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少年

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 イゼッタの生理二日目。そしてリュネの偽抱卵二日目。何方も朝から温めた煉瓦を抱いている。因みに今日はマラソンの日だが、俺はお出掛けだ。夜なべ仕事のラビアン達が魔道具を完成させたのでエディアルタに持って行く事にしたのである。マラソンをサボりたい訳では決して無い。あっちはこのくらいで良いだろうって事で、光四千と水千を《収納》して身形を整え出発だ。

「カケルさま、多分、俺達もう会えない」「行かな…行ってらっしゃい」「くすん…」

「ミーネ、まかり間違っても殺すなよ?」

「そんな顔するな、私だって此奴等には愛着もある。お前に嫌われたくないしな」

「カケ…、オギョアギャ」

「信じてるからな?カラクレナイ、行って来るよ」

 見送る女達に行ってきますのキスをして、少年達も撫で回し、ノーズコーンを被って飛び上がる。上空千ハーンからは水平飛行でエディアルタへと飛んで行く。風を避けられるのはとても良いが景色が後ろしか見えないのは前方不注意になりそうで不安だな。最も、こんな高さを飛んで居るのは鳥か飛べる野獣かドラゴンかって所だし、避ける指示はしてあるので特に問題は無いだろう。後ろから頭のデカいトカゲモドキが追い掛けて来ていたが、追い付けるスピードで飛んでないので問題無しだ。

音速には及ばないもののかなりの高速化を実現してメルタル大陸上空へ到達し、エディアルタへは午後には到着出来た。久々の外食なのでギルドより先に飯にしよう。
で、串焼き買って外の草地で飯を食う。男の外食なんてこんな物である。久しぶりのタマゲルが愛おしい。お肉のこびり付いた串を置いてやると、乗り上がってシュワシュワ溶かして食べているのが窺えた。帰りにお持ち帰りしようと心に決める。

「お前、そこどけ!」

もちもちしたおっぱいの触り心地を堪能していると、甲高い声で声高にどけと言われてしまった。ほんの二十ハーンも先には門兵も居ると言うのにこのガキ共は…。門兵に目を向けると拳を振り翳し、振り下ろす。殴ってええのんか?

「座りたいなら好きなトコに座れよ。俺はおっぱいの感触を楽しんでんだ」

「ソイツを寄越せっつってんだよ!」「母ちゃんのおっぱいでも揉んでろよ」

「だったらお前の母ちゃん連れて来い。揉み捲って吸い付いてやるから。それに寄って集って弱い者いじめは良くないぞ、少年達。ブフリムでも殴ってらっしゃい」

「お前を殴ってやうげえ!」

子供相手ならこんなもんかと思ったら、思いの外強かったようだ。立ちゲロ立ち糞立ち小便、涙と鼻水と脂汗を垂れ流し、白目剥いている。皆はビビって引いている。

「なっ!?何しやがる!」

勇気を振り絞った一人が叫ぶが、膝はプルプルしているぞ?

「何かしたように見えたのか?」

「見えねえけど…」

「所でよ、タマゲルの核で小遣い稼ぎするくらいならブフリムの袋の方が儲かるんでね?臭いけど当たりが出るとでかいぞ」

大当たりの王金貨は無いとしても銀貨なら結構当たるからなぁ。

「俺達は魔石であの棒を作りてぇんだ」

「これか」

「それだ!」

取り出した光の棒を指差して寄越せだ何だと言ってるが、百ヤンだぞこれ。…何かおかしい。

「やっぱり臭い袋の方が儲かるじゃん。街で幾らで売ってんだ?」

「二千だよ。何で持ってるくせに知らねーんだ?」

「知らんよ。この魔道具は、俺がギルドに百ヤンで売れって言った品物なんだからな」

「ひ、百?」

「誰が何処でその値段で売ってるか教えろ。関係者諸共糞塗れにしてやる」

「やっぱヌールをやったのはあンただったのか…」

立ったまま気絶してるヌールを《洗浄》してキレイさっぱり目覚めさせたら子供等を引き連れ街に向かった。
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