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仕方が無い
しおりを挟む帰宅すると一番乗りのテイカがカラクレナイを抱えて待っていた。同着一位を死守する為に自分より大きな龍を抱え込むとは、やりおる。
「おかえりなさい、カケル様、イゼッタ様。夕飯の支度は出来てますよ」
「クルァーギァウー」
置いてかれて拗ねてる顔のカラクレナイを、撫でて抱き締めべろべろされて夕飯に向かった。
夕飯を食べながらラビアンの報告を聞く。夜なべ仕事で進めていた光の棒の組み立てが完了したそうな。皆お疲れ様。
光千四百、水四百、火千の魔道具が完成した事になる。新築用のゲル版も欲しいし、明日にでも街に行こうかね。
街と聞いてカラクレナイが甘え声でお強請りして来る可愛い。龍との約束を違える事は出来ないのでカラクレナイは連れて行く。現地で少しでも作っておきたいのでイゼッタとテイカも同行する事になった。
「カケル、今度は私も行くぞ。カラクレナイと仲良くしてくれる人族に挨拶したいしな」
「カケルさぁ~ん」
「カケル様ぁ」
「ご主じぃ~ん」
一人がごねると皆ごねる。荷車狭くなるけど仕方が無いな。人種六人龍三頭で行く事に決まった。
…否、狭過ぎだ。左右に三人真ん中に三人、座る事は出来ても身動き取れんぞ。ミーネが街まで飛んで行くと言うが、それ龍の姿でだよね?大変な事になるので御遠慮頂いた。
「カケル、私の荷車も使う」
「それだと速度が出ないんだよなー」
「綱で引っ張って」
それならまぁ、問題無いな。イゼッタが浮かせる必要すら無いが、何かあっては困るのでイゼッタは専用機へ、リアとメイドも遠慮してそちらに乗り込む事になった。
今迄だいぶ使い込んだ荷車だけど、今のスキルならもっと良いのが作れるようになってるよな。新築が出来たら新型の作成を考えても良いかも知れない。風呂に入って早寝しよう。
目覚めるとイゼッタが跨ってた。珍しく早起きさんだ。
「カケル、起きた?」
「おはよう。気持ちが良い朝だ」
「私も。カケル、孕ませて」
「孕んだら暫くは連れてけないぞ?」
「私が一番。だから、他のっ子が、孕めない」
「優しいな。今度こそ孕ませてやる」
上下の口に栓をして、久しぶりに激しく求めた。《繁殖》スキルを解放し、子宮の奥に打ち付けるように子種を流し込もうとした所で違和感に気付く。
「イゼッタ、お前何時から生理来てない?」
「だいぶ前…」
「生理不順かも知れん。一度体を診て、生理が済んでからにしよう。他の子もな」
「残念です」
皆起きてた。てかテイカは孕めない体だろ。イゼッタとリア、それにサミイ。大人龍の二人。あとカロもか。街に着いたら検診しようと思う。
「生理?何だそれは?」
そうだった。生理があるのは人の他は哺乳類の数種類って聞いた事がある。龍は多分、爬虫類、若しくは魔法生物と思われるので生理なんて無かった。因みに獣人であるラビアンにも生理は無いと言う。万年発情期だからな、納得。
「生理無いの、羨ましい」
「人の雌は面倒だそうで」
「痛いの。血も出るし」
飯時に話す内容では無いが、大事な話だから仕方が無い。スープが赤くなくて良かった。
飯を食ったら装備を整え荷車とイゼッタ専用機を準備する。綱が無いので布帯で何とかするしか無い。留め具を木で作り、荷車と専用機に取り付けて、布帯を結い付ける。スキルで移動するから取れる事は無いが、普通に走らせたらアウトだな。おやつとお茶セットを積み込んで、皆が乗ったら出発だ。ゆっくり空に上がってく。
「イゼッタよ、違和感は無いかー?」
「んー」
「落ちても気付けないから絶対落ちるなよ!?」
「姫様の事は我等に任せよ」
お前が落ちても困るんだよもう。
「カケルさん、何かあったらお任せ下さい」
リュネに諭され落ち着いた。龍のお墨付きも頂いたし、専用機も同じ高度を維持してるので大丈夫だろう。街に向かって徐々に速度を上げた。
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