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元気よくドピュドピュ
しおりを挟む昼飯を食べ終え板切れの様子を見る。五~六時間経っただろうか、全て固まっていた。白濁の原液を塗った板は吸収したので見た目は分からないが他のはカッチカチ。
再びお皿に白濁液を採取して、板の半分に重ね塗りした。今度は薄ら浮いているので板の中はカチカチなのだろう。更に放置する。
接着されたであろう木っ端を剥がしてみる。
原液の木っ端はすぐに取れてしまった。せっかくなのでもう一度原液を塗って、さっき塗った所に貼っておこう。
柔らかめに練ったパテを塗った木っ端は剥がれなかった。バキッと木っ端が折れてもパテは着いたまま。これは良いな。
硬めに練った方も同様に剥がれなかった。
余った白濁液は少し時間を置いて、水飴状態にして試してみる事にして昼寝タイム。テイカに起こしてもらい見てみると柔らかい水飴状態になってた。
新しい板に塗ると、それ程吸収しない感じに塗る事が出来た。これにも木っ端を貼り付けて、皿を洗った。水飴状態ならまだ洗えるな。
夕方になり、テイカがご飯を作ってる。イゼッタには一立方ハーン程の蓋のない箱を作る手伝いをしてもらった。これに水を満たせば凡そ一トン。板に木釘で止めてあるだけなので、そのままなら水漏れするしパカッと壊れてしまうだろう。
一先ずコイツは置いといて、板の様子を確認する。
原液を二度塗りした板はニス塗りしたようにテカってた。貼り付けた木っ端もしっかり接着されている。
水飴状態で塗った板も厚いまま固まっていた。
本日三度目の樹液採取。時間を空けて採取してるので元気よくドピュドピュ出ている。
木の粉を柔らかめに混ぜて、箱の隙間に詰めて行く。反対側から漏れたら木ベラで削いでを全面に。余ったのは床の隙間に詰めてやったが、こっちは隙間が大きく、もう少し硬い方が良さそうなのでこそぎ落とした。
明日でテストは完了かな?
夕飯食べて水浴びして、たっぷり樹液を吐き出して寝た。
今日で多分テストは終わり。
箱のパテ盛りはキレイに固まっていたので樹液を採取して柔らかい水飴状態になるまで放置。
イゼッタには石を平らに削って貰う。厚みを合わせるのが肝要也。テイカは家事と樹液の様子見で、俺は肉と採取係。
食料と樹液を交換し、最後の作業だ。
トロトロの原液を箱全体に塗って行く。先ずは内側、次にひっくり返して外側を塗って乾燥タイム。
乾くまでの間に木のモンスターを黒っぽい森に帰し、新しいのを二本攫って来た。今回は全然ジタバタしなかった。何故だろう?
箱に塗った原液も乾いたようなので、イゼッタに魔法で水を満たしてもらった。水が満ちたならあれを使うしかない。以前買ってそのままにしてた湯沸かし用の属性魔石だ。使い方は魔力を込めると発熱するので良い湯加減になるまで水に漬けとくそうだ。止める時はもう一度充填を兼ねた魔力を込めるのだと。蔦で縛って魔力を込めてもらい箱に投げ込むと、水がジュワジュワ沸騰してる。手に持つと危ないな。
さて、良い湯加減に湧いたけど、夜にやれば良かったと昼飯食いながら思った。顔だけ洗っとこう。
午後はイゼッタと二人街に来た。髭ミドルに結果報告するのと買い出しだ。
造船所の受付でアポを取る。明日で構わないつもりだったが今すぐ会えると言われた。暇なのか?
「ナーバーグ殿、お待ちしておりました」
心待ちにしてたのか。
「急な訪問に対応下さり感謝致します」
原料となる木のモンスターは明日持って来るので詳しくは技術者を交えて話し合う事にして、テストピースの板を渡した。
「板に何か塗布してありますな」
「ご説明させて頂いてよろしいでしょうか」
「うむ。申してみよ」
「その板は、原料の樹液を原液で一度塗り、乾燥後更に一度塗りした物。粘度を増すまで放置した原液を一度塗りした物。原液に木の粉を混ぜ柔らかめに練った物、同じく硬めに練った物を塗った物で御座います。貼り付けてある木切れは釘を打たずそのまま貼り付けてありまして、一度塗り及び柔らかめに練った部分には木切れを剥がした跡が御座います」
「っ!これは、硬いな。人の手では、はがっれんっ!ふぬっ!」
髭ミドル顔真っ赤。詳しくは明日と言う事で、モンスターを街に入れる許可を貰い、買い出しして、門兵に一言言って帰って来た。
夕飯食べて湯を追い炊きし、お湯で体を洗った。
イゼッタ一人ならこの大きさでも入れるな。持ち上げて入れてやる。湯が溢れても弾いてるし、耐水性はバッチリみたい。
湯を抜いて水洗いして干しといた。
温まったイゼッタを二人で抱き締めて寝た。
「私湯たんぽ…」
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