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キノコ

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 肉食獣イゼッタが焼肉の支度で手が塞がっているので、野草は俺とテイカで何とかするしか無い。
テイカは器用にジャガイモっぽいのの皮を剥いて切り、俺はケリタケをスライスする。
芭蕉系の葉っぱはどうしようか?イゼッタに聞いてみたら、串焼きを作る時に余った生肉のぶつ切りとジャガイモっぽいのとキノコを包んでくれた。
味付けして煮てみると言う。

 そんなこんなで料理の完成。ゴーラの串焼きと包んだ具材のスープ、山葡萄もどき入りソーサーに、デザートはウロの実。
糖の実は食べずに水煮にされ、余った肉は干し肉用に加工された。コップゲット。

相変わらず串焼きが美味い。肉食獣が二人に増えた。
包まれた肉等のスープは出汁が凄い。キノコの力か?蹴られるしか無かったケリタケの株価が上がる。ジャガイモっぽいのはホクホクしてて、味が染みたジャガイモだった。巻いた葉っぱも柔らかいので食べられた。味はスープの味。
ソーサーはスープに浸しても肉を挟んでも安定の美味さ。ごちそうさまでした。

「ウロの実、食べない?」

お腹一杯なので女子にあげた。苦手な物は苦手なのだ。
お片付けはテイカが一人ですると言うので任せ、俺達は干し肉を古いテントに干していった。


 今日から新しいテントで寝る。
作ってから困った三角の壁兼出入口は毛布一枚使って何とかし、反対側は板を立て掛け簡単に済ませた。

湖で体を洗い洗われテントに戻り寝た。板に毛布敷いてるだけなので体が痛い。早くベッドが欲しい。

 未明から降り始めた雨がテントの壁にしてる毛布を重く垂れさせる。
テントの屋根に関しては、雨漏りも無く完璧に仕事をこなしている。板を重ねてあるだけの反対側の壁は多少換気が良いもののそれなりに頑張ってくれている。
食い物はあるので今日は問題ないが、数日降り続いたらヤバいだろうな。食い尽くすか、腐るか、水没するか。天気予報の有難味を実感する。

 外から竈と、鍋にお玉とコップと糖の実の出涸らしを入れて持って来た。薪は床下に置きっぱなしになってる物の中で使えそうなのを見繕って持って来た。二往復でびちゃびちゃ。
イゼッタが風魔法で俺と薪を乾燥させようとしてくれる。
テイカはこれまた器用に高床式の薪組みをして火付けしてた。
糖の実の出涸らしの入った水を沸かし甘いお湯にして三人温まり、炙り干し肉で腹を満たした。

「作って正解でしたね」

「雨の方が待って居てくれたのかも知れんぞ?」

「やる事無い。暇」

「おっぱい揉みますか?」

二人でテイカのおっぱいを揉む。本当にこんな事しかやる事が無いのだ。イゼッタのも揉んどく。
貧乏人の子沢山、理解した。

飯食って休憩して乳繰り。
飯食って休憩して乳繰り。

夜になり雨が上がるまでこんな感じだった。
テイカはツヤツヤ、イゼッタは口がカピカピになった。洗いなさい!


 翌日、干してた肉がダメになってたので蟹にあげた。高床の柱にびっしり付いてたのを見てイゼッタドン引き。風魔法で軽く吹き散らかした後、切り株の上に肉を置いてやると蟹の山が出来た。

床を拭いて乾かしている間に更に壁を高くする。目標は三ハーン。
イゼッタは伐採と加工、テイカは掃除と洗濯、俺は移動と建築作業だ。

壁の建築は元々高くなってたので意外と直ぐに終わった。筋力上がってるのもあるけど浮けるからな。
ここからは屋根作りとなる。十字の内壁と、三角形になる外壁で王型に組んで行くのだが、三本並んだ部分が垂直にならないと崩れるので気を付けなければならない。

(ん?屋根の斜めになる部分は壁を縮めてからグラインダーで削れば良くね?)

こう言う発想が出るのは建築スキルのなせる技なのだろうな。

「イゼッタ、屋根の部分は重なる所がズレていくから、加工は飛びながらするぞ」

「わかった」

「屋根の梁になる数本は長さも変わるからな」

「何本あれば良い?」

「五本頼む」

「それなら板とかにする分を使えば今あるので足りる」

「宜しく頼む」

屋根の梁になる二本を壁より一ハーン程長くして取り付ける。次の段は屋根の傾斜の分幅を詰めながら三段。梁になる長い丸太を一段挟み、更に三段。屋根の頂点となる長い丸太を組み上げて、最後にイゼッタと飛んで全体を平らに削ってもらった。屋根の土台が完成した。パッと見屋根が完成したようにも見えるが、雨が降ったら全部落ちてくる。

イゼッタを上げ下ろししながら組んで行ったのでもう午後をだいぶ過ぎてしまっている。昼飯を食いそびれてしまったしテイカを退屈させてしまった。すまん。

お詫びに生肉取って来た。
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