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機会があれば何れまた

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 ゴロツキ共の素行が悪いのか?それとも警備隊の態度が悪いのか?とにかくゴロツキ共と警備隊が衝突を繰り返してる。捕まえたら報酬の追加でもあるのかと思ったが、そんな物は無いそうだ。
ウザ絡みして手を出させ、犯罪奴隷に落とすのが目的か?そう考えると女小隊は餌であると言える。治安を悪くしてるのって警備隊の方だよな。
一方我等の受け持ち区画は平和なもんで、何処からか調達して来た酒を飲み、声を荒らげてずぶ濡れにされる事案が一件発生したきりである。
焚き火で干し肉を炙ってる奴も居るが、冒険者用のミニコンロで燃してるし、キレイに使ってる分には問題無かろう。トイレも港に設置されてる港湾関係者用トイレでやってるしな。

 キレイで平和で寝床があると、ゴロツキ共も増えて来る。その都度空きスペースや相部屋の斡旋、多少力のある者にはチムニーを教えて新設した二階に寝てもらったりしてる。冒険者は元々知ってるようで、勝手にするする登ってく。傭兵も見様見真似で登って落ちてを繰り返してた。夜なのに元気だな。

 強い者は強い者に惹かれると言う。まだ薄暗い朝まだき、リュネの前には結構な数のゴロツキが膝を折り祈りを捧げている。ナンパしに来た者がオーラに当てられ、それを見た者が感化され、集まり出すと止まらない。馬鹿みたいとナイニャイちゃんは言うが、生に敏感な者は自然と解ってしまうのだ。抗う事の出来ぬ厄災を。人是を畏怖と呼ぶ。強面マッチョのゴロツキの癖に目がキラキラしてて面白い。それよりも、お前ら、寝ないの?

 ぐっすり寝てスッキリした顔の冒険者と、一睡もして無いのにツヤツヤした傭兵が、名残惜しんで区画を離れて行く。夜勤の時間が終わり、リュネより解散の御達が出たのだ。

「皆さん、悪い事はしちゃダメですよ?」

「「「おう!」」」

冒険者は大きな声で、ガチャガチャと。

「「「おう」」」

傭兵は小さな声で、音を立てずに姿を消した。
俺達もギルドに行って解散しよう。

「俺達は五人」「私達は二十人」

地下訓練所では何処が何人捕まえたかで賑わっていた。中には殺られた者も居て、泣き声や罵声が入り交じる。因みに当隊は死者も捕縛数も零人です。リュネの前では皆子犬のようでしたから。

「つくづく名残惜しいな」

「私は名残惜しくなぎぇ…」

「機会があれば何れまた、な」

リュネと護衛はカロ邸へ、俺は何処かで軽く何か食べてから外に出よう。とは言え店は閉まってるのでママ上殿にお願いし、焼きたてソーサーとママみたっぷりスープを頂いた。野菜が美味いのじゃ!

 腹八分目で街を出たが凄く眠い。半分寝ながらふらふらと、北の森に入ってく。半分寝ててもブフリムやゴーラ程度には負ける事は無い。《威圧》で動きを止めて首スパー。臭い袋の中身と鉄屑、ゴーラの体を《収納》しながらゆっくり奥に進んで行った。
暫く歩いて森の中、大きな窪地に辿り着く。此処は以前スキンクテールを乱獲した所だ。お茶の材料になるし少しばかり取って行こうとトカゲの尻尾を見つけては良い奴を選んでプチプチ摘んで行く。その内に周りは敵だらけとなる。誘い込まれたとも知らないで。
数にして二十人、人手不足はこんな所にも現れているな。火矢で燃やしつくしてやろうと言う目論見は悪く無いが、湿度が高いから燃え難いぞ?それにカチカチしてるの聞こえてるからな?
全員の装備を《収納》し、《威圧》して脱糞の刑に処す。これであっちもどんな状況か分かるまい。警備隊の装備で来るとか、返り討ちに遭って自滅する可能性は考えて無いのだろうか。
無いんだろうなぁ…。

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