73 / 1,519
警告
しおりを挟む今日は荷車を作成する。
先ずは車軸。丈夫さが必要なので真っ直ぐな丸太の、芯の良い所だけ使う。十五ドン四方、長さ三ハーンを二本切り出す。
軸のセンターを出したら端から二十ドンの長さで直径十ドンの円柱を削った。取り敢えず一本ずつ一箇所だけ削り、柔らか目の樹液で耐水加工をして乾燥待ち。
次は車輪だ。五ドン厚の板を縦横に重ねて樹液を使って接着し、厚い板にするのを三ハーン四枚。接着が乾いたらパテ盛りするので、車輪は暫く触れない。
そして箱。一×三×一ハーンの蓋の無い箱を2つ作る。
接着しながら鉄釘を打ち込み、角材を多めに使って補強した。
今度は三角。箱を作る要領とほぼ同じ感じで、三角柱を横にした形を二つ作る。
初めに角材で直角を作り、板張りした時二×一×一.七三ハーンになるように調節しながら組んだ骨組みを六つ作って板張りした。こちらも乾燥待ちで、今日はここまで。
昼飯食って食休み。午後は二人に休憩がてらお留守番してもらい、木のモンスターを拉致しに行った。
黒っぽい森への道は随分太くなって、小屋を作り出していた。軌道に乗るのはもう少し先かな?
森の奥から状態の良いのを四本縛って飛び上がる。だいぶ力が付いた気がする。それでも風の抵抗はキツいし木の状態も考えて、少し速度を落とし気味で帰った。
家に着いて木を降ろし、イゼッタに抱き着かれて夕飯となった。
翌日は雨。箱がお風呂になってしまうのでひっくり返しておいた。ビシャビシャ…。
荷車のパーツはこれから作ろうと思ってる物も含め、ドアよりデカいので車軸しか入らない。
即ちやる事が無い。
「カケルー」
「何だ?」
「もっと早くしたい」
パンツ一丁で体を拭っている俺に、マシンを持ってそんな事言う四駆女子。早くなぁ…。
「軽量化したらどうだ?」
「軽く?」
「本物には使えないが、車体や車輪に穴を開けたりして軽くするんだよ」
「やってみる」
「待てー。ここでやるとおが屑出るだろうが」
「ん、あっちでやる」
キッチンの方に駆けてった。
残った俺とテイカは、ソファーの上で自然とおっぱいを吸い吸われの状態になっていた。
だってイゼッタが居なくなった途端上着をペロンとしたんだぞ。しかもノーブラ。吸わない男が何処に居る!?
立った物を収めてギシギシしていると、イゼッタに気付かれた。
「ずるい!私も!」
結局三人でソファーをビシャビシャにしてしまった。
マットとシーツを風呂場で洗い、おかげで今夜の夕飯はフェルトの絨毯に座って食べる。文化レベルが下がってしまった。
まあ、日本ではこれが普通だったけどな。
三人並んで夕飯食べて、風呂とベッドでイチャコラして寝た。
今日は三人で街に来てる。
面倒事に巻き込まれたくないので目的を果たしたら直ぐに帰るつもりだ。
武器屋にて、注文した板バネと専用の釘、更に鉄釘を買った。
「小僧、何やらかしたんだ?」
「金を稼いだら妬まれた。多分そんな感じ」
「何だ冤罪か」
「ギルドから追っ手を掛けられています」
「その為のソイツか。出るなら早ぇ方が良いな」
「そうするよ」
目的は達成したのでギルドに寄る。
ギルドに入ると視線が集まる。金に目が眩んだ者の目だ。受付で話を聞いてやる。
「なあ、俺らを狙ってる?」
あからさまに狼狽えてるな。
「お前らこそ何したんだ?」
後ろから。この声はメルゲルだな。
「多分冤罪だと思うんだがな?この間買取の馬鹿に迷惑掛けられたろ?」
「まさか兄貴まで馬鹿だったのか!?」
「解らん。コレを見る限り、依頼として出てそうだがなー」
「ナルシア、お前ちょっと来い!」
「待て待て、その子自体は悪くないだろ」
「あ…ああ、確かに…。ちょっと行ってくる。カケルも来るか?」
「面倒だから止しておくよ」
受付嬢に向き直り、
「用事があって街を出るから処理を頼む」
とギルド証を渡すと、震える手で処理してくれた。その足で買取カウンターへ向かい、水飴の瓶二つ売った。階段に隠れてメルゲルが見てるので文句言えまい。
ギルドへの警告も終わったのでとっとと家に帰ろう。厭らしい視線を向けてた奴等は追っては来なかった。まあその内来るだろう。
串焼きくらい買っておけば良かった…。
0
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる