63 / 1,519
モコモコとフワフワ
しおりを挟む居間に置く椅子やソファが欲しいとのご意見を賜り、朝から三人、街に来ている。ぶっちゃけ椅子やソファの木組みは出来る…と思う。テーブルは作るつもりだし。ただ、ソファにふわふわ感が欲しいのだ。
「第二夫人の店で聞いてみるか」
「長居確定」
「お楽しみになられますね?」
長居するかは置いといて行ってみる事にした。サミイの店は朝なのに客が結構入ってた。
「いら、旦那さまぁーご無沙汰です!」
「家作りに掛かりっきりでな」
「わたしの部屋はあります…か?」
「無い」「ありませんね」
そもそも個人の部屋が無い。
「親が帰って来たら遊びに来い。それより居間にソファを置く予定なんだがクッションを探してるんだ。あるか?」
「はい!ございますよ。こちらへどうぞー!」
クッションコーナーに案内されたので、サミイは仕事に戻らせた。客が待ってるぞ。
「これは硬い。中は草?」
「こちらはモコモコしてますが硬いですね。多分獣の毛かと」
「ベッドと同じように作れば良いかもな」
「縁が腿に当たる」
「ああ、そうかー」
「草を編んだだけものがありますね。これを下に敷いて、上にこのモコモコを敷くのはどうでしょう?」
「背中側はモコモコとフワフワが良い」
フワフワはきっと鳥の羽だろうな。二枚重ねて持って背中に当ててやる。
「とても良き」
「良いですが少し小さいですね」
地球のソファはスポンジとか椰子の繊維とかだったよな。
「イゼッタ、海綿ってどこで取れる?」
「海」
馬鹿な質問をしたな、俺よ。
「深い所か?」
「潜って取れる深さ?だと思う」
浅瀬で大量に取るのは面倒臭そうだな。
スポンジは選択から外すか…。
「あ」
「どうされました?」
「獣の毛を集めてみるか」
「それで?」
「詳しくは伏せるが下地はそれで何とかなるかも知れん。今日はフワフワを人数分買って行こう」
フワフワクッションを三つ持ってサミイの元へ。
「鳥の羽のクッション…三つ…三つ…うう」
四つ買ったよ!シーツも二枚買いました!泣き落とし商法なんて教えてないぞ!?
シーツにクッション入れて縛って俺は一旦戻り、その間に二人には買い出しに行ってもらった。
買い出ししてる二人を俺は見付けられないが、二人は俺を見付けられる。女絡みの時は必ずだ。
串焼き屋台の女子に近付いたら既に後ろに居た。
「食べるのは串焼きですよね?」
昼飯だもん串焼きだよ?
「私達と夫の分三本ちょうだい」
露店女子もこれには苦笑い。三人で食べ歩いて魔道具屋へ。
「イゼッタの杖を買うぞ」
「高いから要らない」
「野獣を狩るから攻撃力を上げたいんだ。俺とテイカは攻撃力低いからな」
「あたしは遊撃なので防御もありません」
「俺はさしずめイゼッタ専用の回避盾、と言うか足、だからな」
性能=値段。良いヤツはやはりお高い。買える範囲の杖を見繕ったが、遠慮しいのイゼッタは中々買おうとしないのでお留守番にした。
泣いた。涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにして声を上げて泣いた。そしてちょっと良いのを渋々選んでた。
「良かったですね、イゼッタ様」
俺が悪いみたいじゃん…。
お姫様抱っこで泣く子をあやし、衆目に晒され家路を急いだ。
夕食はテイカが作ってくれたが、イゼッタはずっと俺にベッタリだった。甘えん坊さんめ。
飯を食うのも鳥の雛、風呂に入って洗わされ、
ベッドではベタベタにしてやった。
残り湯を温めてもう一度入って寝よう。
0
お気に入りに追加
133
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる