズは泊まり掛けの遠征から帰って来たそうだ。結構頻繁に泊まり掛けしてるけど、何処でどんなクエストをしてるんだろう?聞いた事無かったな。
「こっちはエディアルタからの帰りでな。二人はどんな仕事してたんだ?」
「今回は商船会社の護衛。木のモンスターを何かしてるって言ってた」
「シトン?守秘義務」
「あ…」
「大丈夫でふよ。カケルしゃまは彼処とは懇意にしてますから」
「木のモンスターの事を教えたの俺達だしな」
「夜警の時客間に上げてくれたのはそう言う関係があったのですねー」
「皆さんお食事の用意が出来ましたよ。其方の御二方はお初ですね。私エディアルタ商業ギルドから参りましたシャリーと申します。カケル様の妾の末席としてこれからよろしくお願いします」
「友達以上のアズです」
「恋人未満のシトンだ、よろしく!」
「面白い二つ名ですね」
「それ二つ名だったのか!?」
「まあねー。リュネ様をメルタールに連れてった時に絡んで来た冒険者、居たでしょ?」
「覚えてないから男だな?」
「ですね。以前メルタールに帰った時にギルドで出会しまして、声高に呼ばれてしまいまして…」
「面白いからって二つ名になっちゃった」
「なっちゃったかー。…カロさんや、俺には二つ名、あったりする?」
「かけりゅたまはかけうたまれふ~」
早くお湯に浸けて揉み混まないとヤバいな。二つ名なんてちょっと羨ましいけど、どうせちんぽ太郎とか舐められ太郎とかになりそうだし、関わらないようにするのが良さそうだ。
とっとと飯にして、風呂に入ろう。
カロを揉み解しておっぱい島にした後、シトンの臭う頭も揉み洗いして余分な皮脂と汚れと雑菌を洗い流してやった。
「なんか髪の毛がツヤツヤしてんだけど!?」
「カケル様、次は私ですよね?ね?」
結果、皆の髪が艶々になった。
0
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
ダンジョンの戦闘配信? いやいや魔獣達のための癒しスローライフ配信です!!
ありぽん
ファンタジー
はぁ、一体この能力は何なんだ。
こんな役に立たないんじゃ、そりゃあパーティーから追放されるよな。
ん? 何だお前、自ら寄ってくるなんて、変わった魔獣だな。
って、おいお前! ずいぶん疲れてるじゃないか!?
だけど俺の能力じゃ……。
え? 何だ!? まさか!?
そうか、俺のこの力はそういうことだったのか。これなら!!
ダンジョンでは戦闘の配信ばかり。別に悪いことじゃいけけれど、だけど戦闘後の魔獣達は?
魔獣達だって人同様疲れるんだ。
だから俺は、授かったこの力を使って戦闘後の魔獣達を。いやいや共に暮らしている魔獣達が、まったりゆっくり暮らせるように、魔獣専用もふもふスローライフ配信を始めよう!!
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる