178 / 1,519
ぱーりー
しおりを挟む朝飯を食ってから、飯も食わずに朝までしてたので空腹感が強い。リュネは自己修復、俺は《絶倫》と《自然回復》で精力と体力が減らないもんだから人とするより激しくなってしまった。
「カケルさんはやはり凄いですね」
「ん?」
「もう魔力を込めても倒れなくなりましたし、吐き出される魔力もかなり増えましたよ」
「すげー腹減ってるけどな」
「ふふ、私もです」
ドロドロになったフェルト毎《洗浄》して食堂に向かうと、皆揃って食事中だった。
「おはようカケル、リュネ。昨夜はお楽しみ」
「おはようイゼッタ。長く苦しい戦いであった」
「凄く楽しい乳繰り合いと聞こえました」
そーともゆー。わいわい皆で飯を食い、今日の予定はこうなった。
イゼッタ、テイカは居住区の床と壁作り、リアとリュネは子供番、メイド二人は家事全般、ラビアン達は農作業等となり、俺はデカい魔石を取りに行く。
行った。居た。取って来た。レッサードラゴン三匹。やったぜ!
《感知》を使ってデカいのを探して陸に上がり、山に向かう所で飛んで来たのが一匹目。問答無用でブレス吐きまくり。何となく左側の弾幕が薄かったので其方から攻めようと突っ込んだら、背後の森の中にもう一匹忍んでて十字砲火を食らう羽目に遭った。
勿論、当たったら死んじゃうので防戦一方の立ち回り。投擲武器持って来なかったのを悔やむしか無く、ブレスの隙を突いて大鉈をぶん投げ一匹の頭を貫通させた。後で《感知》を使って見つける事が出来たので本当に良かった。
頭の消えた奴を盾にして、高度を上げて制空権を取ろうとすると、上からがっちり押さえ付けられた。三匹目、此奴は最初から制空権を押さえてたのだ。至近距離からの尻尾ビンタを避けるのを見越してブレスを吐く。中々頭が良いみたいだが、至近距離だと援護射撃が無いので凄く楽。
援護出来ない一匹が隙を伺っていたが首を切り落とすのに差程時間は掛からなかった。まあ、首が落ちる瞬間からブレス吐いて来たんだけど。とは言えタイマンなら負ける気はしない。避けながら近付いて首を狩る簡単なお仕事だった。
星を三つ増やして家に帰るとすっかり夜中になっていた。朝になってから皆で捌くと雄、雌、雌だった。雄のを食うと破裂するのは聞いていたが、雌のも出来れば食べない方が良いとの事なのでそれぞれ海に投げた。男の子達がブー垂れていたが、魚が爆発して海が血に染るのを見て絶句した。
一気に三つもデカい魔石が取れたのでリュネは凄く喜んだ。テイカは皮が好きみたいで肉の柵取りも忘れて干しに行ってしまった。なので肉はテイカ以外の総出で加工できるだけ加工したのだが、柵にして、燻製にして、干し肉にして、屋根にも沢山貼り付けて、それでも余るので残った物は空に上げて冷凍保存した。
そんな訳で現在焼肉ぱーりーなう。皆揃って夕食要らないくらい食ってしまい、日が落ちるまでぐったりだった。暴飲暴食は体に悪いな。
夕食が食えなかったせいで腹が減る朝だ。空腹に負けて早起きしたが、空腹なのは皆も同じみたいで、食堂に行くと既に全員集まって食事の準備に追われていた。
昨夜魔石と一緒に巣篭りしたリュネは、昨日に増して回復していた。
「リュネ、角が立派になってきたな」
「カケルさんのおかげです。尻尾も後三割程になりました」
頭の横にちょこんと見え隠れしていた白い突起は十五ドン程に伸びて風に靡いたように後ろにスラッと流れている。まるで綺麗な髪留めの様だ。
尻尾はスカートに隠れて全ては見えないが、スカートの中で揺れる様を見るに元気なのだろう。
「魔石は後何個くらい要る?」
「昨日の分で充分です。後は勝手に治りますので十日程で完調になるでしょう。それに、カケルさんにはやる事があるでしょう?」
やる事、か…。
0
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
【絶対幼女伝説】 〜『主人公は魔王なのに』を添えて〜
是呈 霊長(ぜてい たまなが)
ファンタジー
彼の昔、最強の吸血鬼であり最強の魔王『ゼティフォール』が世界を闇で支配していた。
時を経て、神の力を手に入れし勇者率いる英雄によって、100年の闇による統治は終わりを迎えたのだった。
それから400年後、魔王が目を覚ました!
闇と共に滅ぼされるかに思えたゼティフォールだったが、勇者と神の意思により長らえていたのだ。
『再び危機が迫った時、新しき勇者と"共に"世界を救う』ために。
目を覚ましたゼティフォールは危機の訪れを察し、敵を迎え撃つ!
最強の名を欲しいままに、魔王の名を知らしめるが如く、勇者など必要ないと言わんばかりに!
最強の名は伊達じゃない。
復活した魔王軍だけの力で世界を救ったのだった!
…………という予定だったが、うまく行かず、敵こそ撃退したものの魔王たる力を無くし、圧倒的強さも奪われ、残ったのはプライドだけ。
しかも、見ず知らずの土地に飛ばされ、雑魚モンスターにいじめられる始末。
服もボロボロ、体もボロボロ、唯一残ったプライドすらもボロボロ。
そんな哀愁漂うゼティフォールを救ったのは、天使のような翼を持った"最強"の幼女『ステラ』だった!
ステラというチートな仲間を手に入れたゼティフォールの快進撃? が始まる──
頑張れゼティフォール!
負けるなゼティフォール!
今は幼女にお守りされる身だが、いずれ最終的には、多分、きっと、いつの日か、ひとり立ちしてプライドに見合った実力を取り戻すのだ!!
※一応主人公は魔王です
転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる