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宿屋

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 食事を終えて、片付けをしたらカロさんに連れられて宿屋に向かう…のだが、向かった先は屋敷だった。

「カロさんや、もしかして?」

「はい。私の家として充てがわれている物です」

「宿屋じゃないじゃん」

「はい。玉体も居られます故、安全を取らせて頂きました」

宿屋じゃ安全性に問題あり、か。

「まさか姫様に追っ手が!?」

「今は口だけ。ですが所在がバレたら手も出ましょう。こんな所に長居は無用です、遠慮なさらず中へどうぞ」

「カケル様、メリクヒャー嬢の厚意に甘えましょう。メリクヒャー嬢に感謝を」

「勿体無きお言葉に存じます」

貴族の挨拶は長い。玉体の尻を押して揉みながら参る。
屋敷の中は無駄な調度品も無くがらんとしているが掃除は行き届いていた。うちと似たようなもんだな。
客間に通されてお茶を頂く。魔道具のコンロだ、うちも欲しいな。

「街においでの際は当家にお泊まり下さい。神の名に誓ってお守り致します」

「カケルが居るから大丈夫」

「私はカケル様に全てを委ねております。メリクヒャー嬢には今一度感謝を」

「殿下、カロとお呼び下さい」

段々姦しくなって来た。庶民なサミイと奴隷なテイカは借りてきた猫みたいになってるので、サミイを膝の上に乗せてテイカは隣に抱き寄せて庶民の温もりを味わう。
硬さの解れたサミイの中で温もりを感じていると、貴族連中にバレてしまう。声我慢しろって言ったのにー。

「匂いでバレる」

「芳しい香りです。カケル様…」

「殿下まで…私はお零れで充分ですので…何卒!」

「解ってる。寝室に行こうか」

中に出したのを気付かれたか。サミイよ、疑ってすまん。サミイを浮かせた状態で寝室に移動したら凄く喜んでた。

「サミイ早よ代われ」

「そ、言うのはっ、だ…さまに!イって、くぅーっ!」

イゼッタの舌技にて力の抜けたサミイにご褒美ミルクを注いで寝かせてやった。
その後は貴賎無く全員に何度も注ぎ込み、最後はカロさんの中に差し込んで抱き締めて寝た。


 ギルマスの秘書の朝は早い。
暮れなずむ前から腰を振り、最後の一滴を絞り出す。

「随分早いな」

「おはようございますカケル様。これから仕事ですので、少しだけ…」

しおらしい。抜くのが惜しいが仕事じゃ仕方無い。鍵は退出すると自動で閉まるそうで、好きに出て良いそうだ。
軽く湯を浴びて身嗜みを整えると、何時ぞや会ったキリッとした美人になる。
出掛けのキスをしてしおらしい美人に変えて見送った。

「カケル、気に入ってる」

「すまん、あれは可愛い」

  「ギャップ萌えですね」
「ご主人様はお尻スキー」

「する時は大体揉んできますね!」

「いいえ、カケル様はおっぱい星人です」

「よく揉んで頂いております。有難い事です」

「カケルはマザコン」

「ロリコンだと思ってました!」

「やはり痴れ者であったか」

  「つまり、誰でも良い…」
「そろそろ泣いて良いか?」

「カケル様の味方はあたしだけ、あたしだけなのです」

「テイカずるい」

テイカに抱き着き、皆に抱き着かれ、暫しのイチャイチャを楽しんだ俺達は、空腹に耐えきれずメリクヒャー邸を出て朝市で串焼きと食料品を買い漁り寝具店に戻った。


「旦那さまと一緒に行きたいですが店の事もあるので我慢します!」

ウルウルしたサミイを撫で散らし、荷物の詰まった荷車を発進させた。
門からは出たが暫く人が居る。なので荷車をギリギリで接地させて音を立てて進む。
今日は街道を往く者が多いな。前にホルストの曳く荷車が三台、護衛多数が歩いてる。後ろにも同じ様なのが三台で護衛多数。
遅過ぎて七台の商隊になりそうなのをイライラしながら車間を空けている。

「イゼッタよ」

「わかってる」

「お二人様、どうかなさいまして?」

「警戒を厳に」

無言で頷く王女とメイド。テイカは澄まし顔だがナイフは抜いている。危ないから今は仕舞っとけ?

「カケル、全員?」

目配せで答える。

「平原を過ぎる迄は大丈夫だろう」

  「探知系スキルですか?」
「そうだな」

その時までは休んでいよう。





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