100 / 1,519
ベッドの完成
しおりを挟む今日の作業は引き続きフェルトシート作りとベッドの嵩上げだ。
フェルトシートは王女とメイドに任せて、俺とイゼッタとテイカはベッドの嵩上げ。とは言っても二段底にするだけなのですんなり終わる。
テーブルとソファーを作るのが俺達のメインだ。
一度作った物だし、癒着で固定出来るので作業が早い。テーブルとソファーの骨組み二つを作り上げた。
昼飯にはだいぶあるので更に一仕事。
家の横に更地を作り、木を四本植林して成長させる。剪定しながらある程度まで伸ばしたら蔦で先端を一つに纏めて癒着させ、更に成長させたら枝を全て払って高さ二十ハーン程の塔にした。
木と木の間に溝を彫り、壁となる板を嵌めて癒着させていく。
壁から入口を切り取り、蔦などで加工して簡易的なドアを作り、天井に穴を開け、側の完成。
角材を物干し竿のように癒着で取り付ければ巨大な燻製器の完成だ。
切株の竈では燃えてしまうので、石を並べて直火にする。
テイカに魚の干しかけを持って来てもらい燻製器の中に干して行く。
石を敷いて焚き火を熾し木っ端を沢山焼べて部屋を出た。建物の天辺から煙がもくもく上がってるので消えたら一度見て見よう。
昼飯時で帰って来た王女達も煙を吐く塔に興味深げだが、入ると死ぬかも、と注意しておく。
昼飯食って、午後からは全員でフェルト作りに取り掛かる。
昨日の三枚に、今日の一枚が干し上がり、更に4枚干場に掲げられた。今ある五枚はカットした後シーツで包んでソファーのクッションにした。
文化的な生活に戻ったぞ!
ベッドの完成は…多分二日後だ!
夕方になり、燻製器の煙が消えていたので慎重に中を覗くと焚き火は全て熾火になっていた。息を止め、下の方に干してある干物を幾つか取って夕飯にしてもらう。炙って食ってみよう。
そんな訳で、夕飯は魚の燻製とスープとソーサーとなった。
煙の匂いが染み付いて干物のままより深い味わい。
「香りが良いですね…。煙を味として感じるとは驚きです」
「お酒飲みたい」
「カケル様はあまり飲みませんね」
「好きじゃないんだ。酔うのも酔っ払いの相手するのも」
「わかる!けど私は飲むぞ」
酒云々は置いといて、概ね好評だった。魚も肉も燻製に出来るし、味のレパートリーが増えた。
今日からフェルトの大きさをベッドに合うよう二×三ハーンに縮小して貰う。四枚ずつ二段に敷けば良いようにしたのだ。とっとと終わらせベッドで寝る為全員で取り掛かる。
フェルト作りは同じ事の繰り返し。単純作業で時間も掛かる。今まで乾燥係だったイゼッタも今日はフェルトを踏み、皆より重い俺も加減して踏んでシートの数を増やして行った。
とにかく量が多い。前回は一匹で三×三ハーンが十三枚も取れたのだ。今回は倍になり、サイズも縮小したので二十六枚ではきかないだろう。
二十六-五=二十一で、二枚で一枚だから十枚と半分。計三十六.五枚也。
二匹も狩らなきゃ良かった…。
休憩を挟み挟み踏んで行く。
並べて、踏んで、干場に干して、並べて、踏んで、干場に干して…。
夕方までに七枚が干場に掲げられた。
このペースで行けば明日にはベッドが完成するだろう。夕飯食って風呂に浸かって、疲れ果てて寝た。
今日のシフトはイゼッタが乾燥係に戻り、メイドと王女はフェルト踏み。俺は乾いたフェルトの搬入と設置とフェルト踏みの手伝い、となった。
とにかくベッドの分を作ってしまい、余った物はサミイにくれてやるか、最悪捨てても良い覚悟で臨む。
乾いたもじゃりは沢山あるからな。
最後の一枚を踏み終えて、干場に掛けると先に昨日分を乾燥させ終えたイゼッタにもう一頑張りしてもらう。
俺は乾いたフェルトを持ち帰り、ベッドに敷いて馴染ませておく。
乾くまで時間もあるし、甘い物でも取ってきてやろう。ナイフとカバンを引っ提げて、一番甘い食べ物を指示して飛び上がった。
0
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
転生弁護士のクエスト同行記 ~冒険者用の契約書を作ることにしたらクエストの成功率が爆上がりしました~
昼から山猫
ファンタジー
異世界に降り立った元日本の弁護士が、冒険者ギルドの依頼で「クエスト契約書」を作成することに。出発前に役割分担を明文化し、報酬の配分や責任範囲を細かく決めると、パーティ同士の内輪揉めは激減し、クエスト成功率が劇的に上がる。そんな噂が広がり、冒険者は誰もが法律事務所に相談してから旅立つように。魔王討伐の最強パーティにも声をかけられ、彼の“契約書”は世界の運命を左右する重要要素となっていく。
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる