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奥様

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 思わずチンピクする程の熱い視線を浴びる俺のアイツだが、サミイ曰く目的は魔道具なのだそうで、子供程度の魔力で使えて大分長持ち、しかも百ヤンと言う破格過ぎる安さ。買わないと言う選択肢は無いのだ。

「今は追加分の作成中なので暫く待って貰いたい。サミイの店で販売代行したら良いよな?」

「うちはお布団屋さんなんですけどねー」

「楽して出来た時間でたっぷり寝てもらえ。その内需要が見込めるかも知れんぞ?」

「旦那さまもお布団買って下さいね」

この商売上手め。奥様連中に見栄を張りたいのであるだけ十枚買ってやったよ!

「あの、カケルさん、でしたね?」

勝手知ったるバックヤードから毛布を運び出して荷車に詰め込んでいると、奥様達に声を掛けられた。

「あの…、それ、本物で?」

「詳しくはここのママ上殿に聞いてくれ」

「聞きましたけど…、ずっと硬いなんて家じゃ有り得ないので…」

バックヤードに皆さん集まってもらい、勢いを付けてビビンッ!ってしてやると息を飲んで魅入られた。

「どうぞ?」

「…頂きます」

代わる代わるに触られ扱かれ舐められて、嵌められイキられ吐き出させられた。孕んでも知らんからな?
聞けば全員セックスレスだそうで、旦那は元気に働いてはいるが夜の方はさっぱりで、火照る身体を持て余していたそうな。そう言う事ならば人助けとして一肌脱ごうじゃないか。

「お楽しみでしたね」

「楽しんだようだな」

「人助けって事で、だめか?」

「バックヤードきれいにして下さいね」

「私も未亡人になったらお願いしますね」

ママ上殿…、目がマジでござるよ…。
バックヤードを《洗浄》して夕飯をご馳走になった頃には日が落ちてしまったが、サミイのおかげで小さい門から出してもらえた。サミイの小さい穴に溢れる程出してやった。

島に着いたのは夜遅く。屋根の無い家で寝てるミーネにチラ見されたが直ぐに寝に入ってしまった。今夜は《洗浄》で済ませて寝てしまおう。四人揃ってそっと寝室に忍び込み、端っこの方で寝た。両腕にテイカとフラーラが絡み付き、真ん中の腕にはサミイのプリ尻肉布団に挟まれて、暑くて動けない。寝返り打たないと体に悪いんだぞ…zzz…


 朝。静かな朝だ。目覚めると真ん中の腕を挟んでいたのがサミイからイゼッタに代わってた。左右の二人はすでに起き出したようで不在。代わりにサミイと目が合った。イゼッタの尻を揉みながら、サミイと大人のキスをして飯だ飯飯。

朝食のスライス燻製を齧っているとミーネが丸っとした赤いのを肩に担いでやって来た。

「「「キャーーーーー!」」」

可愛いモノを見た時の反応は地球もシルケも変わらないな。クリクリ眼でまなこ キョロキョロ獲物を品定めする赤いぽっちゃりを、キラキラした目でこっち来いオーラを出す兎達と妹龍と人族、つか俺以外ほぼ全員。姦しい中燻製を齧ります。

「殻を食い終えて落ち着いたから見せに来た。私に似て可愛かろう?」

「きゃわわたんでちゅね~、ママでちゅよ~?」

姉の子供にデレデレするのも地球と変わらんか。リュネよ、続柄上お前はおばさんと呼ばりぎゅー!

「カケルさぁん?」

「ぎゃめげー」

死ぬ!

「リュネ様、人は息が出来ないと死んでしまいます」

テイカに仲裁されて漸く解放された俺は、脳に酸素が行き渡るまで小一時間気絶していたらしい。気付いたらベッドに寝てた。

「キュアー」

耳元で聞こえたそれは回復魔法では無い。子龍の鳴き声だ。龍語でも意味不明なので、人の赤ちゃんで言う所のバブー的な何かだろう。おしゃぶり代わりに俺の頭をハムハムするのは辞めて頂きたい。

「懐かれたようだな、旦那様」

「ご飯と思われてなくて良かったよ、奥様」

ミーネは俺のアイツをハムハムしてる。子供が真似るから辞めた方が良いと思う。


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