上 下
59 / 1,519

風呂!

しおりを挟む


 朝起きて、うんこして、朝飯食いつつ今日の予定を発表する。

「今日こそ風呂を作りたい」

「待ってた」

工程は床石の設置、石と木の壁の制作と設置、接着及び目地塗り、排水口の作成、排水路の確保、浴槽の作成、同設置、同目地塗り及び防水処理、ドアと窓の取り付けだ。

多いな。でもやれるだけやろう。

 石板はイゼッタが角を落として平らに削ってくれたので浴室に入れて設置する。はみ出したのを切り落とし、がた付きを修正しながら敷いて行く。
石の壁は大体二十センチくらい。高さを合わせて設置した。この上に板張りの防水壁が乗る。
ちなみにセンチはシルケ語で《ドン》。二十ドンハーンくらい、となる。
掌を広げて床から壁に当てて、

「これ長さどんくらい?」

って聞いたらイゼッタに

「二十ドンくらい?」

って言われて解せぬ顔になった。

次に、浴槽の場所を決める。排水口の上に作ると排水出来ないからね。外壁一杯から内側に一.五ハーン、横は壁一杯に設置する事になった。

ここで一回目のパテ盛り。床石を剥がしながらパテを塗り、床石を敷き詰めたらはみ出したのを塗り込めながら削いでいく。壁石は浮きながら一つずつ貼り付けて、塗り込めて、削いで行く。
石の破片にパテを塗りチェック用にしたら防水壁の準備で板を切り揃えてもらったのだが、威力やら精度やらかなり上達してるので時間が余ってしまった。

 浴槽のパーツの切り出しを終えた頃に漸く乾燥したので設置に向かう。
防水壁は簡単。木釘で壁に隙間無く板を貼って行くだけ。余る所だけイゼッタにチュイーンとして貰った。

次は浴槽。床面に防温の為の枠組み、その上に浴槽の底板。浴槽の壁を井桁に一ハーン程積み上げる。これをグラインダーで均しながら組み上げて行った。

次は接着なので休憩しようと思ったが、作業してる間に丁度良い粘りになるように樹液を採取していてくれた出来る子テイカ。撫で揉みしてやろうとしたら、

「ご褒美はお風呂で、これくらい濃いのを…」

だと。任せよ。
そんな訳でイゼッタを休ませ作業続行。二人とも楽しみにしているのだな。

戻せるように一旦ばらして接着しながら再び組み上げ昼飯となった。昼飯を食う前に樹液採取しとかなきゃ…。

 昼飯食べ終え食休み。原液に粘りが出るのを待ってます。
使える粘りになったので俺は上の方、イゼッタは下の方、テイカにはドアの防水処理をして行く。

一番に終わったのは予想通りテイカ。ドアの浴室側だけだしね。夕飯の仕込みがあるのでお手伝い終了。
二番はイゼッタ。浴槽内は入念に塗らなきゃいけないので難儀してたが、外側からは慣れたのか早かった。手がベタベタなので洗ってらっしゃい。
最後は俺。パテの盛り足りない所とか、塗り忘れてる所とかを隅々までチェックしながらやってたからね。最後にドアの枠を念入りに塗って完了!

夕飯を食べ、甘いお湯など飲んで乾燥待ちの時間を潰す。何もしないと眠くなる…。イゼッタよ、床に寝ると体が痛くなるぞ…。テイカはベッドで横になり目を瞑って体力の消耗を抑えて…寝てるじゃん!

「あっ!」

「んぐっ!どした!?」

「おはようございます…」

「排水口…作ってないや」

二人に笑われ、俺も笑うしか無かった。
試作の湯箱でお湯を沸かして湯浴みして寝た。

明日は窓と排水関係を作る。待ってろよ風呂!
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

処理中です...